横浜FMが新加入選手2人のゴールでホーム開幕戦を飾り、FUJI XEROX SUPER CUP広島戦、ACL全北現代戦で連敗した嫌な雰囲気を払拭した。先制点の藤本淳吾、試合を決するロングシュートを決めた伊藤翔だけでなく、大宮から移籍の下平匠も攻守に貢献。肌寒い小雨が降り続くなか、待ちわびたサポーターの前で、昨季ホーム最終戦(11月30日・対新潟)で敗れ、結局J1優勝を逃した悔しさを晴らす絶好のスタートを切ることができたと言っていいだろう。
待望の今季チーム初得点は、前半17分に生まれた。中澤佑二のロングパスを左で受けた齋藤学がドリブルで切れ込む。ペナルティーエリア内で3人に囲まれ、スライディングタックルで止められるが、ここに詰めていたのが藤本。バイタルエリア付近から、左足を振り抜くと、ゴールの左サイドネットを揺らした。
昨季のホーム・大宮戦(7月13日)で、鮮烈の4人抜きドリブルシュートを決めた齋藤は、この日自身のゴールこそなかったものの、切れ味鋭い攻撃を随所に披露。スタートポジションの左サイドから、時には右へ流れながら、藤本とも抜群の連係を見せる。「淳吾さんの動きはよく見ていたし、淳吾さんも自分をすごくよく見てくれていた」と手応えを感じた。2人は前半だけで少なくとも2回はチャンスを演出。司令塔・中村俊輔をサポートする、両サイドハーフが大事な開幕戦で結果を出してみせた。
また、先制点のシーンで齋藤のドリブルをサポートしたのが、左サイドの外を走って、相手のケアを拡散させた下平だ。下平は32分、オフサイドになったが、中村のパスに果敢な上がりを見せ、38分にはコーナーキックの崩れから、ゴール前に得意のアーリークロスも送った。「大宮にいたときは、F・マリノスにボールを回されるのは仕方ないと割り切って、守りから人数をかけて攻めることを意識した。今はF・マリノスの一員。大宮には変なボールの奪われ方をしなければ大丈夫」と試合前に語っていた通り、チーム全員がカウンターを未然に防ごうとボールの出どころに厳しく行けたことが、試合の主導権を握る要因となった。
対する大宮も、全体のシュート数こそ8本と少なかったものの、前半は2度ほど横浜FMをヒヤリとさせた。23分には家長昭博。角度のない右からの左足シュートはわずかにゴール左ポストをかすめる。終了間際には、今井智基の右からのクロスが相手に当たって右ポストを直撃。その後のコーナーキックは、横浜FMの鉄壁の守備に阻まれた。
後半はズラタン、泉澤仁、長谷川悠ら攻撃的な選手を投入して、同点を狙った大宮だったが、エリア内でシュートに持ち込めない。21分には家長がピッチを横断しながら、ミドルシュート。しかしGKのタイミングを外すことはできず、榎本哲也の好セーブに合う。28分にもボランチの片岡洋介がGKの前で落ちるシュートを放ったが、榎本に落ち着いてキャッチされた。そして42分、伊藤翔がスーパーミドルを決めて万事休す。
横浜FM・伊藤は、前線での体を張った守備でも貢献、前を向いて力強いドリブルでチャンスを演出するなど、獅子奮迅の働きを見せ、「ようやくF・マリノスの一員になれました」と試合後のインタビューでは笑顔を見せた。
ヒーローインタビューで藤本は、今季の目標ゴール数を聞かれ、少しためらった後にこう答えた。「背番号(25)と同じです!」。藤本が強気に宣言したのには、理由があった。「名古屋にいた時も、初ゴールの後、監督に“これで終わりじゃないぞ”と、よく言われていた」。昨季の得点は3点、その前のシーズンも2点だっただけに、今季は貪欲にゴールにこだわる覚悟だ。
一方の大宮は、得意の厳しく行く守備が影を潜めた。「韓国(ACL全北戦)のようなサッカーを、大宮もやってくるんじゃないかと思っていた」が、そうでもなかったと横浜FM・中澤が言えば、大宮のDF高橋祥平は「みんなビビッてはいないと思うけど、本当に何をやったらいいのかわからない状態だった。前に行っていいのかわからないし、行っても後手を踏むだけだった」と語った。大宮の勢いを止めたのは、横浜FMの積極的な前からのプレスだった。富澤清太郎は言う。「キックオフから自分も含めて、前から圧力をかけて、それを大宮が感じた時点で、今日の試合は決まった」と。過去リーグ戦3勝8分7敗と、相性の悪い天敵を叩いて、さらに新戦力が結果を出した横浜FM。この試合は「いろんな意味で、デカイ勝利」と栗原勇蔵が総括した言葉に象徴されていた。
以上
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