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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J1:第28節 湘南 vs 名古屋】レポート:たしかな成長と届かぬ悔しさと。白熱の90分はドロー決着、ともに勝点1ずつを分け合う(13.10.06)

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湘南が11年ぶりにJ1に復帰し、名古屋がJ1初制覇を果たした3年前を含め、両者の対戦を振り返るにつけ、湘南は自分たちのリズムを掴めず、総じて名古屋のペースに呑まれていた印象が強い。だが今節は、ストイコビッチ監督をして「今日はどちらのチームもハイペースで進み、内容的にもおもしろい試合になったと思う」と言わしめたほどに、90分間を通して白熱した。

「互いのチャンスの数から見ても妥当なのではないか」指揮官がそう続けたように、1−1に決着した戦いは、前半から互いにチャンスをつくり合っていた。小川佳純のクロスを経て田中マルクス闘莉王がヘッドを叩き、さらにケネディも詰めて、名古屋がゴールを脅かせば、湘南も5試合ぶりに先発した梶川諒太を中心にゴールへと向かって小気味よくパスを繋ぎ、その梶川や大槻周平らがゴールに迫った。しかし楢崎正剛とアレックス サンターナという両GKの好守もあり、スコアは容易には動かない。

前半をスコアレスで終え、あらためて思い出されたのは、瑞穂陸上競技場で行なわれた3月の対戦である。2−0で名古屋が取った、かの試合で、湘南は堅い守備を示しながらも前半終了間際に一瞬の隙を突かれて先制を許していた。今節も同様の時間帯にピンチを迎えたが、しかしこれを凌ぐと、さらにはGKアレックスを起点にカウンターへと転じて決定機まで持ち込み、相手陣内で前半を終えた。ミスを補完し合うチームプレーを随所に発揮しながら、名古屋の前線からの圧力に怯むことなく紡いだ攻撃のリズムに、彼らのたしかな足跡が浮かび上がる。

名古屋は後半、60分のダニエルの投入とともに3バックへと変更し、湘南とマッチアップする形を採った。直後には闘莉王らが強烈なシュートまで至っている。対して湘南も、相手のクロスを念頭に置きながらラインコントロールをゆるめず、前半から状況に応じた守備で応戦していた。しかし70分を過ぎたところでゴール前にするすると抜け出した小川がGKアレックスのファウルを誘うと、これに得たPKをケネディが冷静に沈め、ついに名古屋がスコアを動かした。

ケネディのゴールによって75分に先制したのちも、名古屋は永井謙佑を筆頭にゴールへと迫った。かたや湘南も、スピードに長ける守備陣の踏ん張りもあり、相手の攻撃を防ぎながら攻撃を仕掛けていく。そして、83分だった。サイドに開いた武富孝介を永木亮太が追い越し、永木のクロスが逆サイドの古林将太へと渡る。古林が仕掛けたクロスに反応したのはDF大野和成だ。「攻め残っていたらいいボールが来ました。うまく合わせられてよかった」。ヘッドで流し込んだボールに、再三立ちはだかっていたGK楢崎も届かない。その後も、湘南、名古屋ともに攻めたがゴールは割れず、長い笛を聞くのだった。

前節の浦和戦に続き、湘南には堂々たる戦いとともに勝点1が刻まれた。試合後、曹貴裁監督は内容とともに振り返っている。
「J1での試合経験が選手たちを育んでいることは間違いない。ただ、試合には勝てていないので、またみんなでいい競争をして、我々のスタイルをさらに上のレベルに持っていくことが僕の仕事。いいゲームをしてしっかり勝点3を取る、そういうチームにしていかなければいけない」

指揮官がなにより大切にする、「何がしかの成果や課題を選手が感じて次に進んでいくこと」を、このステージは力強く与えてくれる。そして、彼らのたしかな歩みを止めぬためにも、「選手たちと話し合いながら」「僕も一緒になって」と指揮官は誓う。これまで同様、一歩、また一歩と踏みしめる先に踏破はある。

以上

2013.10.06 Reported by 隈元大吾
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