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【J1:第2節 徳島 vs C大阪】プレビュー:クラブ史に刻まれるJ1ホーム初戦。C大阪という強大な敵に対し徳島は立て直した姿を見せられるか!?(14.03.08)

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今季挑む戦場がこれまでに比べ格段に厳しいところであるのは分かっていた。だからこそ選手たちは強い意欲と覚悟をもって入念に準備を進め、来るその日に挑んだ。しかし、開幕戦の結果は0-5。徳島はJ1初挑戦のシーズンを受け入れ難いショッキングな大敗でスタートさせることとなってしまった。

また、スコアだけでなく、チームはプレーひとつひとつの部分でも小さくない差を突きつけられたと言わざるを得ないだろう。局面の激しさ、運動量、判断スピード、こぼれ球への反応、残念ながらどれも鳥栖に上回られていた。さらにもっと細かいところに目をやれば、ハッキリと違いが見え、ピッチ上の優劣に強く影響を及ぼしていたのが、相手のクロスやロングフィードに対する処理の精度だ。ギリギリの状況であってもそれを味方へのパスにしていた鳥栖に対し、徳島は精一杯のクリアがほとんど。そのため自陣内でセカンドボールを拾われ圧力ある攻撃を繰り返されて、自分たちのリズムを作れなかったのである。

そして迎える今節だが、その部分を改善できるかどうかが徳島の大きなポイントになるのはおそらく間違いない。なぜなら相対するC大阪は、今節ボールを奪った直後のシンプルな早い仕掛けを狙ってくるはずだから。というのも、開幕戦の彼らは丁寧な組み立てをし過ぎたことにより敗戦へ向かってしまったところがある。「つなぐことを意識し過ぎて、前へのスピードが落ちている部分も後ろから見ていてあったと思う」と藤本康太も試合後に話していたが、大事に攻め過ぎたが故に攻めが迫力を欠いてしまっていたと言えよう。そのためこの一戦へ臨むにあたっては、シンプルに早くゴールへ向かう意識を相当高めているに違いなく、それを考えたなら跳ね返しを安易にまた渡してしまうことなど絶対に許されない。

加えて、ボールを得たところで瞬時に決定機を生み出せる力を持ったタレントがC大阪にズラリと揃っていることも当然その必要性を強める。最前線の柿谷曜一朗や二列目の南野拓実はどんな時も意識高くスペースへの抜け出しを狙っているし、中盤の山口蛍と扇原貴宏は一瞬でそこへ精度の高い勝負パスを供給することができる。また今季加入したビッグネーム、フォルランが出場した場合、直接のフィニッシュも警戒しなくてはならない。アバウトに跳ね返すだけのクリアを嫌な位置で拾われ、そこへの寄せを曖昧にするようなら、きっと強烈な一撃を見舞われることになろう。

そうしたところから、やはり徳島について言えば、跳ね返しをしっかりマイボールとして繋げていく精度が大いに求められる。それによって波状的に攻められることを防ぎ、自分たちの流れを作るための落ち着く時間を作らなくては。そこでキーマンとなるのが、そうした場面で多く対応することになる2人のセンターバック。「走れる、元気のよいメンバーがスタメンに入ってくるだろう」という小林伸二監督の言葉からも伝わる通り、千代反田充、橋内優也、福元洋平、青山隼の中でどの組み合わせが先発として使われるかは直前まで分からないが、誰が出場してもそれが勝負の行方を左右するのは間違いないだけに、ピッチに立つ2人にはシビアにその精度が問われることになる。

もちろん併せて周囲の選手たちのコーチングも必要だ。ハッキリと声で自身の存在を示してクリアボールの呼び込みを行わなければならない。ただ、その点に関しては斉藤大介が先発に入ると予想されるため、開幕戦よりも間違いなく良くなるだろう。急な体調不良により初戦出場を逃したキャプテンが精力的な働きをもって数多くのセカンドボールを収めてくれるはずで、そうなればチームは必ずいい方向へ進んでいける。

確かにJ1デビュー戦は非常に苦いものとなってしまった。だが、まだチャレンジは始まったばかり。「ここから切り替えて次へ向かうことが大事」と指揮官も開幕戦後に語っていたが、選手たちには1週間前の悔しさもパワーにして今節へまた新たな気持ちで挑戦してほしい。クラブ史に刻まれるこのJ1ホーム初戦、徳島には立て直した勇姿をぜひ見せてもらいたいものだ。

さて最後にではあるが、この一戦の前売りチケットは発売日に即刻ソールドアウトとなった。理由はもう言うまでもないだろう。徳島のJ1ホーム初戦ということに加え、このゲームは柿谷の凱旋試合。2009年6月から2年半にわたりその成長をあたたかく見守ってきた多くの徳島の人たちが、今や日本中の期待を背負うまでになった彼の姿を目にしたいと望んだからであろう。それだけ柿谷は今でも徳島のファン・サポーターから愛されているということである。

以上

2014.03.07 Reported by 松下英樹
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