●ペトロヴィッチ監督（浦和）：
「甲府はいい守備をしていたし、厳しいゲームだった。甲府は広島に2-0、鹿島に3-0と上位チームに勝利しているので、厳しいゲームになることは予想していた。我々は意図する攻撃の形を準備していたが、残念ながらそれが思ったような形で出なかった。ただ、選手は非常に強い勝利の気持ちを持って戦ってくれた。なかなかいい攻撃のシーンを作れなかったが、ただ相手がしっかりと自陣に引いた状態で守りを固めるなかで、そこを突破することは簡単なことではない。前半に１回、相手に決定的なチャンスを与えてしまったが、山岸が素晴らしいセーブで止めてくれた。それ以外では、チャンスらしい場面は与えなかった。そのなかで、我々がPKから1点をリードすることができたが、最後に追いつかれてしまったのは非常に残念だった。ただ、我々にはまだ8試合残っている。優勝を争う上で非常に痛い2ポイントのロスだと思うが、全力で一番上を取るために戦っていきたい」

Ｑ：浦和のサッカーはDFが上がっていくのが魅力だと思うが、今日のように最初から両サイドに張ってしまうと動きがなくなってしまうのでは？
「サイドのスペースはあったと思う。特に平川と森脇のところで、平川が斜めに落ちたタイミングで、空いたスペースに森脇がスプリントして入っていけば、そこから侵入できたと思う。ただ、そのためにはボールが出る前のタイミングで動かないと深く侵入できないし、うまくいかないので、そこは選手が練習でしっかりとやらないといけないところだと思う。真ん中は相手がケアしていたのでなかなか入っていけなかったが、もう少しサイドから１対１の状況でクロスを上げていかなければいけなかった。
我々の前の3枚の選手は高い位置をとっているので、クロスが入れば3人がぺナルティエリアに入っていける状況だった。特に前半はサイドにボールが展開されても、そこからバックパスや横パスが多かった。そこで1対1を仕掛けることができれば。サイドの選手はもっと勇気を持ってペナルティエリアに侵入していくことをチャレンジしなければならない」

Ｑ：1点を守ろうとして最後の最後で追いつかれたことについては？
「守り切ろうとすべて割り切ったわけではない。可能性のなかで得点しにいく姿勢は持ってやっていた。原口や梅崎など、そういうシーンは後半の最後の方で作れていたと思う。最後は守って１−０で勝利する、あるいはもう１点取って勝利することが狙いだったが、ただピッチの上では我々だけでなく相手もプレーしている。サッカーは簡単ではない。自分たちの狙いがすべてうまくいくわけではない。
この前、チャンピオンズリーグでチェルシーとバーゼルが試合をし、チェルシーが負けた。メディアから「ショックな敗戦だったのでは？」という質問が飛んでいたが、1年で20億以上稼ぐトップ監督のモウリーニョ監督は「ショックではない。サッカーというのは最後に勝ち、負け、引き分けが出るスポーツだ」と言っていた。日本は各チームの力が拮抗している厳しいリーグ。どういう結果が出てもおかしくない。昨シーズンはガンバ大阪が降格したが、信じがたい結果だった。昨シーズン、最も得点しているチームが降格したのは信じがたい出来事だった。今シーズンで言えば、磐田が降格しそうな状態にあるのもサプライズだ。浦和も2011シーズンに落ちかけた。そういう厳しいリーグなのです」

以上