首位の神戸が最下位の鳥取を相手に苦戦を強いられたが、最後は地力の差を見せて逆転勝利。自動昇格が決まる2位以内確定に王手をかけた。
前節はホームで松本相手にクラブ新記録となる7得点を挙げ、7―0と圧勝した神戸だが、この日は立ち上がりから、なかなかリズムに乗れなかった。安達亮監督が「風下ということもあって、なかなか自分たちの思い通りに試合が運べず、鳥取が割とディフェンスの背後を突いてきて、何とかはね返すんですが、セカンドボールを、ほとんど鳥取に奪われた」と振り返った通り、ロングボールを多用する鳥取の攻めをうまくしのぐことができず、空いている中盤のスペースでセカンドボールを拾われ、攻め込まれる時間が長く続く。エステバン、マジーニョ、相馬崇人の左サイドの連係からゴールに迫る場面もあったが、なかなか良い形を作れなかった。
一方で鳥取も、敵陣まで攻め込みながらもラストパスの精度が低く、チャンスを生かせない展開が続いたが、前半終了間際に先制点を奪う。ゴール正面右寄り、約20メートルの距離で直接FKを得ると、林堂眞が直接シュート。過去の試合では無回転のブレ球を蹴っていたが、「枠に飛ばすためには縦回転の方がいいと思って、そういう球種を選んだ。うまく縦回転もかかってくれた」というボールが、神戸GK徳重健太の手をかすめてネットを揺らした。
神戸は失点の直後、前半途中のプレーで右足を痛めながらもプレーを続けていたポポが、杉浦恭平との交代を余儀なくされる。後半開始からは、マジーニョとの交代で出場した田代有三の空中戦の強さ、ポストワークを生かして反撃に転じたが、チャンスは作るものの、ゴールは遠かった。
そうするうちに59分、鳥取はビッグチャンスをつかむ。左サイドのスローインからセカンドボールを拾って攻め込むと、中央でフリーとなった廣田隆治が、右足でカーブをかけてファーサイドを狙ったシュート。しかし、ボールは右ポストに当たってはね返った。神戸からの期限付き移籍中で、古巣対決となった廣田は(契約上の出場制限はなし)、前回のホームゲーム、36節の京都戦でも同様の位置からシュートを放ったが、こちらは左ポストに当たって先制機を逃しており、またしてもあと一歩のところでゴールはならなかった。
このピンチから一転、こぼれ球を拾った神戸がカウンター。森岡亮太がドリブル突破から、ゴール前でフリーになっていた田代へスルーパスを送り、田代は飛び出してきたGK小針清允を落ち着いてかわすと、右足で流し込んで同点ゴールを奪った。2―0になったかと思われたスコアは、直後に1―1となった。
その後も田代のポストワークを生かして攻め込む神戸は66分、左サイドでFKを得ると、エステバンがゴール前へ。これを田代が、ヘリコプターを思わせる滞空時間の長いヘッドで久保裕一に競り勝ち、中央に折り返すと、ゾーンで守っていた鳥取の対応の甘さを突き、フリーになっていた岩波拓也がヘッドで決め、わずか7分間で逆転に成功した。
2失点目と前後して選手交代で動き、2点目を狙った鳥取だが、落ち着きを取り戻した神戸の守備を崩せず、次第に運動量も落ちて失速。逆に神戸も3点目を奪うチャンスがありながら、鳥取GK小針の好セーブに阻まれ、勝負を決めることができなかったが、勝敗には影響なく、2―1で勝利を飾った。
鳥取は23節以来の未勝利が16試合に伸び、依然として最下位。前田浩二監督は「やっていることは、結果は出ていませんが、良い方向に進んでいますので、残り4試合で、ぜひとも残留を勝ち取りたい」と努めて前向きに語ったが、28節終了後に解任された小村徳男前監督の後を受けて以降、いまだ未勝利(3分け7敗)と低空飛行が続いている。20位の群馬、19位の富山がいずれも勝利を収めたため、21位の岐阜と2チームだけが取り残される形となり、J2残留に向けて、さらに状況は厳しくなった。
神戸は、逆転ゴールを決めた岩波が「今日は絶対に負けられない戦いだったので、勝てたことが一番よかった。勝つしかなかったので、自分がゴールして逆転できたのがすごくよかった」と語った通り、アウェイとはいえ、最下位相手に取りこぼしはできない状況で、何とか逆転して勝点3を積み上げた。7連勝で追撃する3位・京都との勝点差9を保ち、次節(11/3)はホームで、その京都との直接対決。この試合に勝てば、1年でのJ1復帰となる2位以内が確定する。
以上
2013.10.28 Reported by 石倉利英
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