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【J2:第38節 横浜FC vs 千葉】レポート:ゴール前の勝負所での集中力と執念で上回る千葉が横浜FCをねじ伏せ3連勝を達成。(13.10.28)

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「内容というか、中盤では相手に引けを取っていたとは思わない。ただ、ゴール前の質が勝負を分けたと思う。もっとを点を取れたし、2失点も入れられるような場面ではなかった」

こう試合を振り返った横浜FC・寺田紳一の言葉が、この試合の分け目を端的に表していた。山口素弘、鈴木淳の両監督が口を揃えて「どちらに転んでも不思議ではない試合」と語ったように、内容面では均衡した試合だったとも言えるが、結果をもぎ取る力という点では、集中力と執念で上回った千葉に勝点3がもたらされたことは必然とも言える試合だった。

両チームともハイペースで入った前半立ち上がり、先に主導権を握ったのは横浜FC。千葉のDFラインのギャップを突いて、野崎陽介、黒津勝が裏への飛び出しを見せる。しかし、ゴール前でシュート一歩手前まで切り込めるものの、最後のフィニッシュの力強さを欠いてしまう。23分に、黒津が寺田のスルーパスを受けて放ったシュートが横浜FCにとって前半最大の決定機であったが、このシュートも決められず終わると、千葉も横浜FCのDFラインの裏を狙った攻撃を開始。その攻撃は33分にゴールとして実る。「ボールを(裏に)蹴れば何かが起きるかなと思って、結構アバウトに蹴った」という佐藤健太郎の浮き球のパスを田中佑昌が相手DFと入れ替わる形で収めると、そのまま冷静にゴールを決める。横浜FCのセンターバック2人が応対していたが、簡単にかわされる「プロとしてはあり得ない失点」(シュナイダー潤之介)。ゴール前の執念で、田中1人が横浜FCのセンターバック2人を上回ったシーンだった。

後半、横浜FCは千葉のストロングのサイドを押し込み、主導権を再び奪うために武岡優斗を投入し、4-2-3-1のフォーメーションに変更。早速武岡がサイドを押し込むようになる。千葉は、選手を下げて前へのチェックよりもDFラインに多くの選手が張りつく状態で対応。そして、54分CKの流れから寺田紳一が入れたクロスを黒津がヘディングでゴールを決める。選手交代が功を奏する形で横浜FCが同点に追いつく。

その後、両チームともプレッシャーが徐々に緩くなる中、粘り強い守備からのリアクション中心のアップダウンが多くなる展開となる。そして、横浜FCが小野瀬康介、田原豊を投、千葉も谷澤達也、森本貴幸を投入し勝点3への執念を見せる中、その執念を実らせたのは千葉だった。87分、横浜FCが黒津にボールを収めきれずにボールをロストしたカウンターでの場面でアクセントになっていた谷澤がキープすると、センターバックの竹内彬がオーバーラップ、そしてフリーになった竹内が入れたクロスにケンペスが突進してゴールにたたき込む。「勝負所のカウンター」の場面でサイドでフリーの状態を作り出し、中央でもキープレーヤーのケンペスを含めて数的同数を作り出す集中力と執念を見せつけた。

千葉にとっては、「こういう苦しい試合を取れたのは残り試合が少ない中で良かった」(佐藤健太郎)というように、均衡した試合を勝ちきる勝負強さを証明した大きな勝利だった。これで、J1昇格プレーオフにまた一歩前進。田中、ケンペスという個ではなく、攻守ともにチームとして勝負所をかぎ分け、そこに最大の集中力を注ぎ込む姿勢に、昨年のJ1昇格プレーオフで涙を飲んだ日からの成長を感じさせた。

一方、横浜FCにとっては今シーズンを象徴するような敗戦。山口監督が「千葉とはもともとそんなに差は無い」と語ったが、一方で少しの差を確実に使われてしまった部分の詰めの甘さが、チームとして勝点を積み上げるための大きな課題として残ったままだった。

ただ、試合そのものは非常にスリリングだった。昨年、同じニッパツ三ツ沢球技場で行われたJ1昇格プレーオフを彷彿とさせる緊張感が存在した。このレベルの試合、さらに上回る試合をすることが、両チームの次のステップアップに繋がることは間違いない。

以上

2013.10.28 Reported by 松尾真一郎
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