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【J1:第31節 川崎F vs 清水】プレビュー:勝点8差となったACL圏内を目指すべく、切り替えが求められる川崎F。清水は激しい守備で、川崎Fのパスワークを分断したい。(13.11.09)

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長かったリーグ戦も4試合を残すのみ。ACL圏内を今季の目標として掲げてきた川崎Fが、ホームに清水を迎えるこの一戦において問われるのが”切り替え”であろう。

川崎Fは、勝点2差で迎えた前節の鹿島戦を1-4で落とし、ここ一番で勝ち切れない今季を象徴する戦いをしてしまった。この結果、ACL圏内の3位とは勝点差が8に広がり、逆転はかなり厳しい状況である。もちろん選手たちは上位進出を諦めてはおらず、大久保嘉人の「もう負けられないからね」というような言葉をそれぞれに口にする。負けられない試合が続くのだとすれば、いかにして鹿島戦の敗戦を乗り越え、残り4試合に向かうのかがこの清水戦では問われる事となる。前向きに気持ちを切り替えたい川崎Fではあるが、その一方で、複数の先発メンバーにケガ人が出ており、気がかりだ。例えばその筆頭は、稲本潤一である。足に違和感があるとのことで、練習を回避しており欠場の見込みだ。

その稲本に代わり、ピッチに立つことになりそうなのが大島僚太である。5月18日の磐田戦で負傷した大島が復帰するとなると、およそ半年ぶりの出場となる。ブランクが心配されるが、練習試合や紅白戦では質の高いプレーを見せており、特に問題はなさそう。ちなみに大島については、ボランチとしてコンビを組むことになる山本真希が「僚太はブランクを感じないですね。うまい。天才だから」と大島のプレーを絶賛しつつ「(ここ最近、大久保)嘉人さんとか孤立する場面が多くなってるので、(攻撃に)厚みを出したいですね」と前線への飛び出しに意欲を見せていた。

彼ら山本、大島の若きボランチコンビの特徴として、高い技術に加え豊富な運動量があげられる。中盤でボールを引き出し、そこから前線へとボールを運び、FWとの近い距離感を保つことで攻撃に厚みを持たせる働きが期待できる。そんなボランチコンビの動きを念頭に置く中村憲剛は「(山本と大島の)二人は若いから試合をコントロールできずにビュンビュン(前に)行く。でも、そこで(中盤に降りて)ためを作れればいいと思う」と話す。つまりボランチの2枚に中村を加えた3選手が機動性を発揮した流動的な動きを見せることで、主導権を握ろうというのである。この中村の青写真が実現するかどうかは、川崎Fの試合運びのポイントになるだろう。

ちなみにその中村は、試合2日前の練習をキャンセル。試合日の動向が気になるところだが、風間八宏監督は「中村がたとえ出られなくともそれは過去にもあったことだから」と意に介する様子がない。それだけの選手層があるということが言えそうである。

なお、中村が欠場した場合先発メンバーの有力候補として矢島卓郎の名前が挙げられる。FWとしてコンビを組むことになる大久保は「ヤジはヤジですごくやりやすい。体がすごく強いから、絶対に負けないし、そこでキープできる。それで預けるとその裏を抜けられる」とそのプレーぶりに太鼓判を押す。

矢島自身も「久しぶりは久しぶりですが、ボールは出てくるしやりやすいですね。(大島)僚太と(山本)真希は運動量がある二人なので、あそこでボールも引っ掛けられるし、ボールも運べるので、今日やった感じはすごくやりやすかったです」と手応えを述べていた。

メンバーの入れ替わりはあるにせよ、代わりにプレーする選手のレベルは計算できるほどには高い川崎Fとの対戦において、清水は局面での厳しい守備を徹底したい。というのも川崎Fは、ヤマザキナビスコカップ準決勝第2戦の浦和戦で見られたような、相手の早いプレスを受けた時にチームの良さが消える傾向があるからだ。風間監督としてはそのプレスをかわすべく練習を続けているのだが、必ずしもどのような相手でも主導権を握れていないのが実情である。そういう意味で、清水の切り替えの速い守備がどの程度通用するのかは試合展開を大きく左右するポイントとなるであろう。

清水の守備の鍵をにぎる選手としては、山本が口にする本田拓也を挙げておきたい。鹿島からシーズン中に移籍復帰した本田について山本は「タクも中盤で激しく来る。そこの戦いで負けないようにしたい」と意気込みを見せる。この本田に加え、大前元紀とラドンチッチが加入して以降、清水は好調を維持しているとも話しており、警戒すべき選手として彼ら3選手の名前が挙がっていた。

清水はマイボールを簡単にラドンチッチに当ててためを作り、2列目の選手がフォローする形で攻撃を組み立てている。ラドンチッチはくさびのパスをほとんど失うことが無いため、清水の攻撃の柱となっている。2列目には大前元紀や伊藤翔、河井陽介といった選手が控えており、分厚い攻撃を実現。大前は10試合7得点とゴールを積み重ねており、また伊藤は29節の鳥栖戦でハットトリックを達成するなど乗らせると怖い。ラドンチッチを中心とした清水の攻撃は、そのスピード感と共に脅威である。

なお、ラドンチッチは2010年に城南一和の一員として、ACLで川崎Fと対戦しており、グループリーグ初戦では1ゴールを決めている。また中澤聡太もG大阪の一員として対戦しており「強かったのを覚えてます。そういうところの1対1では相手に自由にさせないようにしたいですね」と話していた。
いずれにしても、清水は局面で体を張れる選手が揃っており、攻略は簡単ではないだろう。前述のとおり、川崎Fは激しく当たってくる相手に対し苦戦してきたという傾向がある。だからこそ、この試合では自分たちらしいパスサッカーを実現して清水を攻略して欲しいと思う。リーグ戦は残り4試合。ACL圏内の可能性が潰えるまで、戦い続けてほしいと思う。

以上

2013.11.09 Reported by 江藤高志
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