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【J1:第30節 浦和 vs 柏】レポート:電光石火の2点連取。ナビスコ決勝の前哨戦は浦和に軍配(13.10.28)

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ヤマザキナビスコカップ決勝と同カードとなった一戦を制したのは浦和だった。勝利の立役者となったのは、今週の練習で欠場も示唆していた柏木陽介。前節の鹿島戦で痛めた腰の状態が思わしくないという素振りを見せていたが、それは「出ることはわかっていたので、フェイクみたいな感じで言っておけと言われていた」と指揮官が珍しく仕掛けた情報戦だった。

それが相手の戦い方に影響を与えたかどうかはともかくとして、柏木のスタメン起用は結果的に大当たりだった。開始わずか5分、那須大亮のパスを宇賀神友弥がスルー、槙野智章がダイレクトで原口元気にパスを送ると、原口は右足を一閃。シュートはGK菅野孝憲に防がれたものの、こぼれ球を頭で押し込んだのが柏木だった。
さらにその6分後、槙野が左サイドから仕掛けてクロスを送り、ニアで宇賀神と原口がスルーすると、ゴール正面でゴールネットを揺らしたのも柏木だった。「90分は無理だとわかっていたので、早い段階で結果を残せればいいなと思っていたなかでの2点だった」。スタートから行けるところまで行くという柏木のアグレッシブな姿勢が序盤から実を結んだ。

浦和は立ち上がりから攻守の切り替えが早く、ボールを失った瞬間から相手にプレッシャーをかけて柏にリズムを作らせなかった。いい守備ができていたので、攻撃のテンポもよかった。
それだけに14分のミスはもったいなかった。那須大亮が自陣で縦パスを大谷秀和にカットされる軽率なミスを犯すと、そのまま入れ替わられるように裏をきれいに取られ、最後はフリーの工藤壮人に横パスを通されてゴールを許した。柏はそれまで効果的な攻撃を全く繰り出せていなかっただけに、浦和にとっては悔やまれる失点シーンだった。
まだ浦和が1点をリードしており、主導権も依然として浦和が握っていたが、柏もそのゴールを契機に落ち着きを取り戻していく。攻撃はシンプルな形が多かったが、時折見せ場を作れるようになり、32分には栗澤僚一のパスから大谷がゴールマウス直撃の決定的なシュートを放った。

後半に入ると、浦和の攻撃は失速気味に。栗澤が「後半に関しては相手にほとんど主導権を握らせずっていう戦いになった」と話したように、浦和は前半立ち上がりのようなリズムのいいパス回しができなくなっていった。
一方、柏は前半に比べて攻撃に迫力が出てくるようになった。浦和を自陣に押し込む時間帯も増えた。ただ、攻撃の流れが一本調子だったため、浦和の守備を崩すというところまで至らず。両チームとも攻撃より守備の奮闘が目立つ展開になったため、結果として互いに潰し合うような試合になった。「後半は泥臭く戦う展開になりました」とはミハイロ・ペトロヴィッチ監督の弁だが、後半の浦和のシュート数はゼロ、柏もたった2本という数字がそれを裏付けている。

「負けはしたけど次の試合に向けて大きなものをつかめた」。試合後、柏のネルシーニョ監督はそのように振り返っている。勝点3は逃したものの、ヤマザキナビスコカップ決勝の前哨戦としては有意義な収穫があったようだ。

しかし、ペトロヴィッチ監督が「順位を見ても上も下もない状態」と指摘した柏にとっては“前哨戦”という意味合いが強かったのかもしれないが、浦和にとっては違った。この試合もタイトルがかかった大事な一戦だった。広島、横浜FMを退けてリーグ優勝を果たすためには、もう1つも勝ち星を落とせないという強い気持ちで選手たちは戦っていた。
「今日の試合は立ち上がりの5分の失点、そのあとの2失点で立て続けにやられて、そこから選手たちも目を覚ましてプランニングしていたプレーを始めてくれました」。ネルシーニョ監督は序盤の出来が悪かったことを悔やんでいたが、一方の浦和はスタートから集中していた。もしかすると、この試合に対する両者の温度差が立ち上がりのパフォーマンスの違いとして表れ、勝負の分かれ目ともなったのかもしれない。

以上

2013.10.28 Reported by 神谷正明
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