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【J2:第38節 徳島 vs G大阪】レポート:決定力と質の差を見せつけられた徳島。ホームで苦過ぎる大敗。(13.10.28)

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1-5というスコアの違いが指し示すもの。それは決定力の差に他ならない。

事実、ガンバ大阪は前半から、迎えたチャンスをきっちりと決め切っていく。まず22分、中盤でのチェックでボールを奪うとすかさずショートカウンターを発動。遠藤保仁が右サイドを駆け上がった大森晃太郎へ繋ぎ、その大森の低い折り返しをニアサイドへ入った宇佐美貴史が確実に流し込んだ。さらに32分にも同じような形から右サイドを突いたガンバ大阪は、抜け目なくその機会を逃さない。その位置へ流れてボールを受けた宇佐美が自ら仕掛け、自身2点目となる強烈なミドルを突き刺したのである。

そして折り返した後半も、ガンバ大阪の決定力は高いままであったと言えよう。1点を返された後の時間帯は徳島の連動したプレスにプレーを乱され苦しんだものの、途中投入された二川孝広が左サイド奥でチャンスメイクした73分にオーバーラップした丹羽大輝がしっかり3点目を奪えば、その後再び宇佐美が抜きん出た個の力を見せつけて爆発。前半同様に2得点を叩き出し、チームで見ると結果的にシュート10本で5ゴール、ならせば“2本で1点”という信じ難いほどの決定力を見せつけたのだ。

対し徳島は、ガンバ大阪の巧妙な守備に遭ってなかなか好機を作れない上に、決定機を迎えてもそれをしっかりは得点へ結び付けられなかった。
ほとんどいい攻め入りをさせてもらえなかった中で、40分過ぎようやくいい連携からペナルティボックス内で濱田武が花井聖のパスを受けるもシュートは大きくゴールの上へ。また、後半始まってすぐの47分こそ左サイド深い位置をえぐった鈴木達也のセンタリングを中央でドウグラスが合わせて1点差に詰め寄るゴールを奪ったが、3点目を失った後の82分に獲得したこれ以上ない再反撃の機会のPKを津田知宏が前節・横浜FC戦に続きまさかの失敗…。その津田はゲーム終盤にもゴール至近距離で流れてきたボールを十分にミートし切れなかったが、いずれにしても徳島はそうしたエースの不調も響いて1点止まりとなってしまった。比較のために数字を挙げれば、シュート8本で1点だけに終わったのである。

とは言え、このゲームがそうした決定力の差だけで明暗が分かれたのかと言えばそうではない。徳島としては悔しい限りながら、両者のプレーには小さくない質の差もハッキリと存在。実際に徳島は前半の2失点でそれを痛感させられた。それらの失点場面はともにハーフウェイライン付近から受けた速攻によるものだったが、どちらの時も徳島がボールを失ったのは自分たちのパス精度の足りなさが原因であった。このレベルの戦いでは僅かなボールスピードの不足や少しのコースのズレが大きく状況を変えてしまうが、チームはまさにそれを思い知らされたということであろう。

逆にガンバ大阪に目を向ければ、そうしたシビアな精度がかなり徹底されていたと言える。この一戦でもFW起用された遠藤がさすがの技術で受け手のプレーしやすい絶妙なワンタッチを数多く披露すれば、他の選手たちもポゼッションシーンではひとつひとつの繋ぎのパスに次を考えたコースと強さを反映。出すべき先はスペースなのか足元なのか、受ける側の右足なのか左足なのかを、どんな状況でも正確に選択し実践していた。前回対戦(21節)の後、徳島の福元洋平は「質が違った」というコメントを残していたが、ガンバ大阪は今回も余すことなくそれを徳島に見せつけたということだ。

こうして大差で決着したこのゲーム。先に敗れた徳島に関してだが、ここまで述べてきたようにチームは修正が必要な課題を大いに抱えている。それゆえ最後までプレーオフ圏内で踏み止まるためには、早急にそれを改善へ向かわさなければならないだろう。
ただ、後半立ち上がりに見せた積極的な反撃と、その勢いを乗せた強気のプレッシングはきっといいイメージとして残ったに違いない。それをヒントにしながら死に物狂いの姿勢で立て直しに取り組めば、きっと次節にはこの痛い連敗の嫌な流れをストップさせられるはず。選手たちの奮起に期待したいところだ。

対して勝利したガンバ大阪はこれで自動昇格決定に王手をかけたことになる。次節ホームで勝利を飾り、3位の京都が引き分け以下ならそれが決まることになるが、この一戦で見せたプレーのクオリティをもってすれば、もし次々節へ持ち越されたとしても十分自力でその決定を掴めるであろう。「目の前の試合に向けてきちっとした準備をしていきたいなと思っています」と緩みのないコメントを残した長谷川健太監督のもと、関西の雄は復権に向けた歩みを着実に進めている。

以上

2013.10.28 Reported by 松下英樹
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