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【J2日記】栃木:J史上最高齢の“2トップ”が誕生!(13.09.13)

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昨日、松田浩監督と南省吾強化部長が辞任を申し入れたことで、栃木SCのトップチームの体制変更が13日付けで発表された。新監督には取締役・シニアアドバイザーの松本育夫氏が就任し、新強化部長は元シニアアドバイザーの上野佳昭氏が務める。上野氏は2008年以来の現場復帰となる。松本氏が71歳、上野氏が73歳。栃木はJリーグ史上最高齢の2トップで、残り10試合を戦う道を選択した。松本氏は就任の席で、「厳しい守備の確立」と「運動量」をチーム再建の重要項目に掲げ、「11人で行うサッカー」を志向すると力強く表明した。
以下は会見に出席した中津正修代表取締役社長、水沼富美男代表取締役副社長、松本育夫新監督、上野佳昭新強化部長のコメント。

●中津正修社長:
「今日は大変お忙しい中、緊急のプレス発表にお集まりいただきありがとうございます。栃木SCは32節を終えた段階で、10勝10分12敗の現在14位という厳しい状況に立たされております。なかなか県民の皆様、また支援していただいているスポンサーの方々、株主の方々の期待に応えられないことに、まずお詫びを申し上げたいと思っております。
9月13日付けでございますが、強化部長の南省吾および、トップチームの監督であります松田浩の両名より現時点をもって辞任の意向がありました。よって取締役会を急きょ開きまして、2人の意向を汲んだ上で当クラブとしましては、2人の辞任を承諾するという決定をさせていただきましたので発表させていただきます。南強化部長の後任には現在内部においてシニアアドバイザーをお願いしている上野佳昭氏を、監督にはS級ライセンスという資格が必要でございまして、当クラブには現在2名の資格者がいるわけですが、その中の現取締役・シニアアドバイザーの松本育夫氏の2名に後任をお願いしました。残り10試合でございますが、なんとかこの緊急の場を乗り切るべく力を合わせて全力で戦っていくことを皆様にお知らせさせていただきました。
付け加えて申し上げますと、当クラブとしましてはリーグ中盤から勝点を挙げられていない状況が続いる中で、なんとか今シーズンは契約満了まで現トップチームの体制で行くように努力をして参りました。ですが、その努力が結果に繋がらないと言うことで、2名がそれぞれの立場で責任を感じており、辞任の意向があったことをお知らせいたします。クラブとしましても2人の堅い決意がありましたので、取締役会を開いた上でその意向について承諾するに至りました」

●上野佳昭強化部長:
「この度、強化部長を仰せつかりました上野佳昭でございます。よろしくお願いいたします。非常に厳しい現状です。当初の目標は20勝、勝点70での6位以内を最低目標に、今日まで進んできました。残り10試合しかない状況で、うちが10勝しても勝点は70です。上が10連敗ということがありませんから(6位以内は)不可能だと思います。ですが、これから強化を一生懸命やっていきますのでよろしくお願い致します」

●松本育夫監督:
「皆さん、こんにちは。いつも仕事をさせていただいている方と顔を合わせているので、この場で座るということがなんとなく照れてしまう年齢でございます。私としましても今のチーム状況を考えると、社長、副社長からのお話をいただいて快く仕事を引き受けることが私の仕事ではないかと。昨日、快諾をさせていだきました。
栃木で生まれ、栃木で育ち、そして最後の仕事が栃木ということで、本当に私にとっては遣り甲斐のある、人生最後の仕事になると思っています。それだけに覚悟を決めた仕事を行いたいと思っております。私自身は15歳でサッカーの道を志し、30歳で指導者になった。40歳になって惑わず。西ドイツに行きまして、指導者とはなんぞやという勉強をしてきました。50歳にして天命を知ると。たまたま50歳の時にJリーグが創設されまして、Jリーグに沿った人生を与えてもらいました。今年20年を迎えるJリーグで仕事ができる喜びがあったわけです。60歳にして耳従うと。これまでは指導者として、俺に付いて来い、という指導をしてきましたが、年齢が60歳になった時に選手の意見、コーチの意見を聞きながらチーム作りをした方がいいだろうと思いました。70歳にして心欲する所に従えども矩(のり)をこえずと。人の道に外れない仕事をしたいと思いましたけど、勝負事は水もので時に道を外れることもございますが、その覚悟を決めた次第でございます。ご承知の通り現在のチームは10勝しかしていないし、12敗をしています。先程、強化部長が言ったように勝点70を取るには10連勝が必要で、数字の上では可能ですが、現在の状況からすると非常に難しいと言うことでございます。そのチームを立て直すということになるわけでございます。自分なりにチーム作りをあと2カ月でやらないといけない。それは何かといいますと、県民に愛され、親しまれるチームを絶対に作らないといけない。それがこのクラブ全体としての考え方として植え付けていかなければいけないだろうというのが、ひとつございます。ふたつ目は、プロの選手が何かということが問われる時だろうと思います。私自身、栃木という土地が好きですし、育った場所ですから、昨年は随分と試合を観に来ました。その時には栃木の仕事の話は全くなかったわけですが、実際に栃木に来まして選手の試合を観る中で不足しているものがあると感じていました。それは何かと言うと、プロとして生き方というものを忘れているのではないかと。お客様、ファン・サポーター、あるいはスポンサーがいることで自分の生活ができていることを忘れているように感じます。感謝という気持ちが表に出ないといけない。それはなぜかと言えば、感謝という気持ちがあれば練習で手を抜くようなことができるはずがない。試合になった時に90分闘うことが選手の意思表示になると思っています。そのあたりが今、不足していると感じてならない。プロ選手として感謝する姿勢、そしてプレー面では基本を大切にする土壌を作らないといけないと思っております。その結果が勝利に結び付くと思って、チームを観ていました。
細かいことを言いますと、まず動けと。活動量に勝る戦術なし、ですね。今のサッカーで動く量を他の事でカバーできる物はありません。動く量があって初めて技術と戦術が発揮されます。そのためには、まず動くと。90分間、まず相手よりも動くことがベースになると思います。このチームは守備がベースになっておりますが、時間が過ぎて試合数が増える中で忘れていることがある。ボールを奪うということですね。そこからサッカーがスタートするんだと。相手のボールを早く奪い、そこから攻めがあると。それから今年、松田監督がパスサッカーということをやっていましたが、できるだけ早く動かす。ワンタッチプレーが多くなることを求めないといけない。それらをまとめますと、11人で行うサッカーという結論が出てくると思います。それを実現するにはFWとDFラインをコンパクトにしないと、ひとつのボールに参加する選手が少なくなります。非常にコンパクトなサッカーを11人で行うということを、これからの2ヶ月でやっていければいいなと思っております。私自身もまさかこのタイミングで監督をやるとは思っていませんでしたが、天命と思って、お前がやれという受け止め方をして、この仕事に入って行きたいと思います。
私自身はサッカーというもので人間を作っていただいたので、サッカーという物の素晴らしさを知って欲しい。それだけ素晴らしいものなので、その素晴らしさを指導者、選手が知る。そして県民の皆様にサッカーは素晴らしいなと理解していただく。そういう状況を育てられたら、私の仕事は全うできたと思っております。いずれにしましても、マスコミの皆様には栃木の情報を数多く県民の皆様に提供していただきまして、栃木SCのサッカーを応援しようじゃないか、という空気をぜひとも作っていただければと思う訳でございます。県民の皆様に、松本の仕事を応援しよう、あいつを応援しようというような情報を数多く送っていただきたいと心よりお願いしまして、私の挨拶にかえさせていただきます。この後の試合、あるいは練習で皆様とお会いできると思いますが、思う存分にお話をさせていただきたいと思っております」

Q:中津社長に伺います。松田監督からの辞任の申し出があった時期は?それに至るまでに話し合いがあったのか?確認として監督代行ではなく監督ということで、松本氏との契約期間は今季いっぱいという形で結ばれたのでしょうか?
「先日の試合終了後に監督と選手のミーティングがあり、試合の翌日の昨日に辞任の意向がありました。それで急きょ取締役会を開催しまして承認をさせていただきました。以前から監督の去就に関しては、色々な方から色々な意見がございましたが、クラブとしては現体制で乗り切りたいと考えておりました。その段階(監督交代)についてまで監督との話は、強化部長等を通じてクラブとしてやっておりましたが、こういった結論に至るまでにはいたっていなかったのが現実でございます。松本氏との契約は今季までで、正式に監督という形になります」

Q:中津社長に伺います。辞任という形になりましたが、J1昇格を狙う意味では、もう少し早いタイミングでの監督交代の可能性もあったのかな、という見方もあると思います。クラブとしてもっと早い時期に交代という決断はできなかったのでしょうか?
「なかったと言われれば、あったと思います。先程も申しあげたように、今季は最後まで松田体制で行きたいという強い気持ちが我々にありました。強化担当とも議論を重ねましたが、現実問題としてここまで来てしまったことに関しては、申し訳ない気持ちでいっぱいでございますが、やむを得なかったかなとも思っています。松田氏自身も非常に残念な思いでいると思います」

Q:選手にはどのタイミングで伝えましたか?
「選手の方には、私、副社長の水沼のほうから今朝の練習開始前に、時間でいうと9時半にトレーニングルームに全選手、コーチにお集まりいただき、社長がおっしゃったようなことを選手に知らせました」

Q:水沼副社長に伺います。その時の選手の反応はいかがでしたか?
「やはり選手も驚きを隠せない様子でした。中には涙を流す者、言葉には出さないが悲しんでいる選手が多々いました。そういう様子を見まして、松田監督はチーム作りの中で選手の信頼を勝ち得ていたんだなと思いました。ただ、監督自身も勝ちに結び付かない1、2ヶ月は、苦汁の日々を送っていたんだろうと。その結果が辞任という形になったと思っています。選手の中には本当に悔しさを感じている者がおりました。私の中で涙の意味を2つ見出しました。1つは選手として監督を勝たせて上げられなかったこと。もう1つは監督との絆の中で監督に去られてしまうこと。その両面を感じ取りました」

Q:中津社長に伺います。監督の人選に関しては、松本氏しかいなかったのですか?
「(S級ライセンス保持者は)上野優作(アカデミーダイレクター兼ユース監督)がおりますが、いかんせん彼自身経験がないということがありました。先程のご質問の中に、もう少し早い段階での交代という中で、物理的要因もないわけではありません。阪倉コーチ(裕二ヘッドコーチ)もS級の申請が終わっておりますし、(来季以降は)外部からの招聘もあり得ると思います。急な話で、昨日の今日ということで、松本新監督に委任するしかないという結論に至りました」

Q:阪倉コーチはS級ライセンスを持っていないと。
「昨日、承認はされました」

Q:中津社長に伺います。松本氏は現場にタッチしていない時期が長いですが、このタイミングで現場を任せることに対して不安などはありませんでしたか?
「私はプロの世界のチーム作りの詳細はわかりません。選手の心情、松本新監督の心情も分かりませんが、松本取締役との契約の段階ではチーム強化ということではなく、栃木SCを社会に対して、マスコミの皆様に対してPRすることでの契約でございました。ですから、残念ながらチームには直接タッチしていませんでした。松本新監督に関してはサッカーに対する強い思い、経験、栃木県民ということで栃木サッカークラブへの強い愛情を持っていますから、試合を見ながら分析をされていたように思います」

Q:どうしてもJ1昇格を果たしたいと臨んだシーズンでしたが、現在の成績になってしまった原因を社長と副社長はどのように考えていますか?
「(中津社長が)クラブとしてはJ1へ5年で行くと約束したと私も聞いております。その最終年度ということは事実ですし、松田監督との契約もそれを達成するために結びました。クラブとしてはかなり厳しい財政の中で、選手を強化したことは事実でございます。この戦力ならばなんとかいけるであろうと。我々が現実的にチームをコントロールするわけではないし、分からない部分は多々あり、それを監督に委ねるということからスタートして、この戦力ならばなんとかJ1へ行けるだろうと。サポーター、県民の皆様の期待になんとか応えたいという認識は、クラブ全員が持っていたと思います。では、なぜこういう結果になってしまったのかということは、これからの分析になるのではないかなと思います。パウリーニョの怪我もありましたが、それが全てではないと思います。それ以外の事は現段階では申し上げることができません。
(水沼副社長が)私はサッカーの経営に携わってから2カ月です。6月までは皆様と同じメディア側にいた人間でございます。5年の中で、集大成の中でJ1を目指すということで、ここ1、2年間で財政上選手強化に大変なお金をかけてきました。でも、結果が伴っていない。シンプルなことを言えば、皆さんがおっしゃるように夏場まではいいと。それが今年は顕著に出ていました。ただ、夏場から失速しました。色々な原因があると思いますし、社長が申し上げたように分析しないといけない。その中でも怪我人の影響が大きく、主戦力のパウリーニョの怪我は大きかったと思います。気持ちの面では、選手の勝利へのこだわりが希薄なのかなと。プレーを観ている中で素人なりには感じました。このことは今後、新監督、新強化部長が分析しながらやっていくことです。ぜひ皆さんにお願いしたのは、現時点で可能性は低いですが、消化試合に入っているわけではありません。可能性がある限りは、最後の最後までJ1を目指すと。これは私の方から松本監督、上野強化部長に諦めないでほしいと言うことはお願いしています。まだまだやる、ということでの監督、強化部長の交代ということをご理解していただきたいと思います」

Q:松本新監督に伺います。明日から練習を行うと思いますが、最初に選手にどんな言葉をかけますか?初戦となる札幌戦への意気込みも聞かせてください。
「負けが込むとメンタル面で沈む傾向にありますよね。もう一度、プロの選手というのはなんぞや、という意識を取り戻すことがひとつ。また、やはり少しずつ戦い方の基本を忘れていますね。今、副社長がおっしゃったように、もう一度メンタルも含めて、今年やろういうことをやり直そうということを話すつもりでございます。やはり一番、大切なのは気持ちの持ち方だと思います。プロの選手としてなぜ今、自分がこういう立場にいるのかが、戦力アップに繋がると思います。自分がなぜあるのか、今プロとして活躍、生活ができているのか。その原点をもう一度、見直す。そしてボールを奪う、動く量を増やす。原点に戻りたいと思います。
現場の方は阪倉にお任せする。もう何年も彼の方が現場をやっていますから。僕の方はコーチへのアドバイスをしたいと思っています。コーチを育てながら、全体を見て必要なことをコーチの方に指示を出す。直接、選手に指導しない方が、あと10試合はいいと思っています。ですから、今までの流れの中で本来の姿に戻す努力をしたいと思っております」

Q:トレーニングメニューを組み立てるのは阪倉コーチという認識でよろしいのでしょうか?
「必ず練習前に45分のミーティングを行います。その時に私の方から、今チームがこういう状況だから、こういう練習をしてみたらどうだ、こういうメニューを作れ、という指示はすると思います。阪倉に作ってもらい、それに合ったアドバイスをすると」

Q:コーチ陣で意見をすり合わせながらメニューを組み立てると。
「そうですね。僕がサガン鳥栖でJ1に上がった時が、そんな感じでした。ユン ジョンファンがS級ライセンスを持っていなかったものですから。ライセンスを取らせるために1年間、僕が監督をやりながら現場はユンに任せると。その経験がありますから、どう持っていったらいいのか把握しておりますので、それを活かしてチーム指導をしていきたいと思っております」

Q:試合の采配は阪倉コーチがするということですか?
「試合前のミーティングは私とコーチでやります。実際に指示するのは阪倉です。試合の中で色々なことが出てきた時に、阪倉こうした方がいいんじゃないかと、一本筋を通さないといけない。私と阪倉から2か所からの指示は絶対にやってはいけないこと。私の考えを阪倉に言わせる、やらせる考え方でいきたいと思っています」

Q:勝点をいくつまで伸ばすことを目指しますか?
「全力を尽くすことで勝ちが伸びてくると思います。それがスタジアムにお出でになったことに対しての行動だろうと思うんですね。感動して帰ってもらうことが仕事ですよ。そうしたら勝星も増えてくると思います。何勝という目標を持たせると選手に負荷が掛かると思います。1試合1試合、全力を尽くしてやっていくことで勝ち星を伸ばそうというのが、僕の考え方です。一生懸命やったら結果は付いてきますよ。そのチームをどう作るかですね。
今、お客様が停滞しています。どれだけお客様を呼べる選手になれるか。10月のガンバ戦は幸いにして満席でございます。そこで頑張ってもらい、やっぱりサッカーは面白い、また応援したい、という空気を作りたい。それをひとつの目標にしたいですね。来たお客さんを放すようではプロとしてはダメですからね。1万2千人入ると思いますが、それを放さない努力をしないといけないと思います。
今年見ていて選手の素材はいいですよ。何かヒントを与えれば必ず蘇ります。これからコーチとミーティングをしますが、それを引き出して、これをやったらこのチームが蘇るということを探して指導したいと思います」

Q:選手を蘇らせるポイントを、どう考えていますか?
「今ですね、勝つための試合をするには守備の確立というか、厳しい守備ができることが攻撃のチャンスを作ることになります。まずはファーストディフェンダーがボールを持った相手に激しいチャレンジができるかどうか。それと同時に周囲の選手がどう守備をするのかがポイントになります。それにプラスして、パスを出されたボールをもう一度追いかける。そうすれば、出された所が数的優位になるじゃないですか。そこで2人、3人の守備ができればいい。追い掛ける守備を追加したいと考えています。
選手は平等に扱いますが、我々の世界に公平はないですからね。11人しか試合に出られないわけで、そこは監督の仕事になります。コーチと話をして、出す選手を把握していきたいと考えています」

以上

2013.09.13 Reported by 大塚秀毅
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