5位(長崎)と8位(栃木)。勝点差はわずかに4。猛然と追撃する栃木と5位に留まるもいまいち調子の出ない長崎。シーズンも佳境となり、J1昇格プレーオフ進出を狙うチーム同士の激しい対決となったが、追われるほうの長崎がここ数試合の不調をなぎ払うかのような目の覚めるような試合内容で見事に完勝。プレーオフへ向けて大きく前進した。
栃木は松本育夫監督就任後、より鮮明なカウンタースタイルに舵を取っており、サビアとクリスティアーノの2トップが6試合で13点と大暴れ。順位も14位から8位と大きく躍進した。この試合でも前半の立ち上がりは鋭い飛び出しで長崎のディフェンスラインを慌てさせた。長崎の選手は試合前から「栃木は監督が変わってから思い切りが良くなった」「前線のブラジル人選手が躍動してる」と栃木の攻撃力を警戒していたが、ここ数試合は見ることの出来なかった出足の早い守備で栃木の攻撃を見事に封じ込めた。
前半34分の先制点も井上祐大と佐藤洸一の素早い出足によるセカンドボールの競り合いの中から生まれたゴールだった。こぼれ球が今や長崎のゲームメーカーとして圧倒的な存在感を放つ奥埜博亮の足元に入ると、フェイントの効いたドリブルで3人の栃木DFをかわしてシュート。栃木に先制されると、引かれてしまう可能性が大きいために喉から手が出るほど欲しい先制点だった。
すると、栃木のブラジル人選手に前線にボールが入らない苛立ちが出る。37分にクリスティアーノ、46分にパウリーニョがそれぞれイエローカードを貰う。松本監督もベンチを飛び出して「カーマ、カーマ(落ち着け、落ち着け)」と自分達の攻撃が出来ないチームを落ち着かせていた。
雨が上がった後半。栃木は大胆な選手交代で前線に選手を増やして追撃を図る。立ち上がりから右サイドの廣瀬浩二に代えて湯澤洋介を投入。76分にはDFの山形辰徳を高木和正に代えると、81分には菊岡拓朗を退けて、小野寺達也が入るなど大きくフォーメーションも変わった。栃木は長崎の3バックの横のスペースをサイドに張った近藤祐介が駆け上がって攻撃の糸口を掴もうとするも、サビアのヘッドも金山隼樹がビッグセーブするなど体を張った長崎のディフェンスを前に得点をあげることができなかった。
前がかりになった栃木に対し、長崎はしっかりとブロックを敷き、今度は長崎がカウンターで何度もチャンスを作る展開となる。2点目はバランスの崩れた栃木に対し、幸野志有人、岩間雄大、奥埜博亮、佐藤洸一が全てダイレクトでボールを繋いで、長崎の形とも言えるゴールとなった。
敗れた栃木だが、プレーオフが不可能となったわけではない。自身の誕生日を勝利で飾れなかった松本監督も次のホームゲームについて「出ている選手が全部出し切ったという、グランドでぶっ倒れるような気合を入れて、そんなゲームをしたい。そんなゲームでお客さまに感動を持って帰ってほしい。(中略)そういうゲームを我々はしなくてはならない」と気合充分だ。
一方、大きな勝利を手に入れた高木監督は「我々だけではなく長崎の力を見せていきたいと思っています。(中略)今日は特にスタジアムは沸きました。これは相手にとって脅威です。こういう力を持っているという証を示してくれたので、もっと大きなものを期待している」とサポーターや長崎県民に対して共に戦うことを呼びかけていた。
以上
2013.11.04 Reported by 植木修平
J’s GOALニュース
一覧へ- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- bluelock2024
- 2024 明治安田Jリーグ フライデーナイトJリーグ
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off