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【第93回天皇杯 3回戦 C大阪 vs 神戸】レポート:C大阪が柿谷、山口、南野の不在をものともせず、J2首位の神戸を圧倒し、4-0と大勝!(13.10.14)

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天皇杯3回戦で実現した関西ダービー。キンチョウスタジアムが桜色とクリムゾンレッドでいっぱいに埋め尽くされ、開始前のウォーミングアップから両サポーターの応援合戦も熱を帯び、場内の盛り上がりも最高潮。いかにもダービーらしい雰囲気に包まれたなか、好天のもと、C大阪と神戸の一戦がキックオフされた。

この試合で、C大阪は柿谷曜一朗と山口螢を日本代表欧州遠征のために欠き、U-18日本代表の南野拓実もAFC U-19選手権2014予選出場のために離脱中。さらに、黒木聖仁らも負傷欠場を余儀なくされ、ベンチ入りメンバーが1人少ない状況で戦わざるを得なかった。そのなかで、前線にはエジノと杉本健勇、中盤は攻撃的な位置に楠神順平と枝村匠馬、ボランチにシンプリシオと扇原貴宏が並ぶ形で、今季初の関西ダービーに臨んでいた。

対する神戸は、1週間前のJ2第36節千葉戦から先発を2人変更。エステバンに代わって、田中英雄が橋本英郎とボランチを組み、GKには「コンディションがずっといい」(安達亮監督)ということで、今季天皇杯2度目の先発となる植草裕樹が名を連ねた。そのほかは、小川慶治朗、ポポ、マジーニョ、河本裕之など、J2首位チームを引っ張るベストの陣容が揃った。

序盤、攻勢をかけたのは、神戸。今季テーマの1つとしているポゼッションサッカーでC大阪を押し込み、司令塔の森岡亮太の個人技からC大阪DF酒本憲幸のイエローカードを誘うなど、ペナルティーエリア付近にまで迫っていた。だが、なかなかフィニッシュにまでは持って行けず、散発的なミドルシュートも空砲に終わった。

「神戸はすごくポジションチェンジをしたり、前の選手に当ててワンツーだったり、そういうのは多かったが、(C大阪も)しっかり2列目の選手がついてきたり、後ろの選手がカバーリングしていたりしたので、それほど怖がらずにできた」と振り返るのは、C大阪のDFリーダーであり、主将の藤本康太。今季、リーグ最少失点を誇る桜色の守備陣は劣勢でも落ち着いていた。

すると、15分、J1上位戦線で奮闘するC大阪がいよいよ目を覚ます。その合図は、C大阪らしい華麗なパスワーク。楠神からボールを受けたシンプリシオが、ペナルティーエリア付近中央のエジノに向けて果敢に縦パスを送りながらゴール前へダッシュ。エジノ、枝村と流れるようにつながれたボールの終着地は、またもシンプリシオ。元ブラジル代表MFは、神戸GK植草をよく見て鮮やかに流し込み、先制点を獲得。このゴールで形勢は一気にC大阪へ傾いた。

そして、31分、2点目の起点となったのもシンプリシオだ。敵陣中央でFKを獲得すると、「ファウルをもらった時点で、相手が整っていなくて、集中が欠けていたところで、少しエダ(枝村)のほうを見たら、エダもそのことに気づいていたので、そこにボールを出した」(シンプリシオ)。クイックリスタートから縦一発でボールを受けた枝村は、冷静にゴールネットを揺らした。昨シーズンJ1第27節でC大阪を窮地から救い、逆に神戸をどん底に落とした『神戸キラー』の2人が、桜色のサポーターを熱狂させた。

2-0で折り返したハーフタイム、C大阪のレヴィークルピ監督はどん欲だった。「あと2点取れる」。檄を受けたイレブンは発奮した。そして、神戸が前がかりになったところを見逃さず、50分にはカウンターから枝村、エジノとつないで、最後は杉本がゴール。その6分後には再び枝村が加点し、一気に4-0と大差をつけた。ノルマだった2得点を、後半わずか11分間で奪いとったC大阪。この時点で試合の趨勢は決していた。

それでも、C大阪が最後まで緩むことはなかった。ゴールこそ4点で打ち止めだったが、あくまで得点にこだわり、扇原、楠神、枝村と、好機を作り続けた。また、守備でも、神戸のカウンターチャンスで抜け出した小川のシュートを、GKキム ジンヒョンがファインセーブすれば、山下、途中出場の茂庭照幸らの身体を張った守備も冴え渡り、神戸強力攻撃陣を零封。無失点のまま試合をクローズさせることにも成功した。

「今日試合に出た選手たちが、勝ちたいという気持ちを全面に出して、試合に臨むにあたって、集中力を決して欠かすことはなく、いい準備をしてくれた。これに尽きる」、試合後のレヴィークルピ監督は、主軸不在のなかでも最高の結果を導き出したイレブンを絶賛。藤本も、「今年のウチの選手層の厚さというのが、これで証明されたと思うし、今までそんなに出ていない選手でも、これだけやれるというのも証明できた。3人いないから負けたというのは、僕ら的には一番嫌だったので、本当に勝ってよかった」と胸を張った。「シーズン最後までこの勢い、そして、雰囲気を続けながら、戦い抜きたい」、指揮官がそう述べるように、ここからC大阪は、リーグ戦、カップ戦において、悲願のタイトル獲得のため、ラストスパートをかけていく。その覚悟を、この試合で見せつけた。

一方の神戸は、為す術なく完敗。2点差をつけられたなか、後半からは田代有三を投入し、攻撃の枚数を増やして反撃に出ようとしたが、「一番取られてはいけない時間帯に3点目を取られて、そこからはもうダメだった」(相馬崇人)。クリムゾンレッドは攻守の歯車がまったくかみ合わないまま、一矢を報いることさえできず、試合後にはサポーターからブーイングを浴びせられる悔しい結果に終わった。

それでも、安達監督は「天皇杯で、こういうような敗戦をしたことで、もう一度、チームをきちんと締め直せると思う。いち早く切り替えて、次のJ2リーグ戦に照準を合わせてやっていきたい」と、ラスト6試合となった今季、1年でのJ1復帰、そしてJ2優勝を叶えるために、立て直しを図ることを誓っていた。

「普段やっていることがまだまだと感じた。ここ1年足らずでこうも差が付くのかなというのが個人的な感想。もっともっとやらないといけないなと思った」(河本)と、先を行くJ1のC大阪の前で、現状の力不足を認識させられた神戸。公式戦3試合で1分け2敗と苦しむなか、この壁を乗り越えなければ、さらなる高みは見えてこない。今、クリムゾンレッドは最後の正念場に立たされている。ここが踏ん張りどきだ。

以上

2013.10.14 Reported by 前田敏勝
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