シーズン途中からの栃木の猛追を誰が予想しただろうか?松本育夫監督が就任してからというもの6戦負けなし。しかもその6試合では前線に構えるサビアとクリスティアーノがあわせて13得点をあげている。明らかに2人のブラジル人FWを試合開始からピッチに並べたことで攻撃力が増している。当然、順位もうなぎのぼりで14位から8位へと大きく上昇。もはや不可能ではなくなったJ1昇格プレーオフに向けてチームが一丸になっているのが良くわかる。
松本監督は就任後、まずは守備の強化に手をつけ、しっかりとブロックを築くことをチームに求めた。加えて攻撃についてはシーズン途中での就任という事もあり、早くて強いブラジル人選手のタレントを生かしたカウンタースタイルに撤する「割り切ったサッカー」をより強く前面に押し出した。すると、このストロングポイントを前面に出した策が見事にはまる。高い技術を誇るブラジル人選手の生き生きとしたプレーを目の当たりにすると、今後対戦するチームは間違いなく「決して波に乗せてはいけない」と考えるだろう。
一方、こちらは追われる立場に回るとはつゆも考えてはいなかったのではないだろうか?最近調子を崩しながらもどうにかJ1昇格プレーオフ圏内に位置している長崎にとってもこの試合は絶対に負けられない重要な一戦となる。長崎の不調の大きな原因の一つは得点に繋がるチャンスを作れていないこと。長崎は特別に飛び抜けた能力を持つ選手がいないために全員でサッカーを行うのだが、せっかく豊富な運動量を生かしてプレスをかけてボールを奪ったとしても、選手同士の連携がなかったり、サポートがズレていたり、遅れたり、ポジションが遠かったりすれば攻撃のアンサンブルは美しい音色が出ない。ただ、長崎はシーズン通してしっかりとしたこだわりを持ってサッカーをしてきた。サイドやシャドーの位置でスプリントを仕掛けて、これまでチームで最も多い6アシストを記録している古部健太選手は「ブラジル人選手に気をつけなければならないのでしょうが、まずは自分たちが積極的に行けるかどうかだと思います」と話し、自分達の良さを出しきることを念頭に置く。また、自分達らしさを出す意味では奥埜博亮の出場停止明けからの復帰は大きい。奥埜が居ることで長崎はボールを落ち着かせることができ、仕掛けのある攻撃でリズムが生まれる。栃木のブラジル人トリオと同じように彼からも目が離せないだろう。
勝点3だけが求められるこの試合。長崎の小松塁選手が「まずはセカンドボールの奪い合いに勝って主導権を握り、相手の背後を狙った攻撃をしたい」と話せば、DFの山口貴弘選手も「ブラジル人選手を調子に乗せないように最初から厳しく行く」と話す。おそらくまずはそこでの肉弾戦が大きなポイントになることは間違いない。ただ、両チームはピッチ上でより有利な試合運びができるようにサイドや中盤でスペースの奪い合いをする。3バックの長崎と4バックの栃木がどのエリアを狙い所としており、またどのように攻略しようとしているか「ギャップ」を見極めるのもこの試合の大きな楽しみの一つだろう。
今節は神戸とG大阪の昇格が決定するか否かに話題が集まるかとは思うが、プレーオフ進出争いでもこの試合は一つの大きな山場になるだろう。
以上
2013.11.02 Reported by 植木修平
J’s GOALニュース
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