群馬、鳥取という残留争いを展開するライバルに2連勝し、最下位を脱した岐阜。この2勝はとてつもなく大きなもので、この価値をさらに高めるためにも、3連勝は至上命題となる。

岐阜は前節試合がなかった。2週間たっぷりとコンディショニングとトレーニングに徹することが出来ただけに、しっかりとした状態でこの試合に臨まないといけない。ポイントとなるのが攻撃だ。守備に関しては、前節の鳥取戦で10人でリードを守りきったように、粘り強さが出ている。
サイド攻撃の要となっている染矢一樹が、鳥取戦で退場し、この試合には出場できないが、鳥取戦で2ゴールと、好調を維持するFWスティッペ、鋭い裏への飛び出しとフィジカルで前線の起点になれるFW中村祐輝、中盤のボールの収まりどころとして機能している美尾敦と、アタッカー陣に勢いがあるのが大きい。松本戦でのポイントは、スティッペと中村が前線でいかに高い位置で起点となれるか。この2人の連携で、松本の組織的なディフェンスの懐深くに入り、そこでボールを収めることが出来れば、得点のチャンスは増える。そこに美尾や樋口寛規、森安洋文などがしっかりと絡めるか。

対する松本は4連勝の後に、第33節に岡山に1-2で敗れた以降は、2戦2引き分けの状況にある。だが、前々節はG大阪に2-2の引き分けを演じ、前節の栃木戦も2度リードを許しながら、2度追いつくなど、安定した力と粘り強さを誇っているのは間違いない。攻撃はFW喜山康平、前節2ゴールを挙げたFWカベッサ、正確なキックとロングスローを誇るMF岩上祐三「など、警戒すべき選手がたくさんいる。中でも注意なのが岩上で、彼が起点とならないように、岐阜の2列目の選手がいかにコースを限定するなど、自由を奪えるかがポイントとなる。
反町康治監督のサッカーが浸透し、攻守のバランスが良くなってきた松本。群馬、鳥取とは違い、なかなか隙を与えてくれないチームだけに、岐阜はこれまでの2戦よりも集中力をかなり持って、90分のゲームマネジメントをしていかないといけない。

8月の全国中学校サッカー大会では帝京大可児中学が、地元・岐阜開催で全国制覇を成し遂げた。そして今月、東京国体ではFC岐阜セカンド単体で出場した岐阜県選抜が、成年男子の部で優勝するなど、今、岐阜のサッカーは非常に勢いに満ちている。岐阜県サッカー界の頂点に君臨するFC岐阜が、この流れに乗らないでどうする。絶対に勝って、一気に浮上するべく、松本戦は結果にこだわらないといけない。
J2残留に向けてもう一つも落とせないサバイバルレース。岐阜の生き残りをかけた戦いはいよいよ佳境に入りつつある。

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2013.10.05 Reported by 安藤隆人