昨年９月のＪ２日記（タイトルは『フクアリでの光景』）で、フクアリのインフォメーションボードやフクアリのコンコースに描かれている千葉や各クラブのマスコットなどの絵について紹介させていただきました。インフォメーションボードに描かれている絵は筆者が撮った写真を掲載させていただきましたが、残念ながらこれまではフクアリのコンコースに水で描かれている絵を発見したことがありませんでした。
ところが、今季の開幕戦（３月２日）の試合前、千葉サポーターのチームバスの出迎えや決起集会の写真を撮影して記者室に戻る途中、メインスタンドのコンコースに水で描かれたジェフィ（だと思います）の絵を発見！慌てて撮影して顔を上げると、筆者の近くで小さなじょうろ風のものに入れた水で絵を描いているボランティアスタッフがいました。その様子を慌てて写真を撮りながら見ると、そのボランティアスタッフの方はもちろん下書きなどないのに迷いなく腕を動かし、あっという間に栃木県マスコットキャラクターのとちまるくんを描きあげました。

いつから、どんな思いで描くようになったのか、ぜひともお話を聞かせて頂きたかったのですが、とちまるくんの写真を撮ってから後を追おうとしたら姿を見失ってしまいました。コンクリートの床に水で描いた絵は時間が経つと水が乾いて分かりにくくなるため、先に写真を撮っておこうとしたのですが、それよりもまずその方を呼び止めて話をすべきでした。完全に筆者の判断ミスです。

その方が行ったと思われる方向を探すと、アウェイ側ゴール裏スタンド近くのコンコースに描かれた栃木のマスコットのトッキーの絵が見つかりました。その方はまだ近くにいたかもしれなかったのですが、締切時間が迫ってきている試合前写真の送信や試合取材の準備もあるため、諦めて記者室に戻ることにしました。その途中、とちまるくんの絵の近くにジェフィとトッキーの絵の間に『VS』の文字が書かれたものも見つけましたが、水が乾いてきて線が少し消え始めていました。余談になりますが、先ほどのトッキーの絵を撮った写真を改めて見た時、トッキーの右耳には『Ｓ』、左耳には『Ｃ』の文字が入っていることに初めて気づきました。

時間が経てば消えてしまう絵ですが、千葉サポーターは絵を描いているかたを『フクアリ画伯』と呼んで楽しんでいるようです。今季、千葉は『ＦＵＮ！〜勝利のために』というチームスローガンを掲げています。このボランティアスタッフの方の絵は千葉の勝利に直接結びつくわけではありませんが、千葉の勝利のために応援しようと集まったファンやサポーターを楽しませてくれる『おもてなし』の一つだと思います。ファンやサポーターが一番楽しいと思うのはもちろん応援しているクラブが勝った瞬間だと思いますが、こんな楽しませ方を見せてくれるボランティアスタッフがいる千葉は幸せなクラブだと思います。このボランティアスタッフの方の気持ちに報いるためにも、開幕から連続でホームゲームの千葉には第２節で必ずフクアリでの勝利を見せてほしいです。

以上

2014.03.07 Reported by 赤沼圭子