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【第93回天皇杯 2回戦 栃木 vs 福岡】レポート:賢く戦った栃木が福岡に5ゴールで快勝。3カ月ぶりに「県民の歌」がスタジアムに響き渡った。(13.09.08)

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グラウンドコンディションと、相手の戦術に適したサッカーを展開する賢さを見せた栃木が、2回戦を突破して次のラウンドに駒を進めた。ホームの“グリスタ”に凱歌「県民の歌」が響き渡ったのは、6月8日のJ2第18節の福岡戦以来。「サポーターだけではなく、観に来てくださった皆さん全員に目の前で勝ち試合を見ること、たくさんのゴールが入ったことを喜んでもらえた」と話した松田浩監督は、ようやく勝利を届けられたことに安堵の表情を浮かべた。一方、大量5失点を喫して敗れた上にマリヤン・プシュニク監督が退席処分を受けた福岡。トーナメントを勝ち上がる権利を喪失し、深い痛手を負ってしまった。直近の3試合で13失点。このダメージがリーグ戦に尾を引かなければいいのだが。

リーグ戦から栃木はスタメン11人全員を、福岡も8人を入れ替え、この一戦に臨んだ。試合は早々に動いた。立ち上がりに奪ったCKの流れから船山祐二が上げたクロスを、ニアサイドでプノセバッチが合わせて福岡が先手を取った。いきなり後頭部をガツンと叩かれた栃木だが、失点のショックを引きずることなく、受けに回らなかったことが奏功する。前半10分に菊岡拓朗の右足から同点弾が生まれたのだ。相手GKの逆を突く、遊び心に溢れた菊岡の直接FKが形勢を変えた。
「そこが全てだったと思う。拓朗さんがFKを決めてくれたことで、チームが冷静になれた」
そう西岡大輝が述懐するように、栃木は置かれた状況に的確に対応した。ポゼッションが困難なピッチコンディションと、相手のハイプレスをかいくぐる策として用意した「4‐3‐3」の利点を活かしたのだ。左ウイングの湯澤洋介と右ウイングの勝又慶典にボールを集め、そこを起点にサイドから果敢に攻撃を繰り出しては福岡ゴールに迫った。ハードコンタクトで強引に主導権を握り直そうとした福岡を栃木は上手くいなし、自分達の意図したプランへと引きずり込んでいった。

流れを掴みながら迎えた後半10分、今度は得意のショートカウンターが炸裂した。勝又が自陣から運び出し、菊岡を経由したボールは近藤祐介に届き、近藤が内へ返したクロスを湯澤が流し込んだ。地元出身の湯澤のホーム初ゴールを目にできたファン・サポーターは、この上ない幸福感に身を包まれたに違いない。ピッチの幅を有効利用して逆転に成功した栃木は、両ウイングが絡む形で3点目も手にする。左から湯澤がドリブルを仕掛け、ボールは右の勝又へと渡り、最後は近藤が勝又のクロスを頭で叩き込んだ。何度か冷やりとした場面があったものの、GK鈴木智幸の果敢なセービングなどで難を逃れた栃木。アディショナルタイムにはサビアと菊岡が立て続けにゴールネットを揺らし、終わってみれば(公式戦)今季最多の5ゴールで福岡を退けた。

「しっかり我慢できなかったところと、止める所で止められなかったことに尽きる」と、敗戦の責任を背負ったのはGK笠川永太。確かに幾つかの判断ミスがあったのは事実である。だが、それだけが全てではない。福岡は前節のリーグ戦、対千葉戦(3‐4)と同様に、先制点を勝利に結び付けられなかった。電光石火の一撃で栃木に精神的ダメージを与えながらも、そこから嵩にかかって攻めることができなかったことが響いた。メンバーが大幅に変わったことによる難しさもあったのだろうが、全員が同じ絵を描けていたシーンは数えるほど。リーグ戦に向けて攻守両面での修正が求められる。

「サブで聴くのと、自分が勝利に関わった状態で聴くのとでは、全く違う」
巡って来た移籍後初となる先発の機会でアピールに成功した勝又は、サポーターと共に「県民の歌」を歌い、共に歓喜を分かち合えた喜びをそう語った。福岡戦では勝又のみならず、普段は控えの選手が躍動したことで勝利を手繰った。「サブの選手で勝てたことで、いい意味で競争意識が出ると思う」と語った菊岡も、その一人だ。中3日で挑む愛媛戦に向けて、スタンドで観戦していたレギュラー組は刺激を受けたはずで、天皇杯を戦ったメンバーは掴んだチャンスを手放すまいと練習に取り組むことだろう。限られた時間の中で切磋琢磨しあうことで愛媛に勝つ確率を、14位からのプレーオフ進出(6位以内)の可能性を少しでも高めたい。

以上

2013.09.08 Reported by 大塚秀毅
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