一時は7位まで順位を上げながらも10試合勝利がなく15位まで順位を落としてしまった水戸。そして、「J1昇格」を唯一無二の目標に掲げながらも前節富山に1対2で敗れてJ1昇格プレーオフ圏内「6位以内」が風前の灯と化してしまった東京V。こんなはずじゃないのに――そんなもどかしさがチームを包み込んでいる。
とはいえ、両チームともに気持ちを落としているわけがない。水戸は09年以来の勝ち越しに向け、東京Vは「6位以内」に向け、絶対に勝利が必要なのである。「このままでは終われない」という両チームの闘志がぶつかり合う激しいゲームになることが予想される。
特に水戸は「不完全燃焼」から脱したい一戦だ。10試合も勝利から見放されているものの、第33節G大阪戦以外、決して内容が悪いわけではない。それでも勝ちきれないのは「ほんの少しのズレがあるから」だと柱谷哲二監督は語る。前節愛媛戦では「守備の組織は崩されていない」(柱谷監督)にも関らず、守備のコンビネーションミスから2失点を喫し、自分たちの首を絞めてしまった。ここ3試合連続して2失点しているが、いずれも「自分たちの問題」(柱谷監督)で失点してしまっている。「もう一度、チームが一つにならないといけない」と柱谷監督は言い切った。
今週は水曜日から3日間連続して紅白戦を実施。そこで柱谷監督が選手たちに求めたものこそ、「同じ方向を向いて戦う」ことであった。選手同士のコミュニケーションがうまくいかない際にはゲームを止めるなどして、「ちょっとしたズレ」を埋めることに注力した。また、紅白戦は木曜日には67分、金曜日は45分と長時間行われた。そこで柱谷監督が意図したことは「長い時間やることでミスを出させること」。どういうタイミングでどんなミスが発生するのかを選手たちに確認させるという狙いがあった。「ここ数試合、チームとしてはっきりしないところがあって、木曜と金曜の紅白戦でそれが出て分かった。試合では意識して臨めると思う」と西岡謙太が言うように、練習で悪い部分を出せたことによって試合で注意を払うことができるようになる。「ちょっとしたズレ」をいかになくせるかが勝負のカギを握っている。
リーグ戦も終盤を迎え、選手たちは複雑な心境を抱いてのプレーを強いられることだろう。だが、それでもプロとして最高のメンタルで戦うことが求められる。まずは全員が「フォア・ザ・チーム」の精神で戦わなければならない。柱谷監督は言う。「このチームはまとまった時は7位まで行く力がある。でも、ズレが出ると下位に落ちてしまう。それが現状」だと。まだまだチームにはムラがあるものの、チームが一つになりさえすれば、驚くほどの力を見せてくれるのが今季の水戸である。勝利は遠ざかっているが、内容は悪くない戦いが続いている。だからこそ、今まで以上にチームが一つになって戦うことが必要なのである。ピッチに立つ全員が「水戸ホーリーホックの勝利」のために戦えるかどうか。それが今節のみならず、残り3試合のすべてと言えよう。
東京Vも同じだろう。「J1昇格」の可能性は限りなく厳しい状況になったが、わずかな可能性を信じて戦えるかどうか。そして、奇跡を信じ、チームが一つになれるかが命運を握っている。
以上
2013.11.09 Reported by 佐藤拓也
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