互いに負けられない、京都と札幌の一戦は、京都が常に先手を取るゲーム運びで勝利した。
先発は、札幌は右サイドに荒野拓馬を起用し、堀米悠斗を配置。京都は前節と同じメンバーで臨む。
ゲームは序盤から京都が仕掛ける展開に。攻撃というよりはボール奪取で一歩速い感じを見せた。その状況の中、18分に京都が先制する。ハーフウェイライン近くでシンプルにつなぐ中、工藤浩平が前線に送ると、横谷繁が走り込むも札幌DFにカットされる。このこぼれを山瀬功治が拾うとエリア内左に持ち込んで、飛び出したGKの動きを見極め逆サイドのゴールネットを揺らした。
失点した札幌は反撃を見せて京都を押込む形を作るも、京都は粘りのある守備で対応する。
後半、札幌はフェホを投入。ターゲットを作ることで戦い方がシンプルになる。意図の明確な札幌と、前半と同じ様に戦う京都の図式に。
重要な次の1点。決めたのは京都だった。後半7分。右サイドでボールをつなぐと、秋本倫孝から前線の横谷へ。マークを外した横谷が浮き球を胸トラップすると、札幌DFがこれを押し倒してしまいPKの判定。これを横谷が確実に決めて、京都が2−0とリードを広げる。
札幌はフェホ投入の意味を引き出す攻撃を展開し、フェホもそれに応える。後半21分には右CKから逆サイドのフェホが頭で落として決定機を作ると、同38分にも右からのクロスにフェホが頭で合わせる。これは京都GKオスンフンがビッグセーブで防いだ。
若い選手を投入し、攻撃を活性化させた札幌だったが、京都も粘り強く対応。結局2−0のままタイムアップ。京都が勝利し、9月からの連勝を7に伸ばした。
試合後、札幌・財前恵一監督は、京都のハイプレスを見越した上で「どこにスペースがあるかというところで、バイタルで使って背後を取るのか、もしくはDFラインのスペースを上手く使うというところ」をポイントに掲げていたが、特に後半はその狙いは表現できたのではないか。
京都は、大木武監督が「もう少し自分たちがボールを持って、運んで、相手の陣地に入ってプレー出来る様な状況を作りたかった」と反省点を挙げた。他にも、ボールに行くという点での判断力の向上を促し、不必要なファールを与えないこと、相手陣内に入り崩しの部分で課題を挙げ、「厳しいゲームだった」と振り返った。
実際はそこまで悪くは無い、それ以上に面白いゲームだったと感じたが、要はリーグ戦の残り、これからの展開を考えると、もう一段ギアを上げたいという思いが強いのだろう。ここから失速すると今シーズン終わってしまう、という危機感、或いは、選手たちに対する「もっとできる」「もっと良くなるはずだ」という期待感の方が強いかもしれない。
本当は、長いリーグ戦、どの試合も負けられない戦いではある。だが考え方を変えて、リーグ戦を90分のゲームに例えると、リーグ終盤の今は後半35分過ぎくらいとなる。ゲームを観る方としては、ここから京都がギアを上げて相手を圧倒して欲しいと感じるだろう。それと似た様な感覚だろうか。
チームとしての底力が試される時期に来た。京都は神戸、G大阪との大一番が続く。「相手を圧倒したい」とは、京都に関わる人、全ての願いだろう。
以上
2013.10.28 Reported by 武田賢宗
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