79分、10月27日の第38節・愛媛戦ベンチメンバーに名を連ねていたロメロ フランクがついにピッチに姿を現した。そればかりか、88分には中島裕希のスルーパスに抜け出しゴールまで決めてみせた。負傷していたはずの左足で…。
10月20日 札幌戦に先発するも負傷し途中交代
10月21日 「左足関節外反捻挫、全治3週間程度を要する見込み」と診断
10月24日 診断結果がクラブからリリース
この流れから、後がない昇格レースをしばらくはロメロ フランク抜きで戦うことも覚悟したが、思わず目が点になる体験をしたのは愛媛戦前日、26日の全体練習。いる。確かにいる。ロメロ フランクが…。3対1のとりかごから、スプリント系のアジリティ、リラックスゲームとメニューをすべてこなし、途中で左足を特に気にする様子も見せなかった。練習から引き上げてくると、「本当は2週間ぐらいは休む予定だったんですけど、あまりにも足首もよくなってきたので。昨日(25日)は自転車漕いで、その前はずっと筋トレだけ。意外と体が軽いっす(笑)」と出場への意欲を口にしていたが、得点まで取ってしまうことはこの時点では想像できなかった。
「珍しくはないと思います」。ロメロ フランクの早期復帰がレアケースではないと語るのは、山本純トレーナー。別メニューの選手は、担当する山本トレーナーが組んだプログラムをこなして全体練習合流となる。「診断をもらっているのは21日。そのときの腫れの具合からいろいろなことをやって、腫れが引いて痛みが消えることはあります。だまそうとしたつもりは全くないですし(笑)、何か特別なことをして復帰が早くなったということではありません。いつもどおりの対処をしていたら、たまたま症状がよくなったということです」。
山本トレーナーがもう1点指摘したのは、メンタル面だった。「本人も言ってますけど、残りの試合も少ないし、やりたいという気持ちがあるから復帰が早くなったんじゃないですか。治そうという気持ちがあれば、多少の痛みがあっても体が『治そう』という方向に進む。そういうことだと思います」
その強い気持ちを感じ取っていた人がもう1人いる。愛媛戦の前日練習終了後、ロメロ フランクと差しで数分間話をしていた奥野僚右監督だ。練習でのプレーをチェックしていた奥野監督は、直接会話をしながらコンディションや気持ちを確認していたが、「力になってくれるだろうというところでメンバー入りしてもらいました」と最終判断を下した裏には、こんなやり取りがあったという。
「フランクだからそういう言葉になったと思うんですけど、日本人だと『大丈夫です』という返事が多いわけですけど、『戦います』みたいな返事だったので。それは(ペルー出身の)フランク特有のものもあるだろうし、そういう返事って、なかなか聞けない部分ではうれしいですね。自分も(現役時代は)『できます』とか『やります』と言ったことはあると思うけど、『戦います』なんていう表現はなかなか日本人から出てこないからね」
ときに強い気持ちは、状況を変えることができる。それが形ある人体でも、形のない人心でも。そんな化学変化を楽しんでいるうちに、リーグ戦も残すところ4試合となった。
以上
2013.10.31 Reported by 佐藤円
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