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【ヤマザキナビスコカップ 川崎F vs 浦和】プレビュー:アウェイゴールを怖がらず、ホームの地の利を活かして先勝したい川崎F。攻撃的な試合を期待(13.09.06)

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あのリーグ戦の結果は忘れるべきだろう。浦和をホームに迎え、行われた第16節。開幕から15試合連続失点の川崎F守備陣が、15節終了時点でリーグトップの得点力を持つ浦和の攻撃陣を封じ込め、大量4得点を手にして勝利したあの試合である。前半だけで3得点を積み重ねた試合は、大久保嘉人のJ1通算100得点が決まることで、まさにお祭り騒ぎの様相を呈していた。ただ、あんな試合が続くとはとても思えない。そもそも浦和は24節終了時点でリーグ戦2位に付ける強豪である。「楽な相手だ」との先入観は捨て去るべき。また彼らは、前回の屈辱的な大敗を挽回すべく、歯を食いしばってこの試合に臨むはず。中村憲剛の「リーグ戦の4−0の勝利は忘れました。あれは忘れた方がいいと思います」との言葉や、稲本潤一の「ここまで勝ち上がってきたチーム同士ですしタイトルを狙える位置にいますから厳しい戦いになると思います」との認識は適切であろう。

過信せず、適度に緊張感を持って臨む川崎Fに対し、浦和は質の高い攻撃陣で襲いかかる。万能型のストライカーである興梠慎三と、決定機を演出できる柏木陽介に加え、原口元気やマルシオ リシャルデスといった高い技術を持つ選手が控える。そして彼ら前線の選手たちに、2列目以降の選手がオーバーラップして絡む流動性の高い攻撃が特徴となる。リーグ戦24試合で浦和が積み重ねた46得点は、川崎Fの48得点に次ぐ2位の記録。だからこそ局面でしっかりとこれらの攻撃を封じ込める必要がある。そういう意味で川崎Fは、前回対戦時がそうだったように責任の所在がはっきりとする3バックシステムを採用するのかどうかが、見どころの一つとなりそうである。風間八宏監督はフォーメーションについて「自分たちが攻めるため」のものであるとの前置きに加え「自分たちがどれだけボールを持ってサッカーできるのか、その考え方で決めていきます。いろんな準備はしてます」と述べている。この浦和戦において、川崎Fの選手たちの良さを引き出すための布陣について風間監督がどのような答えを出すのか。まずはそこに注目してみたいと思う。

ご存知の通りこのヤマザキナビスコカップではアウェイゴールルールが適用される。勝利チーム決定のプロセスに、アウェイでのゴール数が関わるのだが、風間監督は「レギュレーションにとらわれ過ぎないように」と話し、「この1試合に集中して勝つということ」が大事だと述べていた。この言葉の真意は大会規定で明らかだ。

ヤマザキナビスコカップの決勝トーナメントは決勝を除き、ホーム・アンド・アウェイの2試合の勝利数で勝者が決まる。2連勝できれば文句なく勝ち上がれるのである。つまり風間監督は、川崎Fが持つ攻撃的な良さを消してまで守備面でのバランスを気にする必要はないと考えているわけだ。なぜならば、何点奪われたとしても2勝すればOKだからだ。つまり川崎Fはそれまでと同じように失点を厭わずに攻撃的な意図を持ち試合を進めるものと思われる。そうした川崎Fの試合運びがどこまで実現するのか。それに対し、浦和がどのような試合を見せるのか。そうした点も見どころの一つとなりそうである。

なお、ホーム・アンド・アウェイ2試合の勝利数が同数の場合の勝者は以下の順番で決まる。(1)2試合の得失点差、(2)2試合におけるアウェイゴール数、(3)第2戦終了時に30分間(前後半各15分)の延長戦(延長戦ではアウェイゴールルールは適用されない)、(4)PK方式。

「強いチームが相手ですし、舞台は整っている」と話す田中裕介は、だからこそ「良いサッカーをして、ホームで最初にできることをアドバンテージにしたい」と話す。この考え方については大久保嘉人も「ホームで初戦ができることがプラスになるようにしないとね。そのためにも勝たないと」と述べている。準々決勝の仙台戦がそうであったように、アウェイゴールを与えたとしてもホームで先勝すれば、アウェイでの第2戦に向けて浦和にプレッシャーをかけることが可能となる。だからこそ、ホームのサポーターの声援を力に変えて、勝利を目指してほしい。

なお、川崎Fはこの大一番に向けケガによる離脱からレナトが復帰の方向で準備が進んでいる。風間監督は「見た感じは悪くない。(もしピッチに立つのだとすれば)出来る状態だと思います」と述べている。リーグ戦でみせてきた大久保との高速カウンターは川崎Fにとって強烈な武器である。この試合での復帰が実現するのであれば、レナトの攻撃力は注目すべきポイントであろう。

また、ここにきて守備に安定感が出つつあるのは好材料であろう。家族の健康問題によりブラジルに帰国していたジェシが戦線に復帰。またアキレス腱痛により戦線から離脱していた井川祐輔も帰ってきた。彼らが最終ラインで発揮する人に対する強さが、川崎Fに安定感をもたらしつつあるように見える。川崎Fは点が取れるチームなだけに、無失点で試合を終えることができさえすれば勝利は見えてくる。

国内では無冠である大久保や、ヤマザキナビスコカップ、天皇杯でそれぞれ1度ずつ決勝戦を経験し、ともに敗れている山本真希など、川崎Fと同様にタイトルに飢えた選手たちがこの試合を楽しみにしている。「タイトルを取るためのチャンスだ」と話す大久保に限らず、川崎Fの選手たちはこの試合を楽しむ準備を整えている。そんな中、決勝進出に向け川崎Fはホームで先勝することができるかどうか。浦和という簡単ではない相手との対戦なだけに注目である。きっと楽しい試合になるはずだ。

-川崎F-【いざ国立へ!!】ヤマザキナビスコカップ準決勝直前監督・選手コメント
-浦和-【いざ国立へ!!】ヤマザキナビスコカップ準決勝直前選手コメント

以上

2013.09.06 Reported by 江藤高志
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