9月7日（土）第93回天皇杯 2回戦 Ｆ東京 vs 武蔵野（16:00KICK OFF/味スタ）
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Ｆ東京は、天皇杯初戦で日本フットボールリーグ（ＪＦＬ）の横河武蔵野ＦＣと再戦する。前回王者として臨んだ昨季は、動きが鈍く守備を固める相手を崩せずに時間が推移。試合終盤、長距離ＦＫを決められてまさかの2回戦敗退が決まった。

横河武蔵野は、現在ＪＦＬで12位と厳しい戦いが続いている。だが、東京都サッカートーナメントを含む直近の5試合は連続無失点中と守備の調子は良好だ。昨季のＦ東京戦から3−4−2−1システムを採用し、今シーズンはそれを基本システムに固定して戦ってきた。戦術理解が深まり、それが堅守につながっているのだろう。今シーズンも昨季同様に、ロースコアに持ち込んで1発を狙うプランで挑んでくるはずだ。

奇しくも、来週末に浦和戦が控えるＦ東京は8月31日のリーグ戦に引き続き、3−4−2−1システムで臨む。この試合もミラーゲームになるはずだ。権田修一、森重真人が日本代表に招集されているため、代わりにＧＫ塩田仁史と、ＤＦ丸山祐市の起用が濃厚だ。日程がそれほどタイトではないため、ほぼフルメンバーでこの試合に臨むことになりそうだ。

Ｆ東京の選手たちは、同じ轍を踏まないためにすべきことをそれぞれリストアップした。自陣に人数を割いて守る横河武蔵野攻略については、まずＭＦ東慶悟は「裏を狙わないといけない」と言う。流動的な動きでスペースを消してくる相手に対してスペースを生む動きが重要になる。まさに適役の背番号38は「僕が入ってそういうことを増やしたい」と語る。さらに、裏を突く選手がいる一方で、ＤＦの間でボールを受ける選手がいなければいけない。その呼吸を合わせることも大切だ。そして、ＭＦ米本拓司は「引いてくる相手に対してミドルを何本か打っていきたい」と話した。ゴール前に張り付く相手を引き出す上でも、中長距離のシュートは必須となる。

それらと同時に、根気も必要だ。ＭＦ石川直宏は「試合になれば、理想と現実を直視しなければいけない。自分たちのサッカーができていない時間帯があっても、できないじゃなくて辛抱強くやることも大切。ここぞというところと、メリハリをつけることでいい流れができる」と言う。攻め気が強すぎて大きくバランスを崩してはいけない。石川は「トーナメントは、たとえ内容が悪くても勝つことが一番。何よりも勝ちながら次につなげることでまた見えてくる」と続けた。

そして、一瞬の隙を狙う横河武蔵野のカウンターに対しては、米本は「ボランチを組むアーリア君（長谷川アーリアジャスール）の攻撃参加が増える分、バランスを考えないといけない」と言う。ただし、「そういう中で持ち味を出さないといけない。でなければ、いる意味がない」と付け足す。相手を敵陣に押し込んだ場合、ボールを奪われたとしても、素早い攻守の切り替えで奪い返すことができれば好機につながる。リスク管理とともに、攻守の切り替えも意識しなければいけない。

丸山祐市は「ポゼッション率は上になるが、些細なミスからボールを失うこともあった。球際一つとっても勝っていかないといけない」と言い、高橋秀人は「相手がＪＦＬのチームだと思わない。プロとしてみっともないと思われようが、きれいじゃないサッカーであってもいい。いつものリーグ戦と同じように戦いたい」と続く。ルーカスも「強い気持ちが大事」と話す。油断を見せれば、付け入られる。その隙さえも与えないことは最重要課題だ。

1年ぶりの勝負は、順当な結果か、それとも2度目の番狂わせか。東京都のプロクラブと、街クラブが再び相対する。

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2013.09.06 Reported by 馬場康平