鮮やかなゴールが均衡を破った。20分、湘南はフリーキックを得ると、梶川諒太が送ったボールにウェリントンがヘッドで合わせた。山形の石崎信弘監督をして「GKとDFのあいだに素晴らしいボールが入ってきた」と言わしめる、絶妙な先制弾だった。
セットプレーを重ね、ゴールを窺う山形に対し、湘南は序盤から組織的な守備を発揮し、攻撃に転じていた。オーバーラップした菊地俊介のクロスに武富孝介がシュートを放ち、あるいは遠藤航を起点に菊池大介がゴールに迫るなど、流れのなかでも随所にチャンスを見出していた。だが前半アディショナルタイム、梶川が2枚目のカードで退場となり、勝負は後半に委ねられる。
ひとり少ない状況で風下に回った湘南は、ポゼッションこそさすがに低下したものの、しかし守備の安定感は変わらなかった。「10人になっても変わらずにできた」と丸山祐市は語ったが、チームとして仲間を補完し合うディフェンスが普段から意識されているからこそ、緊急事態にも無理なく対応できるのだろう。
数的優位に立っていたはずの山形は55分、ロメロ フランクが2枚目のカードを提示され、こちらも10人となった。ただ、「10対10になってからのほうがすこし難しかった」と曹貴裁監督が振り返った湘南の状況、また風の影響もあり、山形が追いつくべく押し込んでいく。ディエゴを中心にシュートも重ねた。だが反面、「相手の前で回しているだけという感じでした。崩すシーンはそんなに多くなかったと思う」と途中出場の伊東俊が語ったように、決定機は少なかった。最後のコーナーキックも、惜しくも枠を捉えきれず、勝負は決した。
「攻撃のところで横と後ろへのパスが多い。もっと前に運んでいく、あるいは下がった相手に対してどう崩していくかも、引き続きやっていかなければいけない。ただ、選手たちはやろうとしていることをゲームのなかで出してくれたと思う」石崎監督は選手を称え、今後に向けて積極的な攻撃の必要を口にした。
一方の湘南は途中、数的不利の状況に陥りながらも虎の子の1点を守り、開幕戦を取った。相手のセットプレーがゴールを脅かした場面もあり、たとえば丸山が「修正していきたい」と引き締めたように、勝利のなかに課題を見出すことも忘れていない。ただ、試合を迎えるにあたり、「新卒も多い自分たちにとって、勝つことができれば自信は増す。次に繋げる意味でも開幕戦の勝利はすごく大事」と、キャプテンの永木亮太が語ったとおりの結果を得られたことがなによりの意義だろう。大切なホームでの開幕戦、指揮官の言う「勝ってこその湘南スタイル」を彼らはしかと体現した。
以上
2014.03.03 Reported by 隈元大吾
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