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【J1:第30節 名古屋 vs 大宮】プレビュー:勝利に見放され、再起へのきっかけをつかみたい名古屋と大宮。勝点3への渇望が上回る方に、待望の白星は舞い降りる(13.10.27)

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勝点3を獲るのがこれほどまでに難しいことだとは、前半戦あるいは夏の時点での両チームは微塵も思わなかっただろう。5連勝を含む9戦連続無敗を記録し、強豪復活の狼煙を上げたはずの名古屋はその後、5戦1分4敗と急激に失速。負傷者や出場停止など不運な要素もあるにはあるが、噛み合わないチームの歯車のきしむ音が、日に日に大きくなっている印象の方が強い。
一方の大宮についていえば、チームの歯車は空回りしてしまっている印象だ。開幕から10戦無敗、4節からは7連勝も記録し、今季前半戦の主役だったチームのメンバーはほぼ変わっていない。しかし名古屋同様、いやそれ以上に勝てなくなってしまった。ここ2カ月で行われたリーグ戦7試合で、1勝しか挙げていないチームは現状で4つある。降格が決まった大分と、今節にも降格の可能性がある磐田、そして名古屋と大宮である。ともに順位表の上では目標が見えにくくなった13位(名古屋)と12位(大宮)の対戦に期待したいのは、勝利を渇望するチーム同士が見せる、勝点3の奪い合いだ。

「勝ちたい気持ちが勝敗を分ける」と言ったのは、名古屋の永井謙佑だ。前節の仙台戦では得意の裏への抜け出しから玉田圭司の得点をアシスト。「最近は裏を意識していて、積極的に狙うようにしています。あのアシストもシュートは打てたけど、フリーのタマさんは見えていたし、その奥にも味方が走ってきているのが見えていたくらい自分としては冷静でした」と状態が上がってきたことをアピールする。仙台戦の後半に試された4-3-3にも好感触を得ており、ケネディ、玉田との3トップにも意欲十分。日本復帰以来いまだ得点がないが、一発決めれば続く選手だけに、ラストスパートの起爆剤としての活躍をそろそろ見せてほしいところだ。

また、名古屋にとって朗報なのは、田中マルクス闘莉王がコンディションを戻して復帰する見込みということ。22節のC大阪戦で痛めた右足首は当初は全治1週間の見込みも、その後の練習中に再び痛めるなどして復帰が大幅に遅れていた。チームの苦境を救うために強行出場した第27節の川崎F戦では右足でのボールタッチを極端に制限しながらのプレーに終始するなど負傷の重さを露呈していたが、現在はかなり回復した様子。前節は出場停止だったが、その1週間前の岐阜とのトレーニングマッチ後には「だいぶ良くなった。ウチはいま点を取らなきゃいけない。自信をなくしているから」と明るい表情を見せていた。今週、A契約にこぎつけたルーキー牟田雄祐とのセンターバックコンビは今季3試合目。持ち前の統率力とゲームメイク力で期待の新人とチームを導き、さらに「得点を取る」という宣言通りの働きができるか注目だ。

大宮については試合を見る限り、前述のように空回りの感が否めない。ベルデニック前監督体制下で猛威を振るった激しいディフェンスは、その意思が見えるも詰めが甘く、ところどころ穴の開いた守備網になってしまっている。前節も最下位の大分にたびたびプレッシングを突破されており、ここがリズムの出ない大きな要因の一つだろう。前線のノヴァコビッチ、ズラタンの2トップは健在で、渡邉大剛、チョ ヨンチョルらサイドハーフの能力はいまだリーグ屈指。快進撃を支えた青木拓矢と金澤慎のボランチコンビの不在が微妙な狂いの原因とも考えられるが、高橋祥平と和田拓也のコンビも能力は高い。
名古屋との前回対戦では先制されながらもアグレッシブな試合運びで逆転しており、やはり鍵は守備がはまるかどうかの一点に思える。それは全体としてのプレスだけでなく、ゴール前のケネディvsニールというオーストラリア代表対決に、名古屋のサイド攻撃と対峙する下平匠と今井智基という実力派サイドバックたちの局面での勝負からも目が離せない。

しかし両チーム、少なくとも名古屋においてはまず、勝利への気迫を見せることが大前提の必要条件であることは誰の目にも明らかだ。ここ2カ月近く勝利がないことに対し、キャプテンの楢崎正剛はうつむき加減に心境を吐露する。
「情けないですね。内容としてはだいぶ持ち直してきてはいるんですが、細かい部分や集中力を欠いたりする場面がある。そのことは意識して練習をやっていきたいです。自分たち守備陣ももう少しよい選択肢を選んで、よい攻撃につなげていければ。この状況は誰にとっても辛いだけですからね。今年は春からずっとこんな状態だけど、アンラッキーな部分を減らすためにも懸命にプレーすること。そうすればサッカーって、ツキもボールもこちらに転がってくるもの。いま目標は定めづらいけど、応援してくれる人がいることを忘れてはいけない」

そう、サッカーボールはより懸命に、気迫を出し、勝利への執念で上回った方に味方するものだ。喉から手が出るほど勝利が欲しいならば、それ相応の気持ちを見せなければいけない。白星に飢える名古屋と大宮。その資格を満たすチームは、一体どちらか。

以上

2013.10.26 Reported by 今井雄一朗
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