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【J2:第40節 松本 vs 山形】レポート:ヒーローの名は大久保剛志。苦労人の2ゴールで山形は首の皮一枚残り、松本は悔しい8位後退(13.11.11)

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1点リードで後半を迎えた松本にとって、前半の展開を見る限り後半にこれだけゲームが動くとは想像出来なかったかのではないか。前半の山形のシュートはわずかに2本。しかし後半はなんと16本を数えた。

林陵平と中島裕希の2トップは怖さを見せ、中村太亮や伊東俊からは矢のような鋭いクロスがピンポイントで供給された。しかし、この日のヒーローはその誰でもない。その名は大久保剛志――。昨季までのJリーグ公式戦の通算出場試合は僅か6試合で無得点だが、JFLに詳しい諸兄なら、はたと手を打つことだろう。「ソニー仙台のエース、大久保か!」と。仙台ユースからトップ昇格を果たしたものの分厚い選手層のなか出場機会を得られず、もっぱらソニー仙台でのプレー(08〜10年は期限付き移籍、12〜13年途中は完全移籍)を続けてきたが、今年8月にその活躍を評価され、山形への完全移籍を果たした苦労人のアタッカーだ。ちなみに松本とは10年に対戦経験があり、1失点を喫している。

18分、強風で想像以上の球が伸びるなか、村山智彦のゴールキックはその風に乗って、山形守備陣の後方でワンバウンド。前目にポジション取りをしていた常澤聡も慌てて戻るが、ボールはその頭上を越えてゴールネットへと吸い込まれる想定外のゴール。「401試合指揮を取ってきて、初めて見ました」と反町康治監督も苦笑するゴールで松本が先制する。ちなみにアルウィンの風によって生まれたGKのゴールゲッターはこれが初めてではなく、地域リーグ時代の06年にやはり松本のGKだった大野恭稔という先達がいる。それほどの風が、まずはホームチームに味方した。

さらに畳みかけて追加点、と行きたかったが、幾度かあったチャンスも生かせずに前半を1-0で終了。これが結果的に尾を引くことになる。もう後のない山形は目が覚めたかのように前へ圧力をかけ、シュート・クロスを雨のように浴びせかけるが村山が好セーブを連発し、ゴールネットを揺らせない。そこで奥野僚右監督が切ったカードが大久保だった。「大久保くんの持ち味は、ゴール前への飛び込みと感覚」と語るように、持ち前のスピードとクロスに合わせて身体ごと飛び込む姿勢は、山形の攻撃モードをさらに加速させた。73分に秋葉勝のクロスを頭で叩き込めば、お互いに1点ずつを追加して2-2で迎えた後半ATに得たPKを冷静に決めた。パワープレーを仕掛けるならば長身フォワードの萬代宏樹もベンチにいたが、あえて大久保を起用した奥野監督が賭けに勝った形となった。

敗れればJ1昇格プレーオフの可能性消滅という危機で、苦労人があげた殊勲の2ゴールで劇的な勝利を挙げた山形。まだまだ6位との勝点差はで首の皮一枚残っている状況だが、そのような試合で救世主ばりの活躍を見せた大久保を見ると『もしかしたら……』という気にもさせられる。対する松本は徳島と札幌の勝利により8位に後退。船山貴之が試合後に「“1点の重み”を知った」と口を開いた悔しい結果となったが、27歳でJリーグ初得点を挙げた大久保もその重みを改めて噛みしめているに違いない。

以上

2013.11.11 Reported by 多岐太宿
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