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【J2:第30節 長崎 vs 横浜FC】レポート:高温多湿の中で行なわれた『走力戦』。自分達のやり方を貫いた長崎に結果がついてきた(13.08.22)

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殺人的な気温と不快極まりない湿度。日本列島が連日の猛暑に包まれているが、21日の長崎も極めて過酷な環境だった。日中の最高気温は37度で(試合時は31.9度)、運動量の多さが試合を決めるような環境だった。
このような中で、長崎が連敗を脱出するためには、酷暑とはいえ自分達の持ち味であるハードワークでリズムをつくり、コンビネーションで相手の守備を崩すことができるかという点がポイントとなった。
一方の横浜FCは前節ホームで京都に勝利し5連敗を免れている。この試合はケガから復帰したFW大久保哲哉に対して、サイドからいかに質の高いクロスを供給することができるかという点に注目集まった。

立ち上がり、横浜FCと長崎の双方が主導権を掴もうと一進一退の攻防を繰り広げるも、連戦ということもあり選手の体が重く、ボールを奪った後のパスが繋がらない。
先手を打ったのは横浜FC。25分にDFの森下俊が足を痛めて退場するというアクシデントが起こると、山口素弘監督は代わりに入った内田智也を攻撃的な位置に置いて若干システムを変更した。だがこれはうまくハマらずに、ペースは徐々に長崎に傾いていく。長崎は前節に続いてスタメン出場した前田悠佑がガムシャラな姿勢で守備に貢献すると、左のワイドに古部健太が張り出して鋭い飛び出しで裏を突く。これがうまく横浜FCのストロングポイントである右サイドを制した。ただ、長崎はどうしてもパスミスが多く、そこからの決定機を作ることができない。前半、両チーム合わせたシュート数はわずか4本。このうち長崎は3本で、横浜FCは高地系治が放ったドリブルシュート1本に終わった。

後半に入り、長崎・高木琢也監督は選手交代でサイドをケアする。58分に金久保彩に代えて鄭薫聖を入れると、左サイドの古部とポジションチェンジさせる。鄭のドリブル突破で、武岡優斗を高い位置に出させないようにして、横浜FCのパスの配給を封じた。
横浜FCの足が明らかに止まってくると、山口監督は62分に攻守の要であるボランチの寺田紳一を下げて、長身の田原豊を投入。システムを大久保との2トップへと変化させた。「ターゲットができたので、割り切って長いボールを入れていこうとした」とはっきりとした戦術を打ち出すも、武岡が封じられていたためになかなか上質なクロスが上がらず、自ら攻撃方法を失してしまった。
長崎の波状攻撃は生まれたのはこれ以降。フィニッシュの精度を欠きスタジアムには「ウワッー」という大きなため息が何度も響いたが、ため息が歓声に変わったのは試合終了間際だった。

前田が佐藤洸一にパスを出すと、佐藤は迷うことなく左足ダイレクトボレーシュートをねじ込んだ。この日、横浜FCの三浦知良選手をひと目見ようと訪れた普段より多い6,863人の来場者も佐藤の美しいゴールに興奮したはずだ。興奮したスタンドから「もう1点!!」という大きなコールが上がると、新加入選手同士のコンビから89分に追加点が生まれる。
鄭が途中出場した小松塁にスルーパスを送ると、得意な形で受けた小松は「イメージ通りだった」というファインゴールを決めて移籍後初得点を挙げた。
長崎も暑さのために本来のプレーを90分間できていたとは言いがたいが、運動量で「走力戦」を制したといえる。また、高木監督も「前節の福岡戦は負けましたが、内容は良かったです。今日の試合はその積み重ねが出たと感じてます」と話している通り、これまで積み重ねてきたものがあるからこそ、苦しい中でも結果が付いてきた。
一方の横浜FCは「自分たちの良さが出せない中、勝機を見出すためにいろんな策、いろんなシステムを試みましたが、結果的にこういうことになってしまいました」と山口監督がコメントしているように、打開策を見出せずに90分が終わってしまった印象を受けた。

両チームはこれからの終盤戦、G大阪など気を抜けない相手との戦いが続く。しかしながら気持ちを出して、自分たちのサッカーをすることに変わりはないはずだ。

以上

2013.08.22 Reported by 植木修平
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