群馬にとっては、あまりにもやりきれない結果だ。2点をリードした群馬は、決死の戦いを続けたが、2人の数的不利に屈して痛恨の逆転負けを喫した。
群馬は、平繁龍一とエデルの2トップ、2列目に青木孝太、小林竜樹、アンカーに加藤弘堅を配置する変則3−5−2のシステムを選択し残留争い脱出を図る。一方の京都は横谷繁、山瀬功治を前線に配置する4−4−2の布陣で6連勝を狙う。序盤は京都のペースだった。京都は前線からのプレスで群馬の自由を奪うと狭いエリアでテンポ良くパスをつないでリズムを作っていく。
だがゲームの流れに反して最初にゴールネットを揺らしたのは群馬だった。右サイドでボールを持った夛田が最終ラインの裏へと浮き球のパスを送る。そこに走り込んだのは3バックの一角・小柳達司だった。オフサイドラインすれすれでトラップした小柳はそのままゴールへと突進してGKオ スンフンのニアをぶち抜き先制ゴールを奪う。「長い距離を走ったのでフリーでラインを突破することができた」(小柳)。
先制後、京都の攻撃を一丸となった守備で跳ね返した群馬は40分、左CKでトリックプレーを実行。ショートコーナーから平繁が切り込んでシュートを放つと、ゴール前のこぼれ球をクォン ハンジンがプッシュして追加点を決めてみせる。しかし、このあとの1プレーがゲームを大きく変えていく。前半終了間際、京都・倉貫一毅が放ったシュートを腕に当てた保崎淳が一発レッドで退場。群馬はそのPKを横谷繁に決められて1点を返された上に、数的不利の戦いを強いられる最悪の展開となった。
後半、10人で京都の攻撃を凌いでいった群馬にさらなるアクシデントが襲いかかる。67分、前線のチェイスで勢いあまったエデルがDFとぶつかり2枚目のイエローカードで退場。2枚のイエローともに不運なカードだっただけに群馬の怒りは沸点に達する。2人少ない9人となった群馬はそれでも耐え続けた。しかし時間の経過とともに体力が低下、守備網が緩んでいく。そして79分に三平和司に同点ゴール、89分に原一樹に逆転弾を許して力尽きた。群馬は9人で守り続けられる術を持ち合わせていなかった。
京都は前半、群馬のカウンターに苦しみ2失点を喫したが、数的優位を活かして逆転に成功。6連勝を果たして価値ある勝点3を持ち帰った。神戸、G大阪の2強を猛烈に追う京都にとって、チームをさらに活気付ける貴重な勝利となったことは間違いない。だが秋本倫孝が「前半、簡単に相手FWにボールを入れられてしまったのはチームの課題」と話したように修正点も残った。残り5試合で2位G大阪との勝点差は8。第40節のG大阪との直接対決が最大の山場となるが、差を詰めるためには勝ち続けるしかない。
2点リードしながらも悪夢の敗戦を喫した群馬だが、勝点を失った上に次節はエデル、保崎が出場停止となるなどダメ−ジは小さくない。だがこのショックを払拭して前へ向かうしかない。この試練を乗り越えない限りJ2残留は見えてこないのだ。「結果的に負けたが前半は自分たちの戦いができていた。この悔しさを残り試合すべてにぶつける」(青木孝太)。来季もJ2で戦うためのイクサは、ここからが本番。敗戦を引きずっている暇はない。
以上
2013.10.21 Reported by 伊藤寿学
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