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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J1:第22節 清水 vs 浦和】プレビュー:見どころ満載。選手同士の対決もサポーター対決も檄熱。力をつけてきた清水は、強敵を倒して波に乗れるか(13.08.23)

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夏の大型補強に成功し、何としてもここから上昇気流に乗っていきたい清水がエコパに迎えるのは、現在3位の浦和。もちろん、浦和としてもアウェイでも絶対に勝ちたい試合。両チームのサポーター同士のライバル意識も非常に強く、両者の特徴が絡み合って見どころも非常に多く、本当に檄熱の戦いになることは必至の好対決だ。

今年唯一のエコパ開催となる清水は、現在アイスタで4戦無敗(3勝1分)とホームでの強さを取り戻しつつある。そのためにアフシン ゴトビ監督もさまざまな配慮を行なっており、選手たちもホームで自信を持って、立ち上がりからアグレッシブに戦うことができている。今回の浦和戦も、スタジアムが変わって少々勝手は違うが、「ここ2試合は良いスタートが切れている。浦和に対しても、前回よりも初めから我々らしいサッカーをやりたい」とゴトビ監督は言う。
「前回」とは、第8節の埼スタでの戦いのことで、このときは清水がボールを支配されながらも堅守速攻に徹し、カウンターによるバレーの一発で勝利している。だが、「我々らしいサッカー」というのは、ボールを保持してゲームをコントロールしながら失点のリスクを減らし、ゴールを奪っていくというスタイル。ホームでは常にそれを求めているし、そのためにはキックオフ直後から前線から激しくプレスをかけていって、ボールを回す余裕を与えないまま押し込んでいくことが重要になるわけだ。
ただ、ポゼッションで優位に立つのは浦和としてもやりたい部分で、とくに猛暑の中で体力の消耗を減らすには、自分たちがボールを持っている時間を長くするに越したことはない。前からの守備という面は清水のほうが積極的なはずなので、それを浦和が巧みにいなし、パスを回していけるかどうかが、まず第一の見どころになりそうだ。

そうして主導権を握る時間帯をどちらが多く作れるかという中、清水が優位に立った場合は、浦和は5バック気味に引いて守るスタイルをとる。それをいかに攻め崩すかが、清水にとって第2のテーマだ。これまでは、サイドのスペースも消されて攻めあぐねる試合が多かったが、今はその面でも可能性が広がってきている。
その意味で大きいのは、やはりラドンチッチの存在だ。前節のC大阪戦では負傷交代したが思ったより軽傷で、先発かどうかは不明だが、この試合にも出場できそうな見込み。193cmの高さと競り合いの強さは絶対的で、ゴール前に人数をかけられても良いボールさえ入れば、点を取れる可能性がある。また、「(ラドンチッチは)足下もうまいからキープもできるし、相手もむやみに飛び込めないから、そのへんもうまく使っていきたい」(吉田豊)と彼を経由することで守備のギャップを作るという形にも期待が持てる。ラドンチッチのポストプレーから大前元紀が裏に飛び出してゴールを奪う形などが出れば、清水にとってはまさに理想的だ。

もちろん、ポゼッションしながら相手を崩してゴールを奪うという面は、浦和のほうが得意とするところ。攻撃時には5トップ気味になって、そこから誰かが下がって危険なエリアでボールを受け、個の力も生かしながら変幻自在の攻撃を繰り広げる。そのため清水の守備陣としては、「後ろから声を出して合って、細かいところまで修正しながら組織で守っていきたい」(GK櫛引政敏)と、コンパクトな組織を保って守り切ることを目指している。
ただ清水としては、アウェイゲームでは2試合連続でPKにより先制点を与えたり、セットプレーの単純な配置ミスから失点したり、このところもったいない失点が多いのも事実。そこは集中力という面が大きいが、ぜひ改善しなければならない部分だ。

また、お互いにカウンターでも点が取れるチームなので、ポゼッションできたからといってまったく安心はできない。とくに中盤でボールを奪った、あるいは奪われた後の切り替えの速さという部分は見どころになるはずだ。
そしてもうひとつ注目したいのは、浦和は残り15分の得点が18点と際立って多いのに対して、逆に清水は残り15分の失点が12とかなり多いこと。これは終盤にどれだけ体力を残しておけるかという部分も含めて、清水にとって課題になっているポイントで、清水がリードしていたとしても最後の最後までまったく気が抜けない、目を離せない戦いになるだろう。
さらに、試合が膠着した場合には、セットプレーの攻防も大きなポイント。清水としても「セットプレーでも、ここ3年の中でもっとも(相手にとって)危険になれている」(ゴトビ監督)と自信を持っており、7月以降は平岡康裕がセットプレーから3得点している。もちろんラドンチッチの存在感も絶大だ。
だが、浦和も43得点のうち13点をセットプレーから決めており、DFの那須大亮が6得点と大活躍(セットプレー以外の得点も含む)。どちらも得意分野が激突する中で、平岡vs那須の対決も非常に楽しみになる。

というわけで、両チームの特徴として対照的な面と強みがぶつかり合う面があり、見どころは非常に多い。観る側も非常に暑いだろうが、本当にスタジアムに足を運んで生で観てほしい戦いだ。収容能力に余裕のあるエコパに清水ファンがどれだけ集結し、応援の力でどれだけ選手たちに熱いエネルギーを与えられるかという部分も、勝敗を大きく左右することになるはずだ。

以上

2013.08.23 Reported by 前島芳雄
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