愛媛は前節の山形戦から先発4選手を入れ替え、対する水戸も同じく4選手を入れ替えてこの一戦に臨んだ。フレッシュなメンバーも加えることで愛媛は2試合、水戸は9試合勝利から遠ざかっている嫌な流れを断ち切りたい試合だったが、まず先手を取ったのは水戸。前半5分、ゴール正面でフリーキックを得ると、小澤司が直接決めて先制点を奪った。「早々に失点をして苦しい流れからはじまった」と石丸清隆監督は悔やんだが、その後は愛媛の三原向平と関根永悟の両サイドが高い位置を取って反撃を開始。次々と水戸のゴールを脅かすと、前半24分に同点ゴールが生まれる。東浩史とのパス交換で三原が抜けだすと、クロスのクリアを再び三原が拾ってシュート。クロスに対応しようとしたGK本間幸司の逆を突き、三原のJ初ゴールが生まれた。
さらに愛媛は続く28分、逆転ゴールを奪う。左サイドから放り込まれた三原のクロスのこぼれ球を関根が拾うと、脇にいた東にラストパス。東はダイレクトでゴール左隅を突いて愛媛が逆転に成功した。するとその後も両サイドが高い位置を取り、セカンドボールを拾った愛媛が試合の主導権を完全に把握。たまらず柱谷哲二監督は右サイドの鈴木祐斗と内田航平を変えることで、チームに修正を加えた。
ここまでは石丸監督の狙い通りに試合が運んでいったが、後半に入ると水戸が流れを引き寄せる。愛媛は前線でボールが収まらなくなると、逆に水戸は三島康平を入れて高さのある攻撃も増やしていく。すると今度は水戸の両サイドが高い位置に張り出す形も増えていった。そして後半22分、水戸は右サイドを突破して細川淳矢がクロスと入れると、三島が落としたところに飛び込んだのは橋本晃司。ダイレクトのボレーで叩き込み、水戸が同点に追いついた。その後はホームで勝ちたい愛媛がオズマールや黒木恭平、石井謙伍を次々と投入したものボランチ渡邊一仁の退場もあって水戸を突き放すことはできず。そのままタイムアップを迎え、両者痛み分けのドローに終わった。
ベンチワークや両サイドでの攻防など見どころも多い試合だったが、結果として両チームとも久々の勝利を手にすることはできなかった。先制しながらリズムを失い、立て直すことができないまま逆転を許した水戸の柱谷哲二監督はメンタル面の弱さを指摘したが、ここ3試合は得点を重ねているだけにあとは悪い時間帯でどれだけ守備が踏ん張れるか。ホームで最後の勝利を収めた8月11日の栃木戦は打ち勝っているが、次のホーム東京V戦(11/10@Ksスタ)では守備面でのタフさと粘りもトンネルを抜け出す鍵となるだろう。
一方の愛媛は逆転に成功しながらも、勝ち切ることはできなかった。5試合ぶりにスタメンに復帰した三原のJ初ゴールは嬉しい話題だが、交代した選手も含め、チャンスを得た選手たちが勝利に貢献することはできなかった。シーズンの最後に来てキャプテン吉村圭司の離脱など苦しい台所事情ではあるが、最後にスローガンとしていた「一丸」となって勝ち抜く強さを見せることができるか。既に今期の目標としていた9位以内も叶わず、残された試合も少なくなったが次のアウェイ岐阜戦( 11/10@長良川 )も含め、選手一人ひとりが来季につながるアグレッシブなプレーを見せて欲しい。
以上
2013.11.04 Reported by 近藤義博
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