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【J2日記】熊本:1度は赤を着たファミリーなので。(13.09.18)

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(C)井芹 貴志

31節の北九州戦で寄せ書きを募っていたサポーターの小笠原さん

(C)井芹 貴志

33節の東京V戦で設けられたブース

(C)井芹 貴志

選手たちも思いを綴った。写真まで入った加藤竜二GKコーチのメッセージカード(手前)は、ひと晩かかったらしい

(C)井芹 貴志

サポーターからの激励のメッセージも多数

人とのコミュニケーションは顔を突き合わせて取るのがベストだけれど、遠い場所で離れて暮らしていたり、生活のリズムなど環境が違ったりするとそう簡単にはいかない。
だけど最近は便利なもので、Twitterやフェイスブックのアカウントを開けば知人や知人でない人ともつながれて、ネット上でコミュニケーションを取ったり、コミュニケーションはとらなくても近況が分かったりする。

熊本はつい最近、藤本主税選手がTwitterを始めた。ブログでは詳細な試合の振り返り記事を書いていて私もすごく勉強させてもらっているのだけど、Twitterでは素の人柄が伝わってきて楽しい。先日は「脇の部分にちょっとだけ汗をかいたシャツは洗った方がいいかな?」なんていう問いかけをして、フォローしているサポーターから一斉に「洗ってください!」とうリプライがきて洗うことに決めたようだ。北嶋秀朗選手や南雄太選手が藏川洋平選手につっこむ突き放したようなつぶやきも面白いし、黒木晃平選手と大迫希選手がやりとりしている様子や、ユースの選手たちが一般のサポーターと同じようにトップチームの結果に一喜一憂しているのも微笑ましく、タイムラインを見ていると原稿を書く指の動きがついつい止まる。

熊本は今リーグ戦では厳しい状況におかれているが、天皇杯2回戦の徳島戦、33節の東京V戦とホームで連勝して雰囲気は上向き。選手同士やスタッフも含めたチーム内、フロントのスタッフ、試合運営のボランティアスタッフ、そしてサポーターまで、SNSでつながって試合会場以外での接点が増えたこともあって、ファミリーみたいな一体感がある。それは過去に熊本でプレーした選手やコーチングスタッフたちに対しても同じで、J1でもJ2でも、讃岐や琉球や横河武蔵野といったJFLのカテゴリーでも、それぞれが頑張っている様子が分かるのもいい。

ちょっと前置きが長くなった。
先月、JFL時代の2006年からJ2に上がった2008年まで在籍し、今は東京の六本木でバーを営んでいる斉藤紀由さんが、自分のフェイスブックページとブログで悪性リンパ腫(血液のがん)を患っていることを公表した。この知らせもやはりTwitterやフェイスブックで広がって、仲間たちからたくさん励ましのコメントが寄せられている。

斉藤紀由選手は、仙台の下部組織で育って東京農大からFCホリコシ(その後のアルテ高崎)を経て熊本に加入したが、テクニックがあって攻撃でリズムを作れる存在だった。2007年と2008年には熊本で10番をつけてJ2入りに貢献してくれたのだが、そのプレー以上に、明るいキャラクターで人気を集めた。ファン感謝イベントではアフロヘアのかつらをかぶって吉本大輔マネージャーと一緒に踊ったり、得点後には小島よしおの「そんなの関係ねぇ」のパフォーマンスをしたりして(もっともこれはちょっと照れがあったようで、ジェスチャーが小さかったこともあって浸透してはいないのだが)、いつもチームを盛り上げてくれた。

そういう彼の人柄もあって、仲間たちがTシャツを制作して(→http://regista.or.tv/cart/r130828.html)治療費の一部に充ててもらおうと取り組んでいるようだが、熊本でも、紀由を支えようと選手やサポーターが動き始めている。
9月5日に行われた北九州との31節の再試合では、男性サポーターが色紙を持ってグルメ広場を歩きながら寄せ書きを募り、16日の東京V戦の前には、メッセージカードに激励の言葉を書いてもらうためのブースをサポーターが設けた。このカードを持って写真に写ってもらい、アルバムにして本人に渡すそうで、5年も前にチームを離れたにもかかわらず、この日だけで120人を超える人が言葉を寄せたらしい。一部を見せてもらうと、一緒にプレーした選手やコーチたちも丁寧に思いを綴っていて、吉井孝輔選手と福王忠世選手の字の綺麗さと、そして斉藤紀由という人間が仲間たちに慕われているんだなということが分かった。

「サッカーも上手かったですけど、面白いヤツっていう印象しかない(笑)。キャラも良かったし、いい選手でしたよ。店には行ったことは無いんですけど、東京で試合をやる時には見にきてくれたし。一緒にプレーした仲間やし、治療にもすごく費用がかかるらしいから、何か選手会でもできることがないかって、今話しているところ。とにかく早く良くなって欲しいです」(福王忠世)

ガンバレ紀由。離れていても、熊本のみんながついてる。

以上

2013.09.18 Reported by 井芹貴志
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