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【J2:第38節 東京V vs 北九州】プレビュー:焦り禁物!東京Vは失点恐怖症から抜け出せるかが最大のテーマ。試合内容がよくなった北九州は今節こそ結果を(13.10.27)

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いよいよ残り5試合となった。リーグ全体としては、大詰めとなったJ1昇格をかけた順位争いが最大の注目であることはもちろんだが、ファン・サポーターにとっては、それぞれのチームがどのようなサッカーを作り上げてきたのか、最終段階に入ったチーム作りの完成度を大いに問いたいところではないだろうか。当然、どのチームもその期待に応えるべく、日々トレーニングを重ねていることは言うまでもない。東京Vも北九州も、ぜひ、約10カ月かけて積み重ねてきたからこそのサッカーを披露してほしい。

その意味では、順位こそ17位と低迷するが、チーム状況として上り調子になっているのはアウェイの北九州と言えよう。天皇杯含め、10月の3試合こそ白星がないのは事実だが、9月の5試合を3勝1分1敗。前節・水戸戦も、2点先制後にパワープレーとPKで同点に追いつかれて勝利を逃したものの、内容そのものは崩して点を取れていた自分たちに分があったとポジティブに捉えているようだ。自信を持って、今節に挑む。
シーズン前半戦の不振が響いて現在の順位に沈んでいるが、「残り5試合になりましたが、もっと試合をしたいねとみんなで話をしています。ここに来てチームは成長してきている」との前節終了後の柱谷幸一監督の会見コメントからも、今のチーム状況の良さが十分伝わってくる。その最大の要因は、7月後半にC大阪から期限付き加入した右サイド井上翔太の存在ではないだろうか。井上がゲームを作ることで、チーム全体のポゼッション時間が増え、八角剛史、新井純平の両ボランチがゴール前に顔を出す回数も増えて攻撃に厚みが増した。また、渡大生、池元友樹の2トップとの関係も良く、さらに中央への切り込みが魅力の逆サイドの小手川宏基の特長もより生きている。いま、東京Vの最大のテーマの1つに『先制点を与えないこと』がある。このバリエーションの増えた攻撃陣でいかに早く先制点を奪い、焦りを誘い、相手を精神的に追い込めるか。勝負の大きな鍵を握っていそうだ。
また、今節は開幕から全試合フル出場を続けてきたDF前田和哉が累積警告により出場停止となる。北九州は7月前後からメンバーがほとんど固定されてきたため、代わる選手の奮闘にも注目したい。筆頭候補は右サイドバック田中優毅と予想できるが、チャンスを得た選手がここでいかにアピールできるか。今後の選手層充実のためにも大事だろう。

一方、12位の東京Vは、プレーオフ進出圏内6位チームとの勝点差が「9」と、厳しい状況ではあるが、数字上の可能性はしっかり残されている。本来であれば、ここから一気にギアを上げ、残り5戦全勝を確信できるほどの勢いをもって挑みたいところだが、残念ながら天皇杯を含めて3連敗中。しかも、大量失点での敗戦が続いており、苦しい状況下にあることは明らかである。最も深刻なのが「立ち上がりの早い時間で失点すること」と「先制されてしまうと明らかにトーンダウンし、立て続けに失点を許す傾向がある」の2点だ。前節の栃木戦こそ、先制されても前半のうちに同点とし、少しの修正は見られた。だが、後半の立ち上がりで再び失点を許し、結局4失点を喫してしまった。この試合が古巣戦となる安田晃大は、まず改善すべきこととして、「失点をしても、慌てずに自分たちのサッカーをすることが大事」だと挙げた。
そんな中、今節はプラス材料がある。刀根亮輔、石神直哉のDF2人が揃って復帰する可能性が高い。どうしても修復できなかったDFが、これでようやく安定を取り戻しそうだ。
特に、復帰すれば6試合ぶりのピッチとなる刀根は気合が入る。実は、ケガをし全治までの期間を告げられた時、「自分の中で復帰戦をこのホームでの北九州戦に設定していた」のだと明かす。その間、ひたすら治療に専念してきたが、前々節・愛媛戦あたりから急激に失点が増えるチーム状況を目の当たりにし、さすがに「試合に出て何とかしたい」と、危機感とも焦りともつかない感情を募らせていたという。「僕が出て、失点が少しでも減らせればいい。前半をなんとか無失点に抑えて、前の選手に先に1点取ってもらえれば、あとは何としても抑える!」と刀根。失点のトラウマを、背番号3が払拭してくれるかもしれない。

「攻めていても、いつも守備のことを考えている」という巻誠一郎のことばに集約されるように、前線の選手も失点を防ぐためにそれぞれできる仕事がある。「プレスバックや前線からのプレス」(巻)も大事になる一方で、「攻撃をやりきることが、結果として守備にとっても助けるプレーになると思う」という常盤聡のことばにも大いに納得できる。「攻撃、守備、と分けて考えないで、FWという立場としては、より攻撃的になるためにはどうすればいいのかを考えてプレーしたい」(常盤)。一人一人が、できること、与えられた役割を懸命にやるだけだ。

「一見、相手が余裕あるようにみえても、案外自分たちと同じぐらい辛かったりするもの。相手はこっちが諦めるのを待っている。でも、我々は絶対に自分たちから諦めたりしないし、諦めなければチャンスは必ずくる」と、三浦泰年監督は常々語っている。J1昇格へ向け、いまの東京Vにこそ、そのことばがピッタリである。「可能性のある限り、諦めない」決まり文句ではなく、監督・選手・チームスタッフ、スポンサー、クラブスタッフ、サポーターなど、東京Vに関わるすべてのひとが、どれだけ心の底からそう思っているかで、未来は変わる。

以上

2013.10.26 Reported by 上岡真里江
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