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【J2:第26節 栃木 vs 愛媛】レポート:データを覆した愛媛がアウェイで11試合ぶりの勝利。栃木は意思統一ができずに連敗、プレーオフがさらに遠退いた(13.09.12)

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雷雨延期による代替試合を制したのは、アウェイで分の悪かった愛媛だった。
「後半はセカンドボールを拾えずに押し込まれて苦しかったけど、DF陣もそうだし(GK秋元)陽太もビッグセーブしてくれた。点を呼び込んだ僕らよりもピックアップされるべきだと思う」
そう守備陣を讃えたのは、虎の子の1点をアシストした河原和寿。愛媛は粘り強く1点を守り切り、クロスゲームを勝ち切った。一方、延期された試合は過去2戦2勝と負けなしだった栃木。自分達に有利なデータを覆され、愛媛にアウェイで11試合ぶりの勝利を献上してしまった。11も開いている6位・京都との勝点差を縮める絶好機を逸した。

「失点して目が覚めるようでは遅い。今年はそれで何度も試合を落としている。終盤にまた同じことをしてしまった。悔しさしかない」
無念の思いを吐き出したのはGK鈴木智幸。4日前の天皇杯2回戦では先行される展開ながら逆転に成功したが、大量得点を望めない栃木が2試合続けて逆転勝ちするのは容易ではなかった。前半20分、山形辰徳のクリアミスから河原和寿に裏を突かれ、左サイドからの折り返しを逆サイドに走り込んだ加藤大に叩き込まれてしまう。

失点の直接の原因は大きくクリアすべきところで、的確な判断ができなかったことにある。しかし、「その前にも2つ、3つ失点に繋がってもおかしくない、ディシプリンに欠けたプレーが散見された」(松田浩監督)。栃木は一戦必勝で愛媛戦に臨みながら、序盤から「スローインの部分とか球際の部分は少し緩かったのかな」と高木和正。立ち上がりのツケが、前半中盤の致命傷に繋がったと言える。「栃木のセットプレーは、J2でもかなり強いと思う」とGK秋元が言うように、失点後に赤井秀行、本橋卓巳、そして廣瀬浩二がゴールに迫った。ところが、開始5分に西岡大輝がCKからヘディングを決め損なったのと同様に、ゴールネットを揺らせなかった。

前半の流れを後半に持ち込んだ栃木。ようやくピッチコンディションに合わせた、ロングボールを多用したサッカーを遂行できるようになる。セカンドボール争奪戦で優位に立つと、次々と拾ったボールを両サイドに散らしてクロスの雨を降らせた。圧倒的に攻め込んだ栃木だが、愛媛の集中力は最後まで途切れることなく保たれた。まるで1つ前の試合(第32節)で対戦した徳島のように。ゴール前で体を張る姿勢と気迫は栃木を凌駕した。特にGK秋元の好守は際立っていた。

下位グループから一歩抜け出す勝利を得た愛媛だが、「僕等にホッとしている時間はない。1試合1試合勝点を取らないといけない」と守護神・秋元は気を引き締めた。また、石丸清隆監督は選手の頑張りを労いつつ、「本当はもっとボランチを使ってボールを動かしても良かったのではないか」と注文をつけた。主導権を握られながらも今回は逃げ切れたが、本来は攻撃的なスタイルを標榜しているだけに、防戦一方の展開は本意ではない。いかに悪い時間帯を減らせるか。それがアウェイ連戦となる鳥取戦(9/15)で勝機を引き寄せるポイントになるのではないだろうか。「下位との対戦なので突き離すチャンス」(河原)を確実にモノにしたい。

栃木の敗因は攻守両面における意思統一の欠如にある。失点シーンも同じ絵を描けていれば、人数は足りていただけに防げたはずだ。また、「もっと前半からやれたはず」と異口同音に選手達が口にした、試合の入り方にしても然り。スカウティングとミーティングで確認したことを具現化できなかったのは、イメージの共有がなされていなかったからに他ならない。天皇杯では賢く戦ったことで次のラウンドへ進出できたが、リーグ戦では置かれた状況に最適な選択ができずに苦杯を舐めた。残りの試合数を考えると、J1昇格プレーオフに進む道は険しさを増した。1つも負けられない。その言葉が重くのしかかる。

以上

2013.09.12 Reported by 大塚秀毅
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