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【J1:第30節 鹿島 vs 川崎F】プレビュー:レナトに切り裂かれた前回の経験を生かすことができるか!?鹿島が難敵川崎Fを迎え撃つ(13.10.27)

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前節の敗戦で順位を1つ下げてしまった鹿島が、今節も順位を直接争うチームを迎え撃つ。5位鹿島と6位川崎Fが激突する。

どちらにとっても重要な一戦だ。なかでも鹿島にとっては、前節の敗戦を引きずってズルズル順位を下げてしまうことだけは避けたい。
「F東京、浦和、川崎Fと、勝つか負けるかで順位が変わる戦いが続いている。自分たちがシーズンのなかでどういった順位で終えるかを試されているところもある。浦和戦ではいい結果が出なかったけれど、それを引きずってしまうのか、川崎Fに勝ってまだまだ上を狙うという気持ちを持っていくか分岐点の試合になる」
守備の要として存在感を発揮する青木剛は、この試合の意義を十分すぎるほどに意識していた。

ただ、青木にとっては、川崎Fとの試合は苦い思い出の一つだろう。前回の対戦では右サイドバックとして先発出場し、川崎Fのレナトを封じる役目を担った。しかし、試合は2−4の完敗。この試合のレナトのスピードは驚異的で、得点こそ1点のみだったが、切れ味鋭いカウンターの中心にいたのは間違いなくこのブラジル人選手だった。
「日本人では無理だと思った」
そう青木に言わしめる程、強烈な印象を残している。

この試合も、そのレナトをどう封じるのかが試合の鍵を握るだろう。とはいえ、あのときのように相手のカウンターを良いように受けてしまっては、誰がレナトのマークに付いても同じ結果が待っている。
「レナト選手はペナルティエリア横の位置からだと形を持っている選手。そこに入らせないことが大事になる。パスが入る前のチームの守備が大事になると思う」
青木はそう言って、ボールを失ったときの攻から守への切り替えなど、チーム全体での守備ができるかどうかが、レナトを封じる最善策と話していた。そうした守備ができているときは、当然のことながら中村憲剛、大久保嘉人も抑えることができる。狙いとしては、間違っていないはずだ。

とはいえ、川崎Fもそうした相手とは何度も対戦してきているはずだ。相手を誘い込みながら、不用意なパスをカットしてすばやく攻撃に移る。自らの武器を最大限に生かす方法は重々承知しているだろう。前節は途中出場だった中村も先発に復帰してくる様子だ。セットプレーの守備に不安を抱える鹿島に対し、左右両方に優れたキッカーを揃えることは有効な武器となるだろう。

鹿島は、西大伍が出場停止から戻ってくるが、浦和戦の日に高熱を出した影響もあり、伊東幸敏を試す場面も見られた。西自身は「大丈夫」と話すが、監督はどういう判断を下すか注目したい。また、前節で退場処分を受けたダヴィが出場停止。代わりに土居聖真が先発に戻るだろう。
ACL出場権、そしてタイトルに向けて、どちらも勝点3が欲しい一戦だ。これまでの下がり目の位置から1トップに戻る大迫勇也は「Jリーグはここからでしょ。最終節までもつれることもよくある。ここで諦めたら1年間が無駄になる」と、まだまだ諦めない姿勢を貫く。それを強く、深く信じることができたチームが勝利により近づくことだろう。

以上

2013.10.26 Reported by 田中滋
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