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【J1:第28節 浦和 vs 大宮】レポート:浦和が7年ぶりにホームで大宮を撃破! 自信を取り戻す契機にも(13.10.06)

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長く続く負の歴史にようやく終止符を打てた。浦和は2006年4月29日の試合を最後に、リーグ戦のホームゲームで大宮に勝てていなかった。実に7年ぶりの勝利、それも4−0という会心のスコアで宿敵を打ち破った。

それは浦和の誰もが待ち望んでいた瞬間だった。「ようやく過去の重い歴史から解き放たれた瞬間だったと思います」。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督も重荷を1つ下ろせたと喜んでいた。
大宮にとっては屈辱の敗戦となったが、やはり前半9分にニールが一発退場となり80分間も数的不利で戦わざるを得なくなったのが痛すぎた。試合の入り方は悪くなく、最初に決定機を作ったのも大宮。ペトロヴィッチ監督が「立ち上がりにノヴァコヴィッチが決定的なチャンスを迎えたがゴールされなかったのは幸運でした」と振り返ったように、ノヴァコヴィッチがフリーの決定機をものにできていれば、試合展開はまったく違ったものになっていただろう。

ただ、大宮の退場劇は浦和の明確な狙いから生まれたものではあった。ニールを退場に追い込んだ興梠慎三は話す。「ニール選手は前には強いけど裏に弱いことは知っていた。なので、なるべく足元に入れるんじゃなくて裏を狙ってほしいと言っていたし、それが良い形で出た。退場はちょっとかわいそうなところはあったけど、でもこっちとしては助かった」
退場につながったシーンでは裏に抜け出た興梠をニールが倒して得点機会阻止と判定されたが、その直前にも興梠は同じように裏を取ってビッグチャンスを作っていた。実は裏への飛び出しは今週の練習で入念に確認されていたことで、退場プラスPK獲得は出来すぎだったにしろ、準備していたものを立ち上がりからきっちりと出せた成果だった。

PKを阿部勇樹が決めてリードを奪ってからは浦和の時間がずっと続くことになる。数的優位を生かしてボールを支配。縦パスをズバッと通し、中から外という最近あまり見られなかった攻撃の黄金パターンを繰り返して何回もチャンスを作った。
大宮は退場者を出したあとも単純に守りを固めることはしなかった。ズラタン、ノヴァコヴィッチの2トップをそのまま残し、受け身で待ちの姿勢になるのではなく、劣勢のなかでもリスクを負ってボールに寄せにいこうとしていた。結果的に、浦和の巧みなボール回しの前に押し込まれる形にはなってしまったが、勇気を持って戦っていた。
浦和としては絶対的に優位な状況で、早く2点目を取って安全圏にもっていきたいところだったが、そう簡単にはいかなかった。弱気な姿勢で逆転された湘南戦の反省から、この日の浦和はリードを奪った状態でも攻勢をかけ続けたが、それがなかなか実を結ばない。

どんなに押していたとしても、1−0だと事故が起こり得るのがサッカーだ。外から見ている分には優位に立っているように見えても、実際に戦っている選手たちにはプレッシャーがかかっていた。柏木陽介が「去年、ちょっと嫌な思い出があったので、早い段階に追加点が取りたかったけど、それが取れなくて苦しい状況が続いた」と話せば、森脇良太は「『いやー、頼むから早く取ってくれ!』という思いで僕自身はプレーしていた。いつ入るんだと。そういう極限の精神状態だった」と振り返る。決めるべきところで決めきれない、そんなちょっと嫌な展開が続いていた。

その戦況にピリオドを打ったのが原口元気だ。72分、柏木のパスを受けた宇賀神友弥がクロスを入れると、「最近はあそこに入るといいボールが来ることがけっこうあるので、あそこは狙っていた」とゴール前に全速力で飛び込んだ背番号24は落ち着いた様子でボールをゴールマウスに流し込んだ。
これで決着はついた。浦和は76分に興梠、83分に関口訓充がゴールネットを揺らし、リードを4点に拡大。大宮もノヴァコヴィッチ、ズラタンがそれぞれボールポスト直撃のシュートを放つなど意地は見せたが、最後に2人目の退場者を出して力尽きた。

浦和にとって、この1勝は勝点3以上の価値あるものになったかもしれない。相手が1人少ない状況だったとは言え、最近の浦和にはなかった勇気ある縦パスからの揺さぶりが何度も見られ、選手たちは失っていた自信を取り戻した。
自分たちのあるべき姿も再確認できた。自分たちは守ろうとしても守れるチームじゃない。だからどんな時でも攻守に攻撃的に仕掛ける。言いたいことをみんなで言い合うことで、チームのあり方を見つめ直した。「1点取られても2点取る、2点取られても3点取るのが浦和なので、その意識の確認をした」と森脇は胸を張る。
リーグ戦は残り6試合。ここからは強敵との試合が続く。タイトルに向かう道のりは決して平坦ではないが、浦和はダービー快勝を反撃の狼煙にして頂点まで駆け上がっていくつもりだ。

以上

2013.10.06 Reported by 神谷正明
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