10月14日、千葉の練習場のユナイテッドパークで『ユナパまつり２０１３』が開催され、最後のイベントの大抽選会が終わったあとに、フクダ電子アリーナで結婚式を挙げられたばかりの新郎・新婦、その結婚式の出席者、そしてなぜかタキシード姿と思われる格好の『一平くん』がやってきた。ユナパにはまだ『ユナパまつり２０１３』に来場したお客さんが残っており、イベント用のステージで新郎・新婦へのインタビュー、千葉からサプライズの全選手サイン入りボールの贈呈、そして記念撮影が行なわれ、新郎・新婦を祝福する声や拍手がたくさん聞かれた。

※フクアリでは３組目となる結婚式について、『Ｊ２日記』への掲載を快く承諾してくださった新郎の洋光さんから教えていただいたお話でご紹介させていただきます。

洋光さんはＪリーグ開幕時には大阪在住だったが、テレビで千葉（当時は市原）の試合を見て「胸が熱くなったというか、それまでにない感覚があった」ことをきっかけにサポーターになったとのこと。そして、２００１年の冬には「やっぱり千葉でジェフを応援しよう」と引っ越してきたという。新婦のめぐみさんはもともとサッカーには興味がなかったが、今はすっかり千葉サポーターとなり、お二人はいつもゴール裏で応援している。

洋光さんはフクアリで初めて結婚式を挙げられた方の話題を耳にしてから、「フクアリでも結婚式を挙げられるんだ。どうせやるなら、ここがいいなぁ」とずっと思っていたそうだ。ちなみに、洋光さんがめぐみさんにプロポーズをしたのも「世界で一番好きな場所」だというフクアリ。とはいえ、スタジアムでの結婚式は非常に珍しいだけに、めぐみさん、そしてお二人のご家族の反応がどうだったのかは気になるところ。
「嫁はやっぱりチャペルでという夢はあったみたいですが、最終的には僕に合わせてくれました。できた嫁です（笑）。両親の反応は、嫁の方はサッカーのことは詳しくないので『へぇー』という感じで、あまりピンときていなかったと思いますが、『まあ、本人たちが決めたのなら』と言ってくれました。僕の方は『すごいなぁー！』と興味を示してくれて、『今までにない式が見られる』と楽しみにしてくれていました」

『とにかく楽しく』ということをコンセプトに「自分たちがただ楽しむだけでなく、みんなで一緒に楽しくしたい」という思いから、結婚式の演出をいろいろと考えた洋光さん。千葉のチームマスコットのジェフィ＆ユニティは諸事情から結婚式への出席がかなわず、そこで考えたのが『一平くん』に来てもらうというサプライズ企画。
「結婚式に出席するのはほとんどが千葉サポーターで『一平くん』のことは知っているし、僕も愛媛に行った時やフクアリで『一平くん』を見て大好きだったので。それに愛媛には“愛”があるし、カエルはめでたい生き物ですから」
ダメもとでオファーしたところ快く承諾してもらい、『一平くん』は洋光さんが考えた希望の演出もほとんどやってくれて盛り上げてくれたという。サプライズ登場失敗のアクシデントもあったが、今や『一平くん』のお家芸ともいえる担架に乗る演出もあったそうだ。また、フクアリならではの選手入場風の新郎・新婦入場、新郎がシュートを決める愛のゴールキックという演出も出席者を楽しませたようだ。

実は、結婚式の前日は千葉の天皇杯３回戦があり、めぐみさんはお休みしたものの洋光さんはフクアリでＰＫ戦終了まで千葉を応援。千葉のゴール裏の応援団のメンバーは、翌日の結婚式当日は朝早くから飾り付けを手伝ってくれ、チャントや応援歌で盛り上げてくれただけでなく、夜中からサプライズで横断幕を作って張ってくれたことに、洋光さんは深く感動し、とても感謝している。

「『一平くん』も時間が許す限り最後まで遊んでくれましたし、たまたま当日は『ユナパまつり２０１３』が開催されていたので、そちらにも行くことができて皆さんにも祝福されました。改めて『仲間っていいな。ジェフサポ最高!!』って思いました。お互いの両親にも『今までにない楽しい結婚式で良かった』と言ってもらいましたし、もう一回やりたいって思うくらい、本当に楽しかったです。フクアリ・ウェディングはやはりスタジアムの特性を活かした演出が出来ることが一番だと思いますが、それよりも二人が好きな場所がフクアリだからというのが一番のお勧めだと思います」

『一平くん』のツイッターやユナパまつりでのこともあって反響が非常に大きく、「今までに経験したことがない驚きとうれしさと恥ずかしさでいっぱい」という洋光さんだが、一方では「人と人とのつながり、温かさ、そして優しさを感じている」という。これもまたサッカーがもたらす素晴らしい出来事だなと筆者は思う。
洋光さん＆めぐみさん、ご結婚おめでとうございます！　末永くお幸せに。

以上

2013.10.24 Reported by 赤沼圭子