9月8日の天皇杯2回戦・カマタマーレ讃岐戦で、スタメンでの今季初出場を果たしたのがGKの大久保択生選手だ。巡ってきた出場チャンスにいろいろと思うところはあっただろうが、ピッチに立つと気負うことなくプレーしていた。讃岐の31分のアンドレア選手のグラウンダーのシュートを倒れ込みながらセーブし、33分のCKからの波多野寛選手のヘディングシュートもセーブするなど、無失点勝利(スコアは5対0)に貢献した。
その9月8日(日本時間)には2020年の夏季オリンピックの東京での開催が決定したが、思い起こせば大久保選手が2011年シーズンに千葉に横浜FCから移籍して加入したのは、2012年ロンドン・オリンピック出場を目指し、レベルアップを図るためだった。
横浜FC在籍時の大久保選手のプレーを見た時、相手選手との1対1の場面でシュートを何度も見事にセーブしていたのが印象的で、その点について千葉加入後に話を聞くと「僕は自分の間合いに相手を誘って自分が守りやすいようにシュートを打たせるという独特の守り方をするので、1対1でシュートをよく止めていると見られるのかもしれません」と言っていた。そんな選手としての個性を持つ大久保選手は、千葉に岡本昌弘選手、櫛野亮選手という実力のあるGKがいることは承知の上で、敢えて厳しいレギュラー争いに身を投じたわけだが、ベンチ入りはできても2011年シーズンの公式戦出場は天皇杯2回戦・デッツォーラ島根戦(スコアは1対0の勝利)の1試合のみ。2012年シーズンもやはり公式戦出場は天皇杯3回戦・SAGAWA SHIGA FC戦(スコアは1対1、PK戦7対6)の1試合のみで、結局、目標だったロンドン・オリンピック出場も果たせなかった。
それでも、いつ出番が来てもいいように、大久保選手は毎日の練習に全力で取り組み、時には明るい性格がよく表われた言動でチームメイトを笑わせ、励まし、和ませている。思うように試合出場が果たせない日々の時間の長さは精神的に相当つらく苦しいものがあるだろうが、記者と接する時はいつも笑顔で元気よく振る舞っている。
讃岐戦の試合後の大久保選手は目標だった無失点での勝利ということもあり、やはり笑顔で「久しぶりの公式戦出場だったので、味方に『択生、大丈夫か?』と心配されないように、最初は普通ならばパスをつなげられるかもしれない場面でも大きくボールを蹴ったりして、ハッキリしたプレーをするように心がけました」と、まずチームメイトを気遣ったプレーについて口にした。そして、この試合での個人的な収穫をたずねるとこう答えた。
「J2リーグ戦を見据えてフクアリでやれたのはイメージもつかめる。(鈴木淳)監督とか周りの人たちが僕のプレーを見てどう思ったのか分からないですけど、僕自身はそんなに悪くなかったと思います。もしも岡本さんに何かあったりとかチーム状況の問題でGKが代わったりすることがあっても、(自分は)できるんじゃないかという自信がつきました」。
現在の千葉の状況を考えると、岡本選手に負傷や病気というアクシデントがない限り、大久保選手がゴールマウスを守ることはないだろう。だが、そんな状況になった時には、常に盤石の準備をして「自分はできる」という自信を得た大久保選手が、ゴールマウスに無失点という鍵をしっかりとかけてくれるはすだ。
以上
2013.09.13 Reported by 赤沼圭子
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