早いもので、Jリーグディビジョン2のレギュラーシーズンも残すところは1か月。残された4試合で今シーズンの全てが決まる。J1昇格を目前に控えたチーム。プレーオフ進出をかけて激しいデッドヒートを繰り広げているチーム。そして、思うように勝点を積み重ねられなかったチーム。8カ月前に同一線上からスタートした22チームも、いまは異なる立場でリーグ戦終盤を迎えている。しかし、どのような立場に置かれていようとも、目の前の1試合に持てる力の全てをぶつけなければいけないことは、どのチームも変わりはない。目の前の壁を乗り越えられないチームに未来がないのが勝負の世界の鉄則だからだ。
そして第39節。福岡がレベルファイブスタジアムに迎えるのは徳島。千葉、長崎、松本山雅、栃木らと、プレーオフへの出場権を激しく争っている相手だ。リーグ前半戦は、昇格候補のひとつに挙げられながらも勝ちきれない日々を過ごして13位に甘んじたが、第22節の札幌戦に勝利すると、その後は6連勝を含む12戦負けなし。一時は順位を3位まで上げた。第34節以降は1勝1分3敗とペースを落として順位を6位に下げているが、3敗のうち2敗が、J2では圧倒的な個の強さを有する神戸、G大阪との対戦であることを考えると、必ずしも、この成績が徳島の現在の力を表しているとは言い難い。
その戦いのスタイルは、特定の選手に頼ることなく、組織として戦ってくるスタイル。マリヤン・プシュニク監督も「特定の誰かに対応すればいいというチームではない。最終ライン、中盤、そして前線の3ラインがしっかりとまとまっていて、チームとして戦ってくる」と話す。ここまで11得点を挙げているドウグラスが出場停止だが、おそらく、それほど大きな影響を感じさせない試合運びをしてくるはずだ。それでいて、チームのトップスコアラーである津田知宏(14得点)は、やはり警戒すべき存在。福岡にとっては厄介な相手であることは間違いない。
それでも、ホームゲームでは勝利することだけが求められる。そして、経営危機に陥ったクラブを様々な形で支えるファン、サポーターへの最大の恩返しは、やはり勝利することだけにある。プシュニク監督は話す。
「徳島は強い。しかし、ピッチの上では彼らをリスペクトするわけにはいかない。まずは自分自身を信じ、自分自身をリスペクトして戦う必要がある。選手たちは戦わないといけない。サポーターの態度に対してリスペクトしなければならない。そして、我々のエネルギーと、ファン、サポーターのエネルギーを結集してひとつになって戦えば、それが相乗効果を起こして大きな力が生まれるはずだ」
現在の福岡の最大の課題は、90分間に渡って自分たちの力を発揮すること。サッカーである以上、必ず苦しい時間帯は存在するが、その時こそ、全ての力を結集したい。
さて、福岡で注目したいのは、金森健志、三島勇太の高卒ルーキーコンビ。2試合の出場停止処分が解ける金森はコンディションは上々。満を持してレベルファイブスタジアムのピッチに戻ってくる。そして三島は前節の松本戦でプロ初ゴールを記録。本来の場所である攻撃的な位置で見せた積極的なプレーは可能性を感じさせるものだった。「アベックゴールを決めたい」とは2人の言葉。スタジアムに集うファン、サポーターも、それを望んでいる。
そして、もう1人は石津大介だ。「2年目の今年は冷静に見られるようになったし、去年と比べると自分の形を作れることが多くなっていると実感している」と本人は話すが、その言葉通り、プレーに幅が生まれ、チャンスに絡む回数が増えている。シーズン前に掲げた2桁得点という目標には後一歩。徳島戦でも、積極的にゴールを目指すプレーを見せてくれるはずだ。
最近の試合では、出場停止者が相次いでいた福岡だが、徳島との戦いでは、累積警告の尾亦弘友希、怪我の城後寿を除いたメンバーがピッチに返ってくる。特に攻撃陣は充実した駒が揃い、プシュニク監督が誰を先発に起用し、誰を勝負所で投入するかも注目点だ。いずれにせよ、8月18日の長崎戦の勝利以来、ホームでの勝利から遠ざかっている福岡が手にしなければならないのは勝利だけ。総力戦で徳島を迎えたい。
以上
2013.11.02 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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