今節を含め10節を残し、首位を走る横浜FMだが、順風満帆かと言えばそうではない。
前節8月31日の大宮戦で0−1と敗れ、続くヤマザキナビスコカップ準決勝第1戦で柏に0−4の屈辱の敗戦を喫した。ステージこそ違うが、2連敗と2試合連続ノーゴールは、ともに今季初。それに対し選手たちは「首位なのは事実だし、気にしない」(栗原勇蔵)、「ウチは、ちょっと負けたぐらいでバタバタするチームじゃない」(中町公祐)と平静を保っていたが、それを聞いている側としては正直、半信半疑な気持ちになってしまう…。今節は再び波に乗れるか、乗れないかのターニングポイント。今こそ“修正力”が試される。
首位チームに噛みつき、引きずり落とし、自らが優勝戦線のキャスティングボードを握ってやろうと、強い意志を持って臨んでくるのは、5位・C大阪。横浜FMとの対戦成績は昨年から2勝1分で、悪いイメージはない。約2か月前のホームでの対戦でも、南野拓実との爽快なコンビプレーから柿谷曜一朗がゴールをマークし、2−1。柿谷自身はこれで横浜FM戦は、3試合連続3ゴールを挙げたことになる。昨年7月のニッパツ三ツ沢球技場での対戦(1−1)では、彼が魅せたトラップからの振り向きざまのボレー弾。これはアイディア、技術が詰まった衝撃的な一撃だった。柿谷という選手は、やはり“何かをしでかす”引き出しを非常に多くもっているのが特色。見る側としては何が飛び出すのかワクワクするが、横浜FMの選手はそれを傍観するわけにはいかない。
横浜FMが「柿谷封じ」というミッションを完遂するには、(1)インターセプトを狙う、(2)トラップした瞬間を狙う、(3)前を向かせない、というサッカーのディフェンスの基本を忠実に90分間続けるしかない。
(1)は彼へのパスを寸断すること。前回対戦では「バイタルエリアを空けてしまった」(中澤佑二)ため、勢いあるC大阪の攻撃をもろに受けてしまった。バイタルエリアへの門をビシッと締めて、柿谷へのパスを通させないのが一番の対処法だ。
(2)の状況でのボール奪取は難しいか。トラップした瞬間は一瞬足からボールが離れるわけで、そこを狙えというのがセオリーだが、柿谷のトラップは周知のとおり、秀逸で隙がないからだ。
最後の(3)は、前記の昨年の反転ボレー弾のようなゴールを決められないためにも必要な守備。また、先週のヤマザキナビスコカップでの失点シーンでも、柏のFW田中順也のシュートも巧みだったが、発端となったのは彼に前を向かせてしまったことだと思われる。「(柿谷に)3試合連続で決められているが、今回は必ず止める」と闘志を口にした栗原と中澤の出来が、勝敗を左右すると言っても過言ではない。
J1チーム相手に2戦連続無得点の横浜FMの湿った空気を変えそうなのが、柿谷と同じく日本代表に選出された齋藤学だ。齋藤と柿谷と言えば2007 FIFA U-17ワールドカップに出場した同志。昨年のロンドン五輪代表には齋藤が選出され、柿谷は落選したが、今や柿谷は日本代表の1トップに君臨する。齋藤は柿谷を「天才です」とリスペクトするが、ライバル心を内に秘めているはず。普段以上に熱のこもったドリブルで、ゴールの活路を切り開けるか。
以上
2013.09.13 Reported by 小林智明(インサイド)
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