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【第93回天皇杯 2回戦 浦和 vs 栃木ウ】レポート:若手中心で臨んだ浦和、栃木を下し3回戦へ(13.09.12)

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ジャイアントキリングは起きなかった。浦和はJFLの栃木ウーヴァを2ー1で退け、3回戦に駒を進めた。

浦和は普段のメンバーから大幅に選手を入れ替えてきた。柏木陽介、原口元気、阿部勇樹など多くのレギュラー陣を温存する一方、野崎雅也、永田拓也らこれまで出番に恵まれなかった選手を数多く起用した。
馴染みのない陣容で臨んだ浦和だったが、それでも立ち上がりからペースを掴んだ。浦和独特のスタイルに戸惑う栃木を序盤から攻め立てると、23分にはマルシオ・リシャルデス、阪野豊史、梅崎司とつないだボールを小島秀仁が「いいボールが来たので押し込むだけだった」とゴールにねじ込んだ。
42分には、マルシオ・リシャルデスが自ら得たPKを冷静に沈め、前半で2点のリードを奪った。慣れないメンバーで戦っている浦和はイージーなミスがいつもより目立ち、コンビネーションの質も高いものとは言えなかったが、それでも局面では相手を凌駕するプレーを見せた。

ところが後半に入ると、少しずつ雲行きが怪しくなっていく。ボールを握る展開は続いたものの、ミスからピンチを招いたり、マークが緩くてアタッキングサードへの侵入を容易に許したりする回数が増えた。やはり普段は試合に出ていない影響は大きく、選手たちの運動量が減少。特に守備に回った時の切り替えが鈍く、ポジショニングの粗がどんどん目立つようになっていた。
すると64分、栃木は若林学が右サイドからボールを運んでクロスを入れると、市川稔が右足で同点ゴールを決めた。浦和はファーサイドで市川ともう1人を完全にフリーにしており、緩慢な守備対応のツケを払う形となった。

しかし、攻撃ではまずまず形を作っていく浦和。失点直後の66分には梅崎がポスト直撃の決定的なシュートも放った。しかし運動量が落ちたことで、時間の経過とともに守備はますます雑になっていき、ゴール前で簡単に2対3の数的不利を許すシーンが増えていった。だが、それでも要所では相手の攻撃を抑えた。

浦和は順当に勝利を収めた。ただ、1点差という結果を見てもわかるように、トップレベルで戦う者としての矜持を示せたとは言いがたい内容で、ペトロヴィッチ監督の指摘も厳しいものになった。
「我々は残りのシーズン、非常に大事な2カ月を迎えるが、今日の試合を見たなかではっきりとわかったことは、その2カ月を13人くらいのフィールドプレーヤーで戦わなければいけないということ」

レギュラーと控えには大きな差があるという指揮官の指摘はおそらく正しい。ただ、出場機会に恵まれず試合勘が欠如したなかで慣れないメンバーと戦った今回の選手たちに、ずっと同じメンバーで長い時間戦ってきた主力組と同じ水準のプレーを求めるのは酷な話でもある。
だが現実問題として、控え組の選手たちはその厳しい条件のなかでレギュラー組を脅かせるだけのパフォーマンスを見せていかなければ、今の立ち位置を変えることはできない。現状を打破するためには、普段は試合になかなか出られない分、ピッチ外でも高い意識を持って取り組んでいく必要がある。野崎も「練習、練習試合以外でも突き詰めないといけない」と力を込める。
浦和が安定した成績を残していくためには、下からの突き上げは必要だ。競争はチームを活性化させる。槙野智章も「普段出ている選手を脅かすくらいでないと、自然と競争も生まれてこない」と競争を歓迎する。切磋琢磨してチーム力を向上させていくためにも、控え組の奮起に期待する。天皇杯という貴重な出場機会を生かし、ステップアップのきっかけを掴みたい。

一方、敗れはしたものの、栃木にとっても今回の一戦はいい経験になったはずだ。相手がベストメンバーでなかったとは言え、カテゴリーが2つも上のチームに対して何度かチャンスを作れたこと、実際に1ゴールを奪えたことはチームの糧になるに違いない。「今日の経験をJFLに持ち帰って結果を出していければ」と指揮官もさらなる成長を誓っていた。

以上

2013.09.12 Reported by 神谷正明
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