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【J2日記】福岡:セルビアからやってきた新しい仲間(13.09.18)

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(C)中倉 一志

取材に応じるプノセバッチ選手

「日本はいいところだ。大好きだよ。最初はあまりにも暑くて大変だったけど、今はだいぶ過ごしやすくなったよ」。セルビアからやってきたブラティスラフ・プノセバッチ(愛称はプ二)は笑顔を浮かべながら話してくれた。今年の6月までルーマニアでプレーした後、単身でアビスパの練習に参加。なかなか加入の発表がされない中、右も左も分からない初めての日本でトレーニングを積む毎日は、我々が想像する以上にストレスが大きかったはず。けれど、そんなことを少しも感じさせずににこやかに取材に応じる彼を見ながら「いい奴だなあ」と心の中でつぶやいた。

彼を初めて取材したのは9月4日。第33節千葉戦の56分に途中出場してJリーグデビューを飾った3日後のこと。福岡のスポーツ情報を発信するために、私が仲間と一緒に運営している「INSIDE FUKUOKA」(Ustream配信 http://www.ustream.tv/channel/inside-fukuoka1309)という番組にビデオ出演してもらうために、インタビュー取材を行った時だった。

実はこの時、ちょっとしたアクシデントがあった。彼は英語が苦手で通訳が話す英語を正確に理解することが出来ず、自分の想いを伝えようにも英語を上手く使えないことが、取材を開始する段になって分かったのだ。筆談を交えながらゆっくり時間をかけてのコミュニケーションならともかく、一問一答のようなインタビュー形式で取材を進めることは無理だった。

しかし、放送はインタビュー取材を行った当日。はてさて、どのようにしたらよいのかと思案していると、広報担当が、びっくりするような提案をしてきた。
「中倉さんも英語が苦手と聞いたけれど、どうせ伝わらないのなら、苦手同士で、使える言葉でコミュニケーションを取ってみたら?その様子を配信しましょうよ。きっと面白いものができますよ」
いやいや、悪魔のささやきとはまさにこのこと(汗)。しかし、プ二は知ってか、知らずか、ニコニコ笑っている。これはもうやるしかない。

ところが人間の能力とは大したものだ。通訳の力を借りながらではあったが、知っている単語を並べるだけで、何となく伝えたいことが分かる。そして、何よりも驚いたのが、プ二が決して上手くはない(それでも、私よりもはるかに上手い)英語で、一生懸命話してくれたことだ。単語を並べるだけの短い会話を予想していた私に向かって、とにかく丁寧に、そして長く話してくれる。しかも、こちらの聞きたいことを類推しながら、いろいろと言葉を並べてくれるのだ。天皇杯2回戦で日本での初ゴールを決めた時も、親指を立てながら「トゥデイ、ゴール、ファースト」と声を掛けただけなのに、ファーストゴールの感想から、この日の試合の流れまで、記事として成り立つに十分なコメントを返したくれた。いやいや、本当にいい奴だ。

今シーズンも残り試合は9。彼にとっては、その実力を十分に披露するには多くはない試合数だ。しかし、第34節の横浜FC戦で見せたように、前線のターゲットとしてボールを収め、タイミング良くボールを散らしてチャンスを演出する姿は、十分にJの舞台で戦える力があることを示した。そして何より、これまで不足していた前線の高さがチームに加わることで、攻撃のバリエーションが増えることは間違いない。「(天皇杯で)ゴールしたおかげでチームメイトとのコミュニケーションが良くなったよ」と話すプ二。彼のゴールで勝利したら、こう話しかけよう。「ユアゴール、ビクトリー、コングラッチュレーション」。きっとプ二は、いつものように笑顔を浮かべて、いろいろと話してくれるに違いない。

以上

2013.09.18 Reported by 中倉一志
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