15時06分のキックオフとあり、暑さが心配されたが試合開始時刻の気温は27.2度。夏場ほどの気温の上昇はみられない中でキックオフを迎えた『ガンバ大阪vsFC今治』戦。今治は愛媛県を拠点とするクラブとあって、関西までそこまで遠くはないからかゴール裏のみならず、メインスタンドにも揃いのTシャツを着た今治ファンの姿が。昨年と同じく『ジャイアントキリング』を期待して大きな声援を送る。

ガンバ大阪は日本代表MF遠藤保仁、DF今野泰幸が欠場となる中で、MF今野の抜けたDFラインにはDF丹羽大輝が久しぶりの先発出場。またMF遠藤の抜けたボランチにはMF明神智和が、前線にはMF二川孝広やMF阿部浩之、FW平井将生が久しぶりの先発出場を飾る。
立ち上がりからガンバ大阪ペース。ワンサイドゲームといっていいほど、相手陣内でボールを支配すると、MF二川やFW宇佐美貴史を軸にパスを繋ぎながら、かつ「真ん中に人が密集していたこともあってサイドから崩そうという意識があった（藤春廣輝）」という狙いのもと、左右両サイドを使いながらゴールを目指す。

だが、常に９人で堅くゴール前を固めた今治の守備をなかなか切り崩すことができず、焦れる時間が長く続く。均衡を破る先制点は44分。左サイド、MF二川からのクロスをMF阿部がヘディングシュート。クロスバーを叩いたボールを、MF明神がヘディングで再び中に折り返し、FW平井がボレーシュートを叩き込む。再三のピンチを迎えながらGK山崎史登を中心に身体を張った守備を続けてきた今治にとっては、前半終了間際の悔やまれる失点。更に言えば「前半なんとか粘りながら後半に点を獲るという風に描いていたプランがあったが、先手を許しリスクを負ってでも出ていかなければいけない状況になったのが残念（木村孝洋監督）」との言葉通り、描いていたゲームプランが崩れたことも誤算だったはずだ。結果、1-0とＧ大阪がリードして前半を折り返す。

Ｇ大阪のシュート数12に対して、今治は２と、その数字からも圧倒的に試合を進めた前半だったが、Ｇ大阪が奪ったゴール数はわずかに１。その反省から、Ｇ大阪にとっては作り出したゴールチャンスをいかに得点に結びつけるかが課題とされた後半。FW平井に代わってFWロチャがピッチに立つと、一気に試合が動く。まず投入からわずかに１分後の66分。左サイドのMF宇佐美からのクロスをFWロチャが頭で合わせ追加点を奪うと、更にその1分後にも再び、MF宇佐美とのパス交換から最後はFWロチャが右足で決め、3-0。一気に今治を突き放す。

この状況に今治も動き、前線にフレッシュな選手を投入しつつ、「トップのFW岡本剛史にボールが回ればチャンスが生まれる（木村孝洋監督）」との狙いのもと、何とかエースにボールを集めようとするが、攻撃を構築するための過程においての精度を欠き、なかなか前線へとボールを運べない。かと思えば、前がかりになることによって生まれるスペースをつかれてＧ大阪の攻撃にさらされるといった状況が続く。加えて、86分にはDF丹羽にヘディングシュートで、89分にはMF宇佐美貴史に右足での強烈な一発を浴びせられ点差は広がるばかり。アディショナルタイムにはようやくFW岡本がシュートチャンスを得るものの、ゴール前中央から放たれたシュートは威力なくGK藤ヶ谷陽介が難なくセーブし試合終了。Ｇ大阪が３回戦へと駒を進めた。

以上

2013.09.09 Reported by 高村美砂