F東京は、この一戦に向けて「日本を代表する戦い」と銘打って大々的なプロモーションを行ってきた。試合前日の時点で、天候での変動はあるが、4万人を超える集客の期待も掛かる。F東京のランコ・ポポヴィッチ監督は「J1リーグで攻撃的なサッカーをしているチームは東京と、C大阪、そして川崎だ」と言う。F東京も、C大阪も、対戦相手によって志向するサッカーを変更することなく、自分たちのサッカーを誇示し続けてきた。だからこそ、自分たちのサッカーをより色濃く表現できたチームが勝点3に近づくカードと言えるだろう。大観衆を魅了するサッカーを両チームに期待したい。
ただし、C大阪は失点数が27とリーグで2番目に少なく、引き分けもリーグ最多タイと多い。自分たちのサッカーを貫いた上で勝点を得る術を知っているチームだと言えるだろう。練習で負傷した藤本康太に代わり、この試合から茂庭照幸が先発に復帰することが濃厚。経験豊富な選手なだけに、ナーバスにはなることもないはずだ。
GK権田修一はC大阪の印象を「守備もしっかりしているし、攻撃だけのチームではない。(柿谷)曜一朗からパスコースを限定して残りの10人でしっかりとブロックをつくってくる。そこで奪ったボールを前線で待つ曜一朗につなぐ攻撃は気をつけなければいけない。それに、それだけじゃなく攻撃のレパートリーも豊富」と語った。
チーム全体が鋭い動き出しで先を制す柿谷を見逃さず、ボールを受け取った背番号「8」はワンタッチでシュートを打てる場所にボールを置く。チームとしてゴールに向かうイメージが共有されているのが、C大阪の強みだろう。その形だけでなく、サイド、中央を問わず、速攻、遅攻の使い分けもうまい。速攻を未然に防ぐための攻撃から守備への切り替えと、リスク管理。さらに、スムーズなブロック形成がこの試合のポイントとなるだろう。「お互いに良い選手が揃っているので締まった試合になると思うが、絶対に勝たないといけない」とMF東慶悟は言葉にした。
F東京は、MF高橋秀人が累積警告で出場停止。代わってセンターバックが本職のDFチャン・ヒョンスがボランチに入ることになりそうだ。相棒となるMF米本拓司は「俺が気をつかってヒョンスが自由にプレーできるようにしたい。それに、自分自身、周りをつかうことができれば、一歩上のランクにいけるので」と言う。
また、先日、7年間チームに在籍したルーカスが今季限りでの現役引退を表明した。そのルーカスは「来年もやれるだけの力も自信もある。ただ、トップパフォーマンスを維持したまま、ユニフォームを脱ぐのが自分の理想。だから、明日もまだまだやれることを証明したい」と熱っぽく話した。クラブのレジェンドを気持ち良く送り出すためにも、残り4試合は下手な試合を見せられない。
以上
2013.11.09 Reported by 馬場康平
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