本文へ移動

今日の試合速報

ルヴァン 準々決勝 第1戦
ルヴァン 準々決勝 第1戦

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第28節 甲府 vs 横浜FM】レポート:優勝のために勝点3を狙う横浜FMを、甲府は最大値と横浜FM対策で封じ込んで貴重な勝点1を確保(13.10.06)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
0−0で迎えた終盤の約10分間と3分間のアディショナルタイム、「ひとつ間違うと…」が起こらないことを願いながら見ていた。前半は甲府に得点が入る予感を心の中で温めながらファン・サポーターは試合を見ていたと思うが、今のシステムでは消耗度が激しい2シャドーが疲れてくるとプランBかプランCかプランDの発動が必要になってくる。甲府の最大値を出しながら勝つことが一番だけど、これは理想で対戦相手はどこもが格上というのが現実。相手対策に軸足を置く戦いも必要になってくる。城福浩監督は3−4−2−1から5−3−2にするプランを選択し、8月10日の新潟戦で負ったケガで長く戦列を離れていた土屋征夫を投入する。ディフェンスライン5枚の中央3枚の真ん中は山本英臣で、右が青山直晃、左が土屋という心強いセンターバック3枚並び。勝点3を取るためにMF水野晃樹かFW平本一樹を投入する攻撃のパワーを上げる交代か、守備の堅さを高める交代で勝点1を守りながら3を狙う交代かで難しい決断をした結果の後者。前者で負けることがあれば受け入れがたい状況だったからだ。
約2カ月ぶりのリーグ戦で土屋は満足いくプレーができたと思っていないかもしれないし、甲府が横浜FMのシュートミスに助けられたと判断される面もあるかもしれないが、15位の甲府は首位を相手に戦い方を変えながら勝点1を守り切ったというのが結果。甲府に勝ってほしいと思って見ている人なら0−0でもつまらない試合ではなかったし、受け入れられる引き分け。

「はぁ〜、息が詰まった」
試合終了の笛を井上知大主審が吹いた瞬間、記者席の隣に座っていた山梨のテレビ局の女子アナが息と一緒に吐き出した言葉。横浜FMのファン・サポーターには「よしよしよしよし…あ〜〜もう〜」って言いたくなるようなシュートシーンの連続だったじれったい終盤。横浜FMは後半だけで8本(前半は1本)もシュートを打ったのに、決まりそうで決まらない。後半30分過ぎから0−0のまま膠着した展開になり、仕留める力が高い横浜FMが有利になりかけていたし、首位が15位からもぎ取りたいのは勝点3だけ。藤田祥史を投入した2トップも一定以上の効果があった。それでも、甲府の“横浜FM対策”が効いたことは事実だと思うし、5−3−2にしたときにセンターバックの佐々木翔をボランチに上げた“対策”に城福監督の執念も感じる。中村俊輔は輝いていたでしょうか?同時にパラナがつかないほうのマルキーニョスがボールを収められなかったし、スペシャル感がなかったことも事実だと思う。横浜FMはシーズンを通じて失点は少ないチーム(リーグ2位タイ)だけど、この先の優勝争いを勝ち抜くには不安材料を持ちこして、首位に返り咲いた広島を迎え撃つことになる。

心配した雨は朝方に降っただけで、観戦には最適な気候となった山梨中銀スタジアム。選手入場のときに甲府のファン・サポーターが掲げる紙製の青いボード(スポンサーは宝くじ)が雰囲気を盛り上げた。昼間の磐田対仙台、湘南対名古屋の「0」をtotoで外していただけに、ボードの後ろに印刷してある「オータムジャンボ宝くじ。3億9千万円」という宣伝文句の金額に目が眩みそうになった…。
甲府には守備の堅さとカウンターという帰ることができる実家があるので、余裕ではないが、楽しみがあった前半。疲労もなく守備の堅さがMAXな甲府は立ち上がりから主導権を取った。河本明人のドリブルをファウルで止められるも、このFKからつかんだチャンスが起点に。ここでは決められなかったが、守備の堅さは発揮し続けた。横浜FMのスペシャルなアタッカーにかわされても確実にカバーが入るから、前半はゴールの匂いをマリノス印の瓶に閉じ込めて蓋をすることができた。河本、ジウシーニョの献身的な守備も素晴らしかったし、ボランチの保坂一成とパラナがつくマルキーニョスはプレッシャーのきついエリアで攻守にわたって素晴らしい仕事をし続けた。サッカー雑誌の点数つけのバイトをやるなら、引き分けでも保坂とマルキーニョスパラナに「7」をつけたいくらい。

甲府が前半にゴールを決めていたら…とは思うが、チャンスとピンチは背中合わせ。可能性を言い出したらきりがないが、確実なことは優勝争いも残留争いも残り試合が減るごとに激しくなっているということ。残念がら大分の降格が決まってしまったが、15位甲府、16位湘南、17位磐田が引き分け、14位鳥栖が敗れたことで、14位から16位の差はグッと詰まった印象。上位もACLの権利を狙うチームと優勝を狙うチームの思惑が入り混じって大混戦。次節、横浜FMはホームで広島を迎える(10/19@日産ス)。ものすご一戦になることは確実。天皇杯を挟むのでケガ人の復帰や戦術の修正をする時間があり、2週間後は恐ろしいマルキーニョスが復活しているかもしれない。甲府は熱い残留争いを繰り広げるライバル湘南と次の週末に天皇杯を戦う(10/13@BMWス)。リーグ戦での対戦は終わっているが、お互いに残留争いの意地を天皇杯というトーナメントでぶつけ合うだけに、こちらもすごい試合になりそうだ。

以上

2013.10.06 Reported by 松尾潤
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/09/05(木) 00:00 ハイライト:川崎Fvs甲府【ルヴァンカップ 準々決勝 第1戦】