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【J2:第42節 群馬 vs G大阪】レポート:群馬、覇者G大阪相手に執念のドローでシーズンフィニッシュ。J2を席巻したG大阪はサポーターともにJ1へ帰還。(13.11.25)

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群馬、覇者G大阪相手に執念のドローでシーズンフィニッシュ。J2を席巻したG大阪はサポーターともにJ1へ帰還。

群馬がスタジアムに宿る力を結集させてJ2覇者G大阪から勝点1を奪った。今季、残留争いに甘んじたことでサッカーを楽しめない時間が続いた。だがこのG大阪戦でサッカーの面白さ、Jリーグの魅力を改めて教えてもらった。満員のスタジアム、最高の対戦相手、エキサイティングなゴール、そして櫻田和樹の引退。群馬にとって2013年のシーズン最終戦は、特別な日となった。

G大阪は遠藤保仁、今野泰幸がケガの影響で最終戦帯同を回避。群馬は、代表組不在のG大阪を迎え撃った。2人がいなくてもガンバはガンバ。群馬は、J1へ昇格しない限りこの先は戦うことのないであろうG大阪からの歴史的勝利を目指してエンジンをふかす。一方、G大阪は代表組不在だからこそ負けるわけにはいかない。選手たちは正田スタまで駆けつけた約3000人のサポーターに最終戦勝利を届けるべくピッチに立った。

群馬、G大阪側のコアサポーターが陣取る両バックスタンドはそれぞれのクラブカラーで鮮やかに染め上げられた。双方が迫力の重低音を響かせる中、ゲーム序盤の主導権を握ったのはG大阪だった。宇佐美貴史が独特のドリブルで群馬守備陣を翻弄、次々とチャンスを演出していく。序盤でG大阪がゴールを奪えば大差のゲームとなっていたかもしれない。だが群馬守備陣は決死のディフェンスで失点を阻止すると、平繁龍一、ロビーニョの2トップの個人技を全面に押し出すカウンターで逆襲を仕掛けていく。

前半をスコアレスで折り返したことで手応えをつかみ始めていた群馬だったが、そんな矢先に宇佐美にやられてしまう。54分、左サイドからドリブルを仕掛けた宇佐美にペナリティエリアを横に引き裂かれると、倉田秋を壁に使ったトリッキーなプレーでフィニッシュまで持ち込まれてしまう。「細かいところをうまく崩せた」(宇佐美)。失点を喫した群馬はその後、G大阪の猛攻を受けるがGK北一真が執念のセービングで危機を回避。ゲーム終盤へ一縷の望みをつないだ。

残り時間が5分を切った時点で群馬はパワープレーを決行。CBクォンハンジンを前線へ上げて、平繁、ロビーニョ、エデルでゴールを目指す。そして87分、カウンターからロビーニョが強烈なシュートを放つと、そのこぼれ球をエデルが押し込んで土壇場で同点へ追いついてみせる。「ファ―サイドでこぼれ球を待っていた」(エデル)。88分からは、サポーターの大声援を受けて現役引退を発表している櫻田和樹を投入、チームは逆転を狙って最後の力を振り絞る。だがG大阪を沈めることができずにシーズン終了の笛を聞いた。

G大阪は最終戦を勝利で飾ることはできなかったが、J2優勝によって1シーズンでのJ1復帰を決めた。悪夢の降格から1年、J2で勝ち続けることで、スタイルを取り戻し、来季への土台を築き上げた。降格後、1年でJ1へ復帰した過去のクラブは翌年のJ1で好成績を収めるケースが多いが、G大阪にとってこの1年間は決して無駄にはならないだろう。そしてG大阪というビッグクラブの存在は今季のJ2を盛り上げてくれた。この最終戦でもJ1のサッカー、J1の応援を正田スタに届けてくれたが、J2活性におけるG大阪の貢献度は計り知れない。

群馬は優勝チーム相手にドローへ持ち込み、今季を締めくくった。群馬はラスト2戦で神戸、G大阪と対戦したが、2戦とも先制される苦しい展開の中で引き分けに持ち込み、チームの成長を示した。しかしながらこの2試合は “消化試合”。最終順位は20位、40節でなんとか残留を決めたという結果から目をそらしてはいけない。2013年シーズンは終わったが、これはリセットではない。G大阪のような人気クラブに頼ることなく、スタジアムを満員にできる努力をクラブ、チーム、サポーターが続けていかなければJ1昇格はおろかJ2で生き残ることもできない。

以上

2013.11.25 Reported by 伊藤寿学
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