７位の新潟は、順位のキープだけでなく目標が多くある最終戦になった。ホーム9連勝、クラブ最多記録の5連勝。そして川又堅碁の得点王だ。現在22得点でランキング2位で、26得点でトップの大久保嘉人（川崎Ｆ）とは4点差がある。それでも「最後まであきらめない」と意欲は十分だ。
名古屋はストイコビッチ監督のラストゲーム。指揮官へ最後の勝利を捧げる。

新潟は6日、シーズン最後の練習をリラックスゲームで締めくくった。大雨にたたられながらも、4連勝のチームのムードは明るい。メンバーからは笑顔が絶えない。

自信とリラックスが混じった中、川又は言った。「今までと同じです。いつも通りにやるだけですよ」。得点王の座に就くためには、4点差を埋めることが最低条件。楽ではない。だが、あきらめるつもりも毛頭ない。「4点を追い付いて、追い越せばいい。もちろん狙います」。

前節横浜FM戦で、先制のボレーを決めたように反応はいい。「（利き足ではない）右足が自然と出る」と言うように、スムーズに体が動く。「ボールがどこに出るか、どこにこぼれてくるかを予測して準備している」。局面での判断力の向上も今の好調を支えている。

得点王は欲しい。そしてそれ以上に勝利が欲しい。ホーム9連勝、クラブ新の5連勝がかかる試合。そして、今季で契約満了のベテラン内田潤にとって新潟での最後のベンチ入りを果たす。川又がルーキーの頃、選手会長としてチームを引っ張ってきた。悩んでいるときに的確なアドバイスをしてくれた。「いつも一緒にいてくれた。ウチさんのためにも勝って終わりたい」。自分とって、チームにとっての願いをすべてを叶えて2013年をフィニッシュする。

名古屋はメンバーに変更がありそうだ。出場停止の田中マルクス闘莉王に加え、ケネディ、玉田圭司が故障のため出場が微妙。ツートップは永井謙佑と田中輝希のコンビになる可能性がある。
もっとも、変化があっても個々の能力の高さに変わりはない。スペースに走り込む永井のスピード、セカンドボールを拾ってからの前線の流動的な攻撃は脅威だ。
何より、選手たちは今季で退任するストイコビッチ監督へ最後の勝利を捧げなければならない。新潟には昨季、東北電力ビッグスワンスタジアムで0-5で敗れている。かつて「ここのスタジアムは好きではない」と苦手意識を持っていた指揮官のためにも、白星で締めくくりたい。

新潟も上昇のまま終えることが、来季にも好影響になる。どちらにとっても、意味のある最終戦になる。

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2013.12.06 Reported by 斎藤慎一郎（ニューズ・ライン）