第93回天皇杯は2回戦に入り、Jリーグ勢がトーナメントに加わる。形上は横浜FCがホームの扱いとなるゲームとなるが、ツエーゲン金沢のホームスタジアムである石川県西部緑地公園陸上競技場で行われるこの試合は、J2への参入を目指すツエーゲンにとって、クラブの力を試す絶好の試合となる。そして、横浜FCは「J2とは違った。タイトルが掛かった試合」(山口素弘監督)として、勝利のスタートを期する試合となる。
ホーム扱いとなる横浜FCは、15回目の天皇杯出場となる。昨年は、横浜で行われた第3回戦の横浜F・マリノス戦、いわゆる「横浜ダービーマッチ」で敗戦。中村俊輔のスーパーFK2発に屈する形になったが、内容の点では互角以上のサッカーを見せた。その内容で得た自信は、昨シーズンのJ2での躍進の原動力となった。横浜FCは、この天皇杯に臨むにあたり、昨年の悔しさを晴らし昨年以上の成績、さらに冒頭の山口監督の言葉にあるように新たな「タイトル」を目指すという位置づけで、この天皇杯に臨む。山口監督が「天皇杯に向けて特別に伝えることはない」と語っていように、J2のゲームと全く変わらない姿勢でこの2回戦を戦う。それは、いつものように、前々日の金曜日の練習を完全非公開にしたことでもうかがえる。
横浜FCのチームスタイルは、しっかりボールをつなぎポゼッションをしつつ、タイミングの良い縦パスでスピードアップを図り、相手の守備陣形を崩していく。今シーズンのJ2では、そのスタイルを出せない試合も見られたが、ここ数試合は原点回帰とばかりに、これまで磨いてきたパスワークが復活してきている。特に、この2試合は、三浦知良、永井雄一郎といった世界を知るベテラン選手が、試合の立ち上がりからチームのポゼッションと落ち着きを与える仕事を着実にこなしている。この2回戦は、この数試合で取り戻しているスタイルを継続できるが大きなテーマとなる。そして、もちろん一発勝負のトーナメントだけに、確実に勝利を挙げて次に駒を進めたい。
対するツエーゲン金沢は、7回目の天皇杯出場。現在JFL4位でJ2入れ替え戦圏内の2位までは残り10試合で勝点差8という状況。現在J2ライセンスの審査中であり、今回対戦する横浜FCが所属するJ2は、目の前の目指すリーグそのものだ。そのため、この試合は、天皇杯というタイトルを目指すだけではなく、J2チームに勝利することでJ2の姿をより鮮明に捉え、残りのJFLのゲームでの躍進に繋げるためにも重要な試合となる。特筆すべきは、24試合で42得点という得点力。第1回戦の富山新庄クラブ戦も、合計33本のシュートを浴びせ、ゲーム自体を完全に掌握して6-1と圧勝した。この試合でハットトリックした清原翔平は、昨年の天皇杯第2回戦、SAGAWA SHIGA FCで出場し、J1の神戸を破る決勝点を挙げている。今年もJリーグのチームからのゴールを狙っているはず。第1回戦のハットトリックは、こぼれ球を冷静に決めた2本と、ペナルティエリア外からの良く押さえてコントロールさえたもの。JFLでもチーム得点王で、アタッキングサードでの冷静さが光る、乗っている清原には要注意だ。
横浜FC、ツエーゲン金沢の両チームは、ともにボールを繋ぎ、パスワークで勝負するチーム。それだけに、好ゲームになることは間違いない。金沢のサッカーファンに「Jレベル」の好印象が残るゲームを期待したい。
以上
2013.09.07 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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