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【J1昇格プレーオフ:準決勝 徳島 vs 千葉】千葉側レポート:失ってはいけない『1点』を守れず、あと『1点』が奪えなかった千葉。成長は少し見せながらも今季を象徴する戦いぶりで準決勝敗退。(13.12.02)

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終わってみれば昨季のJ1プレーオフ決勝と同様に、千葉には『1点』の重みをまたもや痛感させられた試合となった。欲しい『1点』を奪うこと。失ってはいけない『1点』を守ること。その重要性を千葉は今季の戦いでも幾度となく痛感させられてきたが、J1昇格プレーオフ準決勝という舞台でもやるべき重要なことをやりきれなかった。

試合を振り返れば、千葉は攻守で狙っていたことをだいたいやれていた。まずはボールに対するアプローチ。今季はきちんとできない試合が目についたこぼれ球への反応も速く、球際の勝負でも粘りを見せた。誰かがアプローチに行けば、そこに素早くカバーに行ってこぼれ球を拾う。それもあってボール保持率は千葉が徳島を上回った。ボールを奪うとサイドでパスをつなぎ、相手が寄ってくると一発のパスではできなくとも逆サイドに展開し、そこから縦に仕掛ける。さらにサイド一辺倒にならずにスルーパスなどでも中央を突く。また、前線からきっちりプレスをかけて、徳島にロングボールを楽に蹴らせなかった。
だが、勝たなければJ1昇格プレーオフ決勝に行けないという最初からビハインドの状況下の千葉には、『1点』を先に奪えずに失ったのは痛かった。徳島の2トップ(津田知宏とドウグラス)はスピードがあり、追いかけっこになると千葉はしんどい。だが、警戒していた裏への抜け出しをされ、キム ヒョヌンが津田を倒す形になってPKのジャッジ。思い返せばキム ヒョヌンは今季の第26節・徳島戦で自身のミスから失点を喫していた。その敗戦の雪辱を果たしたい気持ちもあったと思われるが、この場面だけでなく試合を通して気負いや『若さ』が悪い形でプレーに出てしまったところがあったように思う。それでも互いに助け合うのがチームで、PKをドウグラスに決められたものの、3分後にはCKから山口智がヘディングシュートを決めて同点として、流れはまだ千葉にあった。失点したからといって焦りはなく、ピッチ上の選手は全体的には落ち着いて戦えていた。
今季の千葉のストロングポイントである右サイドバックの米倉恒貴の攻め上がりには、徳島は左サイドバックのアレックスと左サイドハーフの大崎淳矢が時には2人で挟み込むようにしてケアしていた。それでも、米倉はチームメイトとの連係で攻め上がり、チャンスを作った。このあたりには千葉の組織攻撃の向上が見られたが、とにかく流れの中での決定機をモノにできなかったことが痛かった。最後のところでの徳島の体を張った守備も確かに見事だったが、シュート数でも決定機数でも徳島を上回りながらCKからの『1点』どまり。欲しいところで『1点』を取りきれないという決定力不足を解消できなかった。
また、シュートの精度不足という問題があったにしても、欲しい『1点』を取るための鈴木淳監督の采配には疑問が残る。前節は後半から森本貴幸を入れ、形にこだわらないロングボールの攻撃で2点をもぎ取った。だが、この試合は最初の交代が70分で、入ったのは大塚翔平。「もう少しボールを動かしたかった」(鈴木監督)ための投入だったが、例えば森本のようにパワーがあって前線で圧力をかけられる選手、深井正樹や田中佑昌のようにスピードで変化をつけてゴール前に切り込める選手のほうが徳島は嫌だったのではないか。大塚は第38節以降の出場は1試合でわずか4分と公式戦から離れていたせいか、試合にうまく入りこめていない感じで、試合後に「自分がゲームを壊してしまった」と悔やんだ。また、森本の投入は84分と遅く、左サイドバックの高橋峻希との交代。その位置を79分から出た深井がカバーする形になり、前線での突破という深井の良さが消されてしまった。

これで、千葉は昨季の借りをJ1昇格プレーオフ決勝の国立に返しに行けなくなった。でも、J1昇格プレーオフの借りなんて返さなくていい。来季こそJ1に自動昇格するように、攻守のミスを減らして『1点』を奪い、『1点』を失わない強いチームになるしかない。

以上

2013.12.02 Reported by 赤沼圭子
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