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【第93回天皇杯 2回戦 新潟 vs 新経大】レポート:初の新潟県勢対決はシーソーゲーム。新潟が、粘る新潟経営大学を延長で振り切る(13.09.08)

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アルビレックス新潟が延長の末、4-2で新潟経営大学を下した。前半22分にレオ シルバがフリーキックを直接決めて先制するが、後半36分に追い付かれて延長へ。延長の前半2分にリードを許したものの、5分に田中亜土夢、6分に本間勲のゴールで逆転した。

表情には、喜びはもちろん、安堵感もなかった。試合後の新潟の選手の表情は、敗者と間違われても仕方ないほどこわばっていた。

まさかの延長戦、一時はリードを許す、思いもよらない展開。試合後、新潟のゴール裏にあいさつに訪れた新潟経営大学の選手たちに、新潟サポーターから大きな拍手とコールが送られた。その直後、新潟の選手たちには厳しい叱咤の声が飛んだ。

「難しい試合にしてしまった」。決勝点を挙げた本間にも笑顔はない。延長に入り、運動量が落ちた相手に対してゴール前でスピーディーにパスをつなぎながら、最後は本間がゴール。新潟らしい走力を生かした得点だった。

シュートは120分で17本。90分間では12本、前半だけで8本放った。フリーになりながら枠を外す、シュートチャンスにボールを持ちすぎて相手に寄せられる。「最後の精度が課題。決めるところをきっちりと決めないと、こういう試合になる」。田中亜土夢がこう言ったように持ち味のアグレッシブさを失ったプレーが苦戦を招いた。

もっとも、カテゴリーが下の相手とはいえ、きっちりと逆転したことも事実。延長前半の開始2分、ロングパスで裏を取られ、リードを許した。相手にとって、得点するための限られた戦法の1つにはまった。

動揺してもおかしくない状況だったが、焦って前がかりになることはなかった。「時間はあるので落ち着いて、自分達の形を作ろうと思った」(田中亜)。リーグ戦第22節川崎F戦、続く磐田戦と、8月は2試合連続逆転勝ちを収めた。その土台にあった冷静さは、苦戦の中で生きた。

柳下正明監督は「いつもやっていることをやらないと、こういうことになりえる」と、選手に反省を促した。同時に「次に進めたのはいいこと」と、1発勝負のトーナメントで、結果を残したことは評価。自分たちの戦い方を貫くことの重要性を確認し、次週はリーグ戦に舞台を戻す。

新潟から笑顔を奪ったのは、新潟経営大学の勇敢な戦いぶりだった。「一桁失点で、1点取ればうちの判定勝ち」。試合前、杉山学監督は実力差をこう表現した。実際は指揮官が予想していた内容を大きく上回った。「臆することなく、最後まで戦い抜いた。褒めてやりたい」。杉山監督は選手たちをたたえた。

守りに入ることなく、動いてボールをつなぐ。プレッシャーも休まずかける。「アルビのセンターバックを裏返しにするプレーができれば」(杉山監督)という思惑に応えるように、カウンターから裏を狙う攻撃を繰り返した。一時勝ち越しとなった、延長前半2分の中村太一のゴールは狙い通りにロングボールから裏を取ったもの。一泡吹かせることはできなかったが、持っている力は十分に発揮した。

新潟県のサッカー関係者にとっては、悲願とも言える県勢同士の天皇杯対戦の実現。目標にされたクラブ、追いかけるチームともに、プラスに捉えられる要素があった一戦だった。

以上

2013.09.08 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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