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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第32節 横浜FC vs 群馬】レポート:本来の距離感と落ち着きを取り戻した横浜FCが前半の2ゴールで勝負を決める。(13.09.02)

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このカードの今年の最初の対戦は、第4節(3/20@正田スタ)。その試合では、4-1-4-1のアンカー松下裕樹を徹底的に狙うことで群馬がペースを掴み勝利を得た。それから5ヶ月あまり経た再戦となったこの試合では、群馬・秋葉忠宏監督に「老獪」と言わしめた横浜FCの落ち着きが、群馬の6戦負け無しの勢いを遮断することに成功。前回対戦のリベンジを果たすことに成功した。

予想より過ごしやすい28.3度、湿度53%という気象条件が影響したのか、前半から非常にコンパクトな陣形が保たれた中で推移した前半。その中で、最初に仕掛けたのは、群馬。横浜FCのビルドアップにプレッシャーを掛け、ボールを持つと浅いDFラインの裏を使った。2分の平繁龍一のシュートは惜しくも枠を外れたが、前節の勢いを感じさせるものだった。しかし、試合前に、横浜FCのキャプテンであるシュナイダー潤之介が「群馬は時々前からDFラインにプレッシャーを掛けてくる。そのときに恐れずにつなぐことが大事」と述べていたように、横浜FCは前節のG大阪戦で見せた繋ぎでの落ち着きを継続し、永井雄一郎を中心に前線に起点を作り始めると、ペースを取り戻す。8分の寺田紳一のシュートを皮切りに横浜FCの攻勢が続くと、15分に寺田から裏に出したパスを野崎陽介が冷静に決めて横浜FCが先制する。さらに、27分には、同じく寺田からDFライン裏に走った永井へのロングボールのこぼれ球に高地系治が反応、冷静に得意の左足に持ち替えゴールを決める。公式記録では、この2ゴールともに相手DFのこぼれ球を拾った形となっているが、前半は相手のこぼれを確実に拾える距離感を横浜FCが維持していたことが、攻勢の大きな要因だった。32分に、群馬も横山翔平を投入し4バックに変更し、守備のミスマッチに対応しようとするが、修正しきれず。前半は、横浜FCの一方的な展開となる。

後半に入って、群馬は「前にプレッシャーに行けなかったので、そこをはっきりさせるためにミラーゲームにして、わかりやすい形にした」(秋葉監督)というように、守備での対応を明確にする修正を施し、再び前半立ち上がりのようにプレッシャーをかけ始める。そして、56分にダニエル ロビーニョを投入すると、徐々にチャンスの数を増やしていく。対する横浜FCも66分に高地系治に代えてパトリックを投入すると、試合展開はお互いに攻め合うようになる。群馬は71分にダニエル ロビーニョのクロスに反応する決定機を作り、横浜FCも83分に佐藤謙介がキーパーと1対1になるが、お互いに決めきれず。前半の2点が大きくモノを言う形で、試合は2-0で終了する。

横浜FCは、前節のG大阪戦で得た収穫をこの試合に継続できた上での勝利という点で、大きな意味のある勝点3となった。群馬のプレッシャーにもひるまずに、ボールを繋ぐ姿勢を継続して、ペースを掴んだプロセスは今後の大きな自信となるだろう。そして、自らのペースに持ち込む過程において前線のベテランが果たした役割は大きかった。永井が前線で起点となり、三浦知良が絶妙のポジショニングで相手DF陣を混乱させる。そして、高地系治が距離感を保ち続ける攻守での厚みを付けていく。横浜FCが昨年の好調期に見せていた姿を、ようやくピッチの上に見せることができたと言って良い。

対する群馬にとっては、ペースを握っていく横浜FCに対して、前半受け身に回ってしまったことに悔いが残る試合となってしまった。秋葉監督は「老獪さにおつきあいしてしまった。うちは若いチームなので、ゆったりさせられるのではなく、もっともっとボールに出ていく必要があった」と振り返ったが、横浜FCの流動性や距離感を寸断するために、受けに回るのではなく自らの良さを出していく積極性の必要性を感じた試合だったのではないだろうか。後半は、6戦負け無しのチームの勢いを感じさせる場面もあった。次節以降のいい課題となった。

J2も残り10試合となった。今年のJ2は、上位、中位、下位とそれほど離れていない。残り10試合の努力で、順位は相当変わる可能性がある。その10試合に向け、この試合で得た自信と課題をいかに生かせるか。天皇杯を挟んで両チームの今後に期待したい。

以上

2013.09.02 Reported by 松尾真一郎
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