両チームにとって、まさに期待と不安が入り混じるリーグ戦の幕が切って落とされる。
今シーズンすでにFUJI XEROX SUPER CUPとACLの2試合を消化した横浜FMは、2連敗中。しかも、いまだ相手ゴールネットを揺らしておらず、2試合合計5失点と苦戦が続く。気が気でないファン・サポーターの方も多いことだろう。ただ、プラス思考で考えれば、今季3戦目で試合慣れし、「チームのコンディションは上がってきている」(富澤清太郎)。また26日のACL・全北戦は、アジアの異なるステージでの完敗(0‐3)だけに、「気持ちの切り替え」のリセットボタンを押しやすいはず。ホーム開幕で気分一新、臨めるのではないだろうか。
対する大宮の不安要素は、15日のプレシーズンマッチ・神戸戦が雪の影響で中止になり、ぶっつけ本番で90分間の公式戦初戦を迎えること。22日に行った非公開の松本山雅との最終練習試合では、主力組で臨んだ1本目のゲームは、良い内容ではなかったという情報も流れている。2月11日に行った45本3本の変則マッチでも岡山相手に3−4。熱血漢のイメージの大熊清新監督は、球際の強さ、切り替え、運動量を強調し、攻守の調和がとれたチーム作りに着手したようだが、仕上がり具合やいかに。またMF青木拓矢、FWノヴァコヴィッチ、そして現横浜FMのDF下平匠という中軸が抜けてできた、穴の補填作業の進捗状況も気になるところだ。
プラス材料となるのは、新加入の家長昭博に他ならない。日本人では希少な個の力で局面を打開できる万能レフティーアタッカーは、先の不安を打ち消すような大宮でのデビュー戦を、自ら左足で飾るだろうか。背番号41がオレンジ色のゴール裏の期待を一身に浴びる。
もう一つ、大宮にとってプラスアルファは、相手に対し、苦手意識がないこと。リーグ戦での対戦成績は7勝8分け3敗とリード。下平は大宮在籍時代、「F・マリノスにボールをもたれるのは仕方ない」と割り切っていたそうで、粘性高い守りから速攻を狙うのが、ざっくり言えば対横浜FMのプランだと思う。昨年8月31日、21試合負けなしのJリーグ記録樹立から一転、泥沼の連敗を8で止めた前回の対戦がまさにそう。中村俊輔にマンマークで付いた高橋祥平をはじめ、愚直なまでに守り抜き、渡邉大剛の一発でトリコロール軍団を沈めた。あの勝利の残像が、チームに自信を与える一助になるかもしれない。
逆に横浜FMにも良い残像がある。昨年7月13日、2−1で大宮を叩いたホームゲームだ。そこで齋藤学が4人抜きのドリブルで大宮ディフェンスを切り刻み、フィニッシュ。Jリーグの月間ベストゴールにも選ばれた、あの得点である。あれほどのスーパープレーは、滅多にお目にかかれるものではないと分かっていても、同じピッチ、同じ相手との試合に期待値は高まる。2月27日には日本代表に再び選出。「まずは目の前の大宮戦に集中し、良い形で代表に合流したい」(齋藤)。
両チームとも昨季は、痛みの質こそ異なるが、“深手”を負った。横浜FMは優勝目前で2連敗し、悲願の戴冠を逃す。大宮は前記の通り、前半戦で首位に立つも連敗で急転落し14位に…。お互い傷跡を消し去るためにも、スタートダッシュが肝要だ。白黒決着をつけようと、熱い“闘い”になるのは間違いない。
以上
2014.03.01 Reported by 小林智明(インサイド)
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