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【第93回天皇杯 2回戦 京都 vs 佐川印】レポート:地力を見せた京都が快勝! だが、佐川印刷の果敢なプレスに、反省点も出てくる試合に(13.09.09)

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西京極で行われた2回戦、京都と佐川印刷の対決は、京都が4−0で地力の差を見せた。京都は、GKに公式戦初出場となる児玉剛を起用。他にも三平和司など先発起用した。

試合は、佐川印刷が、「しっかり前線からプレスをかけて、高い位置でボールを奪って、まずはショートカウンターを狙うプランでゲームに入った」(伊藤健一監督)と、素早く連動したプレスをかけ、京都の自由を奪った。ただし京都も、17分に山瀬功治がサイドから中央に入りボールを引き出しフィニッシュにつなげるなど、四苦八苦という程でもなかった。
決定機は35分、佐川印刷が奪ってから右へ展開。1人かわして切れ込み、マイナスへパスを送ると、藤本憲明がシュート。これは京都GK・児玉が落着いて防ぐ。44分にも、佐川印刷のFKからのシュートを児玉がファインプレーで防ぐシーンもあった。

後半も、先に決定機を作ったのは佐川印刷。FKから佐藤和馬が頭で合わせ、叩きつけるシュートを放つも、これも児玉がかき出す。すると58分に京都が反撃に出る。福村貴幸から左サイドにいた駒井善成へ送られると、駒井がドリブルでエリア内左に侵入。ここで相手DF3枚を翻弄するとマイナスへ送る。これを飛び込んできた工藤浩平が決めて、京都が先制した。
だが、佐川印刷も反撃。左サイドへ展開すると、最後はエリア内左で大槻紘士がシュート。だがこれはポストに弾かれる。佐川印刷の一番の見せ場だった。
逆に京都。67分、右サイドで安藤淳から、裏に走る駒井へ送られると、駒井が切れ込んでクロス。これをファーで合わせたのがまたもや工藤。工藤の2ゴールで京都がリードを広げる。
これで落着いた京都は、ゲームを支配し始めた。83分、裏に抜けた三平より先にGKに触られるも、こぼれたボールを相手が高く自陣へ向かってクリア。これをGKと交錯しながらも三平が頭で押し込み、3点目。さらに87分に、京都は左から右へ展開し、右の端の駒井からのアーリークロスに、またも三平が飛びこんで、自身2点目を決める。結局4−0で京都が快勝。3回戦へ駒を進めた。

試合後、佐川印刷の伊藤監督は、京都に対して、「一番注意をしなくてはならないのは、抜け出してくる選手が何人もいるので、そこの背後のケアをしっかりすること」と選手に伝えていたことを明かした。前半は、勤勉にプレスを仕掛け、京都の自由を奪っていた。だが後半、「モビリティが前半よりも落ちて来た」とプレスがかからなくなったと話した。
個人的には、後半に佐川印刷が落ちたというよりも、前半は京都の前線のアクションが少な過ぎたように見えた。それが後半になり増えたから、佐川印刷が下がらざるを得なくなったという感じを受けた。

先週の熊本戦で、前半から京都の攻撃は冴えていた。たとえば前半、染谷悠太から前線の原一樹へパスを送り、原が絶妙なトラップから相手に当ててCKにした場面があったが、何よりも原が相手陣内のスペースへアクションを起こしたことが素晴らしかった。だから染谷がパスを出せたのだ。同様に、駒井も前半から裏へ飛び出すアクションを3度ほど起こしていたと思う。それらの動きがパスを引き出し、ボールを前に運ばせたと思っている。
それが今回の佐川印刷戦の前半には、ほとんどなかった。例えるなら凪。京都の攻撃がうまくいっている時は風が吹きまくる印象だが、停滞するとその風がピタッと止まる。ショートパスをつないでも、アクションがないから風がそよそよとした心許ない感じだ。それがこの日の後半からは、風が吹き始める。相手が落ちて来たというよりも、京都の攻撃の仕方ではないか。
大木武監督が前半の戦いぶりに「一番大きかったのは、最終ラインをブレイクできなかったこと」と試合後に明かしていたが、そこの部分のような気がする。
そこを掘り下げると今回の試合、目立ったパスの出し手は安藤と福村で、中盤中央ではなかったと思う。出し手はサイドで、アクションは裏。アクションがなければサイドからのクロスになる。これが前半の京都の戦いぶり。中央からボールを前に運んでいく印象はなかった(それがダメだ、ということでない)。
大木監督は試合後、三平への質問があったために「入り方の工夫」ということを口にしたが、それがあったとしても中央からパスが入ったかは疑問である。それほど、中盤でパスを出せる状況が整っていなかった印象がある。ただこれは出し手の問題なのか、前線のアクションがないから出せなかったのか。また、熊本戦は前半から見ていてワクワクするくらい攻撃の風が吹いていたのに、今回の前半は止んでしまっていた、その理由についても今後検証が必要かもしれない。
守備では、中央のマークは不安定に見えた。端的に言えば「後半の大槻の決定機のマークは誰なのか」となる。ディフェンダーなのか、中盤なのか、チーム内の決めごともあるだろうが、こうしたマーク外れはあったと思う。

快勝は素晴らしいことで、どの得点も素晴らしいものだった。だが、快勝というのは内容の反省点も隠してしまう。京都の反省点のほとんどが、ミスや相手云々よりも、やるべきことをやらなかったから、となるような気がしてならない。

以上

2013.09.09 Reported by 武田賢宗
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